ロロモ

ロロモ

いろいろなベスト10や漫画のあらすじやテレビドラマのあらすじや映画のあらすじや川柳やスポーツの結果などを紹介したいと思います。どうぞヨロピク。

10位は<ライトの虹を踏みながら 銀座の夜を開く薔薇>で始まる大津美子「東京アンナ」。9位は<踊り踊るなら チョイト東京音頭ヨイヨイ>で始まる小唄勝太郎「東京音頭」8位は<歌も楽しや東京キッド 粋で御洒落で朗らかで>で始まる美空ひばり「東京キッド」。7位は<昔恋しい銀座の柳 仇な年増を誰が知ろ>で始まる佐藤千夜子「東京行進曲」6位は<真っ赤なドレスがよく似合う あの娘想うてむせぶのか>で始まるフランク永井「東京午前三時」。

5位は<空が哭いてる 煤け汚されて>で始まる内山田洋とクールファイブ「東京砂漠」。4位は<久しぶりに手をひいて 親子で歩ける嬉しさに>で始まる島倉千代子「東京だよおっ母さん」。3位は<なぜ泣くの まつげが濡れてる>で始まるフランク永井&松尾和子「東京ナイト・クラブ」。2位は<流れ流れて東京を そぞろ歩きは軟派でも>で始まる竹越ひろ子「東京流れもの」。1位は<若い希望も恋もある ビルの街から山の手へ>で始まるコロムビア・ローズ「東京のバスガール」となるわけです。

10位は<今私の願い事が 叶うならば翼が欲しい>で始まる赤い鳥「翼をください」。9位は<好いた女房に三下り半を 投げて長脇差永の旅>で始まる上原敏「妻恋道中」。8位は<二人暮らしたアパートを 一人一人で出て行くの>で始まるペギー葉山「爪」。7位は<草木の紬に身を包み 踊った姿が忘られぬ>で始まる竜鉄也「紬の女」。6位は<やり切れない程 退屈な時はあるわ>で始まる中森明菜「DESIRE」。

5位は<死んでもあなたと 暮らしていたいと>で始まる由紀さおり「手紙」。4位は<ドンとドンとドンと 波乗り越えて>で始まる立川澄人「出船の港」。3位は<好きなのにあの人はいない 話し相手は涙だけなの>で始まる黛ジュン「天使の誘惑」。2位は<あなたと私が夢の国 森の小さな教会で>で始まるチェリッシュ「てんとう虫のサンバ」。1位は<貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く>で始まる鶴田浩二「同期の桜」となるわけです。

10位は<上野発の夜行列車 降りた時から>で始まる石川さゆり「津軽海峡冬景色」。9位は<津軽の海よ 竜飛岬は吹雪に凍えるよ>で始まる新沼謙治「津軽恋女」。8位は<りんごのふるさとは 北国の果て>で始まる美空ひばり「津軽のふるさと」。7位は<津軽平野に雪降る頃はよー 親父一人で出稼ぎ支度>で始まる千昌夫「津軽平野」。6位は<月がとっても青いから 遠回りして帰ろう>で始まる菅原都々子「月がとっても青いから」。

5位は<月の砂漠をはるばると 旅のらくだがゆきました>で始まる川田正子「月の砂漠」。4位は<包丁一本晒に巻いて 旅へ出るのも板場の修業>で始まる藤島恒夫「月の法善寺横丁」。3位は<路地のあかりがチラチラと 夜を待てずに灯を点す>で始まる川中美幸「月夜だね」。2位は<空に西陽があたる部屋は いつもあなたの匂いがするわ>で始まるテレサ・テン「つぐない」。1位は<ドライバーズシートまで 横なぐりの雨>で始まる中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」となるわけです。

10位は黒白を明らかにする。9位は語源を明らかにする。8位は罪状を明らかにする。7位は辞意を明らかにする。6位は事件の背景を明らかにする。5位は事実を明らかにする。4位は事情を明らかにする。3位は姿勢を明らかにする。2位は実相を明らかにする。1位は実態を明らかにするとなるわけです。

