2024年7月20日夏の甲子園地区予選ベスト10(6) | ロロモ文庫

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10位は佐賀大会準々決勝の有田工対白石で、2年生投手2人の継投で接戦に持ち込み、競り勝つ、というこれまでの2戦と同様のゲームプランを白石は描いていましたが、狙いは初回に早くも崩れました。先発の小野琳生投手がいきなり連打を浴び、暴投なども重なり、一気に5点を奪われ、三回途中から継投した中山裕貴投も流れを変えられませんでした。  竹谷暁人捕手は「攻めの姿勢を貫いたつもりだったけど、2年生の力を引き出してやれなかった」とコメント。自身も三回までで退き、その後はベンチから声援を送りましたが、チームは2対10で敗れたわけです。

9位は埼玉大会4回戦の川口市立対埼玉栄で、オリックスの宇田川優希投手を兄に持つ川口市立のエース右腕の健が勝利を引き寄せる投球をみせて、Cシードの埼玉栄に逆転サヨナラ勝ち。1点を追う6回2死一、三塁で登板。高めの速球をうまく使ってフライアウトを稼ぎ、無死一塁とした7回、8回のピンチでは素早い動きで送りバントを阻止。ピンチの芽を摘みました。タイブレイクとなった延長10回は1死満塁から味方の失策で2点を失いますが、その裏、敵失で2点差を追いつき、最後は原口陽がスクイズを決めて5対4のサヨナラ勝ち。劇的な勝利に「3年間頑張ってきたチームメートなので信じていました。ホッとした気持ちです」と息をつきました。気温36度を超える暑さの中での投球で4回3分の1を投げて1安打、6四球と苦しみましたが「守備やスタンドで応援してくれるみんなのためにも疲れているなどと言っていられません。背番号1をもらっている以上、チームを勝たせないと」とエースの自覚を口にしたわけです。

8位は熊本大会準々決勝の天草工対熊本商で、エースナンバーを背負う熊本商の豊田琉人は選手はこの日も先発のマウンドへあがり、三回表には先頭打者として三塁打を放ちますが、本塁にかえれず、三回裏に3点を失い降板。「守備と攻撃で役割を果たそう」七回、2死二塁でサード強襲の内野安打を放ち、2対5で迎えた9回表、2死から1番打者が三塁打で出塁し、最後の打席がまわってきます。「落ち着いて打席に入れば必ず打てる」打球は左翼フェンスに向かって飛んでいきますが、懸命に飛球を追った左翼手が後ろ向きのまま差し出したグラブに白球は吸い込まれ、「自分が力を出し切れずにチームを勝たせられなかった」と豊田は悔やんだわけです。

7位は富山大会3回戦の富山第一対不二越工で、富山第一は14対4の7回コールドで、シード校の不二越工を下し、8強入りを決めました。13安打で14得点を挙げれば、最速141キロのエース右腕、岩寺翔義は5回1死二、三塁のピンチで登板し、この日は2回2/3を1安打、3三振、無失点に抑えました。高岡工芸との初戦では、2回を2安打、1失点を喫していた岩寺は「初戦の登板がダメだったので、フォームを変えて投げました。最近、ダメなピッチングが多かったので、楽しんで投げようと思いました」とコメント。 準々決勝の相手は、優勝候補筆頭の富山商で「次の試合もピッチングを楽しめるようにしたい。球速は気にせず、必要な時に三振を奪いたいです」と岩寺はコメントしたわけです。

6位は佐賀大会準々決勝の佐賀工対嬉野で、嬉野は2年連続で準々決勝に進みますが、これまで4強入りしたことはなく、八回、3対4と1点差に迫ってなお2死二、三塁と、一打逆転のチャンスで8番打者の浦川拓真主将二打席が回りました。植松幸嗣監督は「浦川の調子は大会前までどん底だった。でも、あきらめずにいつもスイングしていた。キャプテンが最後やってくれると思った。一番練習したから」とコメント。浦川は大会に入り初戦で3安打3打点、3回戦は二塁打を放ち。この日も3安打して迎えた八回でしたが、フルカウントから二ゴロに倒れ、「調子がよかっただけに、決めようとし過ぎたのかな。期待にこたえられなくて」と悔やみました。塩田中から来た浦川主将や、この日の先発6選手は嬉野中出身で「地元の高校から甲子園へ」を合言葉に成長「バッテリーは2年生。力がある人がいっぱいいるので、甲子園に行くことを任せたい」と浦川はコメントしたわけです。

