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第31話 療養中の海外交流

 

職場のストレスによりうつ病を発症し、持続性特発性顔面痛と診断された私は、仕事をやめて、教会に通いながら、心と体の癒しに専念していました。

 

そんな休養期間に、かねてより行きたかったアメリカやカナダ各地に旅行に行くことになり、家族とともに、海外旅行でリフレッシュすることになりました。

 

アメリカのフロリダ州にある大学院に留学していた時は、車の運転をしたり、学会へ出席するために、クラスメートと一緒に別の街へ高速道路を利用してホテルに泊まったりしていたので、アメリカであれば、初めての街でも、どのように楽しめば良いかがわかるようになっていました。

 

仕事をしている時も、長期休暇になると、大好きなアメリカへ旅行に行っていました。またいつか留学できるかなと、密かに思いを抱いていましたが、ビザを取得することが難しく、カナダであればまだ行きやすいのではと思って、カナダも旅行で訪れました。

 

けれども、アメリカとカナダの雰囲気は何か違っていて、カナダに留学することはありませんでした。

食事は日本の方が美味しいと思っていたのもあり、旅行で訪れることができれば満足できるようになっていました。

 

通っていた教会では、海外との交流も盛んで、外国人クリスチャンの人とも仲良くなり、その人の国へ招待されたり、聖地旅行でイスラエルに行ったり、色々な海外旅行を楽しみました。

 

仕事も、教会で英語を教える仕事が見つかり、数時間の短時間でしたが、仕事を開始するようになりました。

肝心の痛みはというと、まだ取れなくて、でも、好きなことをしているときや、何かに熱中している時は痛くない、ということが分かりました。

 

食生活を変えてみたり、小麦粉を取らないグルテンフリーダイエットをしてみたり、鍼や漢方を試してみたり、良いと言われる高額な健康食品を勧められて摂ってみたり、どれも、これが効いたという処方薬になるものはありませんでしたが、病は気からと言われるように、何かに夢中になれることがあることが、回復への近道かなと思うようになりました。

 

痛みを気にしないように、痛みのことを考えないようにしながら、趣味を広げていきました。小さい頃はピアノを習っていましたが、アメリカ留学中にバイオリンを習うようになり、その後10年ほどバイオリンを習っていました。発表会にも参加して、人前で披露できるようになっていました。

 

乗馬にも挑戦してみました。乗馬は全身の運動になり、セラピー効果もあると聞いて、通っていました。難しいクラスに上がるのは至難の業で、基本コースだけで満足して終わってしまいましたが、動物には癒しの効果があると思いました。

 

そうして、病気ともうまく付き合っていけるようになって、再就職を考えるようになりました。

 

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