10位は切れ目を明らかにする。9位は区別を明らかにする。8位は原因を明らかにする。7位は経緯を明らかにする。6位は決意を明らかにする。5位は好意を明らかにする。4位は功罪を明らかにする。3位は構想を明らかにする。2位は構造を明らかにする。1位は効能を明らかにするとなるわけです。

10位は意義を明らかにする。9位は意志を明らかにする。8位は位置関係を明らかにする。7位は因果関係を明らかにする。6位は内幕を明らかにする。5位は過程を明らかにする。4位は疑念を明らかにする。3位は旗幟を明らかにする。2位は曲直を明らかにする。1位は去就を明らかにするとなるわけです。

邂逅

首相に電話する神堂。「電話をかけたのはほかでもない。君の任期のことだが、あと三年はやってもらう。後釜はこれからゆっくり考える。勿論、君が今まで通り、それなりの努力をし、我が神堂コンツェルンに莫大な利益をもたらせば、また考えなくもないが。とりあえず、三年だ。わかったね」ヘリの音に気付く神堂。「もしもし。神堂様。どうなされました」

神堂コンツェルン総帥、神堂肇、後年側近に漏らす。<生涯、わしを見下した人間は、あの男一人だった>

この時、彼、竹田翔丸が日本政財界の黒幕、神堂肇に取った行動は、後日、重要な意味を持つことになる。この行動について、彼、竹田翔丸は後に敢えて語る。『この日、新たなるゲームが始まったのです』

田上に電話する神堂。「私だ。なんと言ったっけな。以前、お前が酒のつまみに話してくれた。そうそう、その少年だ。竹田翔丸。ほう、彼の親衛隊長を拉致している。とにかく、その翔丸を三時間以内に殺れ」

銃を鼻先に突き付けられる渡辺。「翔丸のヤサはどこだ。言え」「かはっ」「翔丸のヘリが曙高校に」「翔丸組はヤワじゃねえ。翔丸組はヤワじゃねえ」

その日、翔丸は曙高校に足を踏み入れる。まさしく、それは神堂肇を挑発する目的以外なにものでもない。

「おうっ、いい度胸じゃねえか。自分で死に場所を決めるとはよ。翔丸さんよ。五分間だけ待ってやる。辞世の句でも考えな」「お前、名前を何と言う」「ン」「名前を何と言う」機関銃を乱射するサングラスの男。「あんたも早う、翔丸組へ入れ」「もう一度だけ聞く。お前の名は何と言う」「た、田上じゃあ」「田上、喜べ。お前も翔丸組に入れてあげる」

「私だ。どうした。警視総監とあろう者が、そんなにうろたえて」「先ほどから神堂様の事務所の上空をヘリが。蹴散らかすのはたやすいのですが、大事にして神堂様にご迷惑をおかけしてはと」「よいよい。棄てておけ。別に害はない。それよりお前に頼みがある。竹田翔丸と言う少年のリストをまとめてくれ。ひょっとすると死亡届になるかもしれんがな。息抜きだ。ちと、仕事を忘れて遊びたくなった」

自称土地ブローカー田上一男は言う。<快感だった。あん時、翔丸さんにカッターで切られた時、なんだか知らないが、全身の力が抜けてって、なんだか知らないが快感だった。ああ、これでいいんだ。これで俺も翔丸組に入れたぞ。心からそんな気持ちになったんだ>

田上の元ボディガード本吉明も、後日同じ言葉を吐く。くっと笑う神堂。「竹田翔丸。どうやら生き延びたようだな」とにかく、この日、神堂肇との新たなるゲームが始まる。それは翔丸にとって、大いなる野望の確かなる一歩でもあった」

 

天才

新宿歌舞伎町にあるゲームセンター「スター・ウォーズ」の支配人は言う。<ああ、あの学生服ね。前髪をたらして、頬に傷のある。覚えてるよ、よく来てたから。そう、2時くらいかな。気が付くと、そこにいてよ。何するでもなく、ただぼんやり、ゲームを眺めているんだ」

