作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(630)」 | ロロモ文庫

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スコッチウイスキーの真価(2)

語る海原。「日本人は長い間洋酒と言えばウイスキーのことと思うほどウイスキーを飲んできた。それなのにウイスキーの味にはあきれるほど無感覚だ。それも無理からぬ面もある。日本政府はこれまで国産ウイスキー会社保護のために、スコッチウイスキーに高い税をかけていたこともあって、本物のスコッチは高価で近づきがたかった。だから日本人には国産ウイスキー以外のウイスキーの味の多様性を味わう機会がなかったのだ」「ぬううう」

「だが実際にスコットランドに行ってみれば、醸造所ごとにウイスキーの味も香りもまるで違う。シングルモルトウイスキーのそれぞれに違いがあるのはもちろんだが、いくつかのモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて作るブレンデッドウイスキーも会社ごとに、そして年代ごとに驚くほどに違う。いろいろな味の違いを知れば食前酒としてふさわしいものも発見できるはずだ。士郎、意地汚いお前のことだから多種類のスコッチを飲んできたはず。それなのにこの程度の質問に答えられないということは、いかにお前がいい加減にウイスキーを味わってきたかよくわかる」「ぬうううう」

我々はまざ若いから数多くのウイスキーを飲んでいないと海原に言う雄山。「俺と山岡に一か月くれ。食前酒に向いたスコッチは何か答えを出す」私たちはスコッチウイスキーの勉強を始めたばかりだと海原に言う栗田。「食前酒にふさわしいスコッチを選ぶことでスコッチ戸は何なのかその真実に迫ることができると思います」「どの程度迫ることができるか。お手並み拝見するとしよう」

スコットランドに行くことになった山岡たちのガイド役を努めることになるスコット。「主たる産地として訪ねるべき地方が二つあり、ハイランドのスペイサイドとアイラ島だ。スコッチウイスキーの真髄はスペイサイドとアイラ島を回れば掴めるほどモルトウイスキーの性格は際立って違う。その違いは飲めばわかる。まずスペイサイドモルトの代表が「ザ・グレンリヴェット」だ。そしてこの「ラフロイグ」がアイラモルトの代表だ。とにかく比べてみろ」「ぬう。全然違う。ザ・グレンリヴェットはふっくらと柔らかい香りなのに、ラフロイグは男性的で力強い香りだ」「ザ・グレンリヴェットに代表されるスペイサイドモルトは豊満で繊細だが、アイラモルトは強い剛直な性格が特徴だ」「その違いを知るためにまずアイラ島に行くぞ」