5位は京都大会4回戦の西城陽対宮津天橋で、西城陽が4強入りした2017年以来、7年ぶりに準々決勝へ駒を進めました。エース左腕の辰巳涼太が被安打4で完封。 「ピンチもあったんですけど、野手がいいところでゲッツーを取ってくれたり、抜けるかどうかっていう打球をアウトにしてくれたんで、流れが相手にいかなかったと思います」2004年のドラフト自由枠で横浜に入団し、2019年から指揮を執る染田賢作監督からは配球や体の使い方を学んでいると辰巳はコメント。「相手が予想していないような球を投げたり、変化球を意識付けさせて真っすぐを投げたりとか、逆を突くような配球が多いです」西城陽は一昨年は京都外大西に、昨年は鳥羽に初戦で敗れましたはが、ここまで3勝と躍進し、染田監督にとっても夏の8強は初めて。「ここがアカンかったっていうところがあんまりないぐらい良かった。チームは冬を越えてすごくたくましくなった。6年目ですけど、一番バランスのいいチームになったんじゃないかなと思っています」とコメントしたわけです。

4位は静岡大会3回戦の知徳対浜松学院で、今大会注目の知徳・小船翼投手を攻略し、4点差をつけて浜松学院に勝利が傾いていた八回、試合の流れが一気に変わりました。浜松学院の左腕・成田旬投手は、スライダーが要所で決まり、7回まで1点に抑えていましたが、八回に失策をきっかけに一、三塁とされると、長短打4本続けて打たれ、成田はマウンドを降りました。チームは5対12で敗れ、「失策や四球から崩れないようにするのが課題だった。あっという間で、流れを止められなかった。止めきれなかったのは力不足」と成田はコメントしたわけです。

3位は長野大会準々決勝の赤穂対長野商で、ここで得点できなければコールド負けという重圧下で、7回、長野商の4番、湯本佑大が中前に運んで出塁すると、後続の長打で生還し、中軸の意地を見せました。湯本は小学3年で野球を始めた当初は「右投げ右打ち」だった。小6の頃、球を投げる時に肘が激しく痛み、重度の「野球肘」だと診断され、利き手を変える決心をした。中学2年まで「左投げ左打ち」に挑戦。肘が回復した後、投げ方は中「右」に戻したが、打撃はそのままにし、途中から左打ちにした分、周りに追いつかないと、という思いが人よりも徹底的に振り込む理由になり、打撃が開花。試合は1対9で敗れましたが、湯本は「後悔しないように出し切れた」と話し、涙をぬぐったわけです。

2位は福岡大会準々決勝の西日本短大付対東海大福岡で、19日は雨のため5回裏の攻撃中に中断し、西日本短大付が5点リードで継続試合が決定。試合再開後の攻撃は3人で終わり、6回表に2点を返される嫌な展開となりました。「一番なってほしくない流れになった。でもあそこで2点で抑えたのは良かった。よくしのいでくれた」と西村慎太郎監督はエース村上太一の粘りを褒めました。村上は試合再開後は6回の2失点のみで、7回以降は無失点で東海大福岡の反撃を止め、リードを守りました。継続試合は初めての経験だったという村上は「継続試合は普通の連投より疲れました。肩よりも足が疲れていて足が動かなかった。気持ちは0対0のつもりで投げました」と心身ともに通常の連投よりも負担が大きかったと明かしたわけです。

1位は沖縄大会準決勝の興南対KBC未来沖縄で、興南は3回裏に失策と適時打で2点を先制されますが、直後の4回表に死球を挟んで5連打を放ち3点を入れ逆転。7回には主将・石川駿介外野手のランニング本塁打も生まれ突き放し、先発の左腕・田崎颯士は、8回まで3安打投球で抑えて、6対2で勝利。自己最速タイの147キロとスライダーを武器に10個の三振を奪った田崎は「失点した4回以降はまっすぐに近い変化球で打たせていけた」と配球を修正した後の投球に手応えを見せました。興南の決勝相手はエナジックスポーツで開校してからまだ3年と、沖縄で最も歴史のある私立学校の興南とは対照的な存在。我喜屋優監督は「決勝ということは意識しない。1試合全力で戦い抜く」とコメントしたわけです。