「行くぞ。ちぇっ、また負けだ」<そうそう。そういえば、あの学生服、1回だけゲームしたことあるよ>「坊や。コイン1枚貸してごらん」<今、思えばよ、ありゃあ、どうしても偶然としか考えられないがよ。あの学生服、細く伸びた指で、コイン1枚、おもむろに投入口に入れたよ>

「やった、エースのスリーカードだ。このまま勝負しちゃおう。ありっ」<驚いたのはこの次だ。当り前のように、一番はじのエースだけ残して、あとのカードをチェンジしたんだ。わざわざ、エースのスリーカードを崩してな>

<俺もそんなの初めて見たから、ゲーム機の業者に聞いてみたんだ。そしたら、エースのスリーカードが配られる確率はおよそ五千分の一。そこからロイヤルストレートフラッシュができる確率はさらに18万分の一だって言うんだよ。しかしよ、まさか、後ろでずっと見てて、コンピューターの頭脳を把握したわけでもあるまいし。とにかく、ありゃあ、偶然だよ。そうとしか考えられねえ。ああ、それからも、あの学生服、ちょくちょく顔出してたよ。でもゲームをしたのはあれっきりだったね>

翔丸、後に語る。『ゲームの勝負に偶然などないのです。結果は全て緻密に計算されたものなのです』

「おいっ、ちょっと待てえ。ヒトにぶつかっといて、挨拶なしはねえだろうが」竹田翔丸、ゲームセンターを出た後、新宿西口路上でチンピラに絡まれる。その時、竹田翔丸、何の臆するところもなく、笑う。そしてポケットからカッターをのぞかせる。「悪く思うな。お前のような男」カッターをポケットにしまう翔丸。「翔丸組には入れられぬ」「はっ」

数時間後、このチンピラ、三野悟は言う。<わしはあん時、カエルだった。ヘビに睨まれたカエルだった。今まで、いろんな人間見てきたけれど、あの人ほど冷たい目をした男はいない。そうだ。わしはあん時、ヘビに睨まれたカエルだったんだ>

特別臨時専用列車で翔丸の資料に目を通す神堂。「竹田翔丸。単にはったりの小わっぱか。それとも、まこと悪の天才か」

凶手

「翔丸。極道は親は撃てん」「ふっ。盃を交わした子は撃てなくても。実の子なら撃てる」怒鳴る渡辺。「翔丸組はヤワじゃねえ。ヤワじゃねえ」銃口を父に向ける明男。「おやじ」

翔丸、後に語る。『僕が何故それほどまでして佐伯組完全掌握に固執したかですか。勿論、皆さんのおっしゃる通り、名目は翔丸組武闘集団の強化にあったわけですが、正確に言えば、それは僕の心情とは少し異なるわけです。要するに僕はゲームをしたかったのです。当時、極道社会で東のドンと言われた佐伯大造と』

「撃て」発砲する明男。佐伯の耳元をかすめる銃弾。「佐伯さん。ゲームの続きは後日」

翔丸、なおも語る。『ええ、楽しかったですよ。十分に満喫できました。彼、佐伯大造とのゲームは』

これより、一週間後、竹田翔丸は意外なところにその影を現わす。当時、M警察署署長だった安岡忠は語る。<ああ、その少年ですか。ええ。よく覚えてますよ。私がM警察署に署長として赴任した二、三日後のことでしたからね。あの日は確か雨の日でしたか>

「いい加減にしろ。お前、警察をバカにしとんのか」「どうしたんだ」「あ、署長。おはようございます。いやあ、参りましたよ。聞けば、その少年は万引きしたから、自分を罰してくれと頼んでいると言うんです。その万引きしたと言う品物ですか」

<ええ。おっしゃる通り、使い古されたカッターナイフでしたね。私はなぜかその少年にひどく興味を持ちましてね。ま、事情聴取と言うことで、その少年を直接署長室に呼んだんですよ。その少年ですか。黙ってましたよ。何を聞いても。最後の一言、こう言ってましたっけ。ゲームですよ、と>

