第30話 新しい仕事を始めたものの、ストレスでうつ病に
アメリカでクリスチャンになり、アメリカ人クリスチャンに様々な刺激を受けた私は、日本に帰国したら宣教師になろうと意気込んでいました。
けれども、日本の文化に逆カルチャーショックを受けながら、仕事と教会、両方を失って、教会にはしばらく通うことができなくなりました。
アメリカなどの海外でキリスト教に出会い、クリスチャンになって帰国したら、日本の教会に馴染めないという話はよくあることのようです。
仕事は、心理学や教育などの経験を活かせる仕事が見つかり、子どもを対象にした幼児教育の分野で再出発しました。順調に進んでいるかに見えた仕事でしたが、年数を重ねていくうちに、徐々に職場の人間関係にストレスを感じるようになります。
小さな会社で、従業員は全員女性でした。仕事を始めた当初は気にならなかった、上司の言動につい反応してしまい、勤務態度の悪い上司の言動を、社長に相談したところ、逆に、攻撃されてしまったのです。
ストレスがストレスを呼び、勤務時間中に突然耳が痛くなりました。その痛みはとても強くて耐えられないほどに、日に日に痛みは強くなり、耳だけでなく、顔や頭も痛むようになり、とうとう会社に行くことができなくなってしまいます。精神科へ行ったところ、うつ病と診断されました。
脳神経外科で頭の検査をしても、血液検査をしても、特に異常なし。それはそれでよかったのですが、こんなに痛みがあるのに、検査結果は異常がない。脳神経外科の医者が下した診断は、持続性特発性顔面痛という病名でした。
顔面痛、顔の痛みと書きますが、私の場合は、右側の耳・顔・頭が常に痛い、痛くないのは寝ている間だけで、起きている時間ずっと痛みが続いていました。
仕事は休職中でしたが、この痛みをなくすには、ストレスのもとから去ることが必要と言われたため、そのまま退職することになりました。
薬で治るかは分からない、根本的な治療はない、と言われた私は、癒しを求めて、再び教会に通い始めることになります。祈りによって、この痛みが取れるのであれば、との微かな希望を持って、教会というトラウマを乗り越えて、新しい教会に通うことになりました。