作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(711)」 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

いろいろなベスト10や漫画のあらすじやテレビドラマのあらすじや映画のあらすじや川柳やスポーツの結果などを紹介したいと思います。どうぞヨロピク。

野菜知らず

政治家の秘書の佐野と一緒にはるの料理を食べる山岡。「生の巻きエビのぶつ切りをバルミサコ酢と醤油、少量のすりごまで和えて、カイワレ大根をたっぷり乗せたの」「ぬ、普通のエビの刺身と全然違う味わいだ。バルミサコ酢と醤油、それにゴマの風味が金属的な味になりがちな生のエビの味をふっくら仕立て、それをカイワレのさわやかな味わいが引き締めている」「ぬう、誰がこんな小さな野菜を作り始めたのかねえ」「ぬ、お前、カイワレ知らんのか」「知らん」

里芋とタコを甘辛く煮るはつ。「ぬ、里芋のねっとりした感触と、タコのぷっつりした歯ごたえ。この取り合わせの妙がたまらん」「トロロ汁作ると美味しいな」「ぬ、何を言ってる。トロロ汁は里芋じゃない、山芋だ」「同じようなもんだろ」

芽キャベツをジャガイモ、ベーコン、タマネギと一緒に牛乳で煮るはる。「ぬ、洋風っぽいが軽くて優しい味だ。芽キャベツの出来がいい。出来の悪いのは変にごりごりしてこの甘みがない」「かわいそうだな」「なにがだ」「こんな小さな芽のうちにつんでしまわないで、ちゃんと大きなキャベツになるまで育てればいいんだ」「ぬう、お前芽キャベツを知らんのか」「だからキャベツの芽だろう」「お前、どうやら政治の毒に染まってるな。農園に連れていってやる」

農園に行く山岡と佐野。「ちょうど秋植えの大根の種をまいて、その芽が出たところだ」「ぬ、大根の芽?これカイワレじゃないのか」「カイワレとは貝割れ菜のことだ。大根の芽は葉っぱが二枚貝を割ったように見える。大根に限らず、シソの芽やアルファルファのように二枚葉の芽野菜を貝割れ菜と言う。よい大根になりそうな芽だけ残して、残りの芽は間引いて食べる。それをカイワレ大根と言う」「ぬう。カイワレは大根の芽を間引いたものだったのか」

芽キャベツを見て驚く佐野。「ぬう、なんだこれ」「普通のキャベツの場合、最初に葉が大きく育って、次に出て来る葉が丸まって結球するが、芽キャベツはこの茎に生えた腋芽だ」「ぬう、芽キャベツはキャベツとは全然違うんだ」「ぬ、これもキャベツの仲間だ。ブロッコリーやコールラビ、カリフラワーなどもキャベツの仲間だ。最初はみんな芽キャベツが茎に鈴なりにつけているのを見て、驚く。でも普通のキャベツよりも栄養があって野菜として素晴らしい」「ぬうう、農園の中できれいな野菜を見ていると、体中から政治の毒が洗い流されるぜ」