その翌日、今まで降り続いた雨がウソのような快晴だったと言う。その朝、佐伯大造はけたたましい電話の音で目を覚ましたと言う。「爆破?」

佐伯の屋敷に向かう戦車隊。「佐伯さん。今度は冗談なんかではない。僕の合図であなたの息子は、あなたを確実に撃つ。そしてそれと同時にあなたの屋敷も一撃に爆破する」

叫ぶ渡辺。「翔丸組はヤワじゃねえ」戦車から出てくる明男。「翔丸組は、ヤワじゃねえ」涙する佐伯。「明男」

<白昼の道路に戦車隊?それはどう考えても不可能ですな。公道はその地区の署の管轄です。とすると、当時M警察署署長だった私がウソの報告書で、一定時間、道を遮断したと仰るのですか。あなた、それは私に対して失礼じゃないですか>

鼻の横の傷跡をさす安岡。当時、M警察署署長であった安岡忠。今、彼は警視庁副総監の重職にある。異例の出世と呼べるだろう。

ヘリから通達する翔丸。「佐伯大造。今、お前の涙を見せてもらった。泣け。もっと泣け。その涙で全ての邪念を取り払うんだ」「明男。なぜじゃ。なぜ、それほどまでして」「おやじ。あんたも翔丸組に入ればわかる」

翔丸、後に語る。『人には必ず弱点があるのです。言い換えれば、弱点のない人間などこの世に存在しないわけです。戦いとはその弱点を見抜くことから始まるのです』

「佐伯大造。今なら間に合う。翔丸組に入るんだ」

 

刻印

教壇で教科書を読む中川。「では次に進みます。n個の異なるものから、r個をとって一列に並べたものを」<はい。彼、竹田翔丸は滅多に学校へは現れませんでした。その間、統率者を欠いた翔丸組は、まさに傍若無人。学校内で好き放題に振る舞っていたのです>

中川のスカートをめくる八巻。「あふっ」「これを順列と言い」「先生よお。もっと足を広げてくれよ。肝心なところが見えないじゃないの」「や、八巻君、これ以上続けたら、警察を呼びますよ」「警察?上等じゃねえか。翔丸組は警察より偉えんだよ」中川のパンティをずり降ろす八巻。「八巻君。やめなさい」「先生。もっとダイエットした方がいいんじゃないの」「や、やめて」

教室に入って来るサングラスの男。「翔丸組以外は床に伏せろ」

「機関銃?それで、窓ガラスを割られたぐらいで、みんなオタオタしてるってわけか」「渡辺君。うちの若い者を貸しましょうか」「いーや。どうせ、どっかの馬の骨だろーが。俺一人で十分よ」

この間、竹田翔丸はどの記述を調べても、その影が見当たらない。世に言う「空白の日々」である。

「おめーか。教室で暴れたってガキは」「翔丸組親衛隊長、渡辺だな。すまんが、ちと顔を貸してくれ」「ほー。イヤと言ったら」「殺す」

この間、彼、竹田翔丸は一体、どこにいたのだろうか、この地、横須賀にかすかなる糸口がある。

長年、横須賀沖で暇を見つけては、釣りを楽しんでいると言う小原真治は語る。<年月日なんて忘れちまったな。でも、そのことならよく覚えているよ。俺はいつものように沖へ出て、糸を垂れてたんだよ。そうだな、朝の6時くらい。朝もやの中、小型艇が音をかき消すかのように走っていくのを見たんだよ。そいつが米国の巡視艇だったんだよ>

<俺は正直驚いたね。米国さんの巡視艇によ、学生服を着た日本の少年が我が物顔で乗ってるんだ。ありゃあ、誰が見たって驚くよ。ばあたれが。夢なんかじゃねえって。バカにするんじゃねえよ>

これより5時間後、彼、竹田翔丸は忽然と曙高校にその姿を現わす。

「話ってこれかい。このオレが、そんなはした金で心を動かすと思うとったんか」「ハハハ。じかに翔丸とサシで会えるのは、お前だと聞いたもんでな。この倍は出そう。それなら翔丸を殺ってくれるな」「くっ。だから言ってんだよ。この俺が、そんなはした金じゃあ動かねえとな」

「ほー。まだわからんのか。お前はただ翔丸に利用されてるだけだ。眼を醒ませ、渡辺君よ」「おめえ、なぜ、それほどまでにして、翔丸さんの首を欲しがる。くせえ、くせえ。臭うぜ、おめえの後ろにいる、でっけえ野ねずみがよ。その野ねずみに言ってやんな。翔丸組はヤワじゃねえ」掌をカッターで傷つけ、札束の上に血を垂らす渡辺。

校庭で怒鳴るサングラスの男。「みんな聞け。翔丸組は今日限りで壊滅じゃ。文句ある奴は、今すぐわしの前にさらせ」ヘリから飛び降り、サングラスの男の顔に縦一文字でカッターで傷つける翔丸。「その顔の刻印。後にお前の宝となるだろう」「しょ、翔丸」「さ、お前の元飼い主まで案内してもらおうか」

この間、およそ三分。竹田翔丸、再び機上の人となる。

儀式

リンチを受ける渡辺。「よお、聞けよ。わしらはガキを相手にするほどヒマじゃねえ。早く吐いて、楽になれ。翔丸はどこにいる」「ぐっ。翔丸組にはそんなヤワじゃねえ。言わねえ。知っててもな」「渡辺とか言ったな。おめえ、高校生で死にたかねえだろ」

爆音を耳にする後藤。「花森。外を見てこい」「はい」そこに現れる明男。「若」「翔丸組はヤワじゃねえ。翔丸組はヤワじゃねえ」「後藤さん。竹田翔丸があんたにプレゼントをしたいとおっしゃってる。表へ出てくれ」

その時の様子を当時佐伯組直系組員だった花森孝はこう語る。<後藤さんかい。ああ、表へ出たよ。決まってるじゃねえか。その姿は堂々としてたよ。なんたって、あん時は、佐伯組のカシラを張ってたおヒトだからよ>

ヘリから何かが落ちて来る。<驚いたかって?アホか。当り前のこと聞くんじゃねえよ。なんたって、黒い物体が空から降ってきたんだからよ。そうだな。しばらくしてだな。そいつが棺桶とわかったのは>

翔丸、後に語る。『あの棺桶はいわゆる僕の決意の表明だったわけです。みなさんは渡辺を助けるために、僕があのような行動をとったとお思いでしょうが、それは違います。僕の目的はあくまで佐伯組完全掌握にあったわけです、そうです。要するにあの棺桶は、その結果を十分に予測できるジョーカーだったわけです』

「カシラ、ぶっ壊しちゃいましょうや」「待て。壊すのは。根気よく釘を一本ずつ抜いていけ」

当時、佐伯組若頭、後藤一樹は後にやっと重い口を開く。<正直言って怖かった。釘は一本ずつ抜かれていくたびに、命が削られていくような思いがした>

バンと叫ぶ渡辺。「爆発だ。その蓋を開けたら、みんなぶっ飛びだ」<あん時、わしもそう思った。あの男、竹田翔丸ならやりかねない、と。たとえ、仲間の命、ひとつやふたつ、犠牲にしても。いや百人千人の仲間の命でも、己が野望のためには見殺しにする、と>

呟く翔丸。「とりあえず、日本が欲しい」

蓋が開けられる棺桶。これより15分後、後藤一樹は翔丸に降伏する。翔丸、後に語る。『皆さんはあのミサイルが果たして本物だったのか、と言うことを聞きますが、僕にとっては、それは別段重要なことではないのです。少なくとも後藤一樹にとって、あのミサイルはまぎれもなく本物であり、そう彼が思いこむことを僕は100%確信してたわけです』

不気味に動くミサイル。「あわわ」ヘリから通達する翔丸。「後藤、よく聞け。そのミサイルは全てこのヘリからコントロールできる。お前の決断如何では、この地域住民の命が泡と消えよう。後藤、今なら間に合う。翔丸組に入るんだ」

正確に言うと、15分21秒後、佐伯組ナンバー2、後藤一樹、翔丸組と化す。

 

眩惑

呟く渡辺。「翔丸組はヤワじゃねえ。翔丸組はヤワじゃねえ。かはっ」

「後藤はどうしてもおめえに会ってくれと言う。名は確か」「竹田翔丸」「翔丸か。いい名だ。くっ。で、翔丸。わしに会って何を望む」「佐伯組組長、佐伯大造。あなたとゲームをしたい」「ゲーム?」「戦争ゲーム」「くっ。戦争はゲームなんかじぇねえ。死ぬか生きるかの真剣勝負よ」「生きること。ゲーム。死ぬこと。またゲーム。人生即ち、これゲーム」

佐伯に向かってカッターを投げる翔丸。呟く渡辺。「翔丸組はヤワじゃねえ。翔丸組はヤワじゃねえ」

扇子でカッターを受け止める佐伯。「くっ。わっぱ」「ふっ。俺はこの戦争に勝ったら。あなたの縄張り、全てをもらう」

これよりおよそ一時間後、彼、竹田翔丸は曙高校に姿を現わす。当時、新任教諭であったと言う世界史担当小泉早苗は語る。<はい。その日のことなら、よく覚えています。確かに彼はその日、教室内に姿を現わしました。私が曙高校に赴任して一か月。ちょうどその日が中間テストの初日だったのです。勿論、彼のことは噂に聞いていました。しかし、その頃には彼は滅多に学校には姿を見せず、いつしか彼はまるで伝説の人物のような存在になっていたのです>

<ええ。その日が初めてだったのです。彼と会ったのは。その時の彼の様子ですか。普通でしたよ。ただ、空中の一点を見つめてました。それが一分だったか、二分だったか。とにかく彼は空中の一点を見つめていたのです。そしておもむろにペンを走らせ、その指はとどまることなく、まるで何かに魅せられたかのように、ペンを走らせたのです>

話は戻る。「とりあえず、あなたとの戦争ゲーム、俺の勝ちだ」「ほう。理由を言え」佐伯に銃をむける後藤。「後藤。どういうことだ」「親分、すんません。わしら、翔丸組に」機関銃を乱射する渡辺。「ガハハ。ぶっ飛びだあ」

「佐伯さん、あんたの負けだ」「っ、翔丸。極道を甘く見たようだのう。一度、盃を交わせば親と子。極道は親は撃てん。翔丸。おめえのゲーム、受けてやる」

先に述べたように、このあと翔丸はおよそ30分後に曙高校に姿を現わす。再び、当時、新任教諭であったと言う小泉早苗は語る。<その時の彼の答案用紙ですか。勿論満点でした。今思えば、彼、竹田翔丸はあの卓越しすぎた自分の頭脳を持て余していたんじゃないでしょうか。それでもなければ、もて遊んでいたのでは。とにかく、当たり前のことですが、テストの結果は全校トップの成績でした。それも全科目満点の>

足を組み替える小泉。その太腿には傷の跡が。今、彼女は女性ながらに教育委員会の要職にあると言う。

10位は「小さなことを処理するのに大仕掛けは必要ない」という意味である鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん。9位は「重大な任務を成すには長い年月がかかる」という意味である任重くして道遠し。8位は「大きな志を持つ者はどこでも活躍する」という意味である人間至る処青山有り。7位は「人情がなく恥を知らない人」という意味である人間の皮を被る。6位は「お金がすべて」という意味である人間万事金の世の中。

5位は「人生は絶えず変化する」という意味である人間万事塞翁が馬。4位は「何の手ごたえもない」という意味である糠に釘。3位は「調子はずれの歌を聞く」という意味である糠味噌が腐る。2位は「音を立てないように歩く」という意味である抜き足差し足。1位は「のっぴきならない」という意味である抜き差しならぬとなるわけです。