がんばれ!ベアーズ | ロロモ文庫

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元マイナーリーガーでプール清掃員のバターメイカーは議員のホワイトウッドから野球チームのコーチを頼まれる。「息子のトビーだ。プロ野球選手になるそうだ」「それはいい」「本来なら私がやりたいが、議会が忙しくて」「小切手をくれ」「試合まで一週間しかないが頑張ってくれ。悪童たちをうんとしごいてくれ」

こうしてバターメイカーはベアーズの監督になるが、ベアーズのメンバーはトビーのほかに近眼のピッチャーのルディ、野球オタクだがプレーはからっきしダメのオギルビー、ハンク・アーロンを信奉するがほとんどアーロンのことを知らない黒人のアーマッド、デブでいつもチョコばかり食っているエンゲルバーグ、根暗で弱虫の見本のルーパス、チビの癖にやたら喧嘩っぱやいタナー、メキシコ人で英語の分からないホセとミゲルといった連中で、とてもまともに戦える状態ではなく、バターメイカーもビールを飲んだくれながら適当に野球を教えていた。

リーグが始まり、ベアーズはヤンキースと対戦するが、ベアーズはいきなり初回に26点を奪われる。馬鹿げてるからやめようとヤンキースの監督のターナーに申し出るバターメイカー。「あと15分でコールドゲームだ。それまで我慢しろ。あとで非難されずにすむ」「放棄試合だ」「お前らよくそれで試合に出たな。野球をやる資格がない。リーグの面汚しだ。我慢ならん」「放棄試合だ」主審に放棄試合を申し出るバターメイカー。

0対26とは信じられんとバターメイカーに言うホワイトウッド。「息子はショックで一歩も部屋から出ない。もうチームは解散だ」「子供たちには?」「まだ言ってない。君から言ってくれ」「子供たちが反対したら?」「子供たちの意志は関係ない」

有名人の邸宅の地図売りをしているアマンダに会いに行くバターメイカー。「何の用?」「二年ぶりに会ったのに冷たいな。キャッチボールでもしようと思ってな」「なぜ」「悪ガキどもに野球を教えている。ヒマなら一緒にどうかと思ってな。昔のよしみで」「野球はやめたの。速球で肘を痛めて」「父親代わりで野球に行った」

「自分が好きでね」「プール掃除の時は遊ばせたし」「よく言うわね。私に掃除させといて。酔って動けなくなってママが連れて帰ったのよ」「盲腸の時は助けてやった」「その時以外は飲んだくれてたわ。ママが結婚を決心したら蒸発してしまって」「失敗するとわかってたからさ。今も彼女が好きだ。でも俺には結婚はむかない」「とにかくあんたのためなんかに野球なんかやらない」

練習するぞと言うバターメイカーに、あの試合のことで俺たちは学校中の笑いものだと言うトビー。「それで多数決をとってやめることにした」俺はやりたいと言うタナー。俺は役立たずだったと言うバターメイカー。「何もしてやれなかった。すまない。しかし一度あきらめたら習慣になる。もっといい監督ならいいがこれも何かの縁さ。みんな位置につけ」「なんで」「練習だ」「もうやめるんだ。みんなで決めた」わがままが許さんと怒鳴るバターメイカー。「早く立て。エンゲルバーグはホームプレートに行け。弱虫ども、みんな位置につけ。来週の水曜はアスレチックスと戦うぞ。負けてたまるか」

バターメイカーは真面目に基本から野球を教えるようになり、子供たちに猛練習させる。何をしてるとバターメイカーに聞くターナー。「練習させている」「ホワイトウッド議員が解散届を出したのにか」「関係ない。俺たちは優勝する」「子供たちにこれ以上恥をかかせる気か」「6月19日に上位2チームで優勝決定戦だ。是非、お前たちとやりたいな」

しかしベアーズはアスレチックスに0対18で大敗する。みんな元気を出せと言うバターメイカー。「最後までやったし、タナーはヒットを打ちかけた」「でもビリから二番目のチームに負けた」「勝つことは難しいのさ。元気を出せ。ホットドッグをおごってやる」

子供の遊びは卒業したのとバターメイカーに言うアマンダ。「私はバレエを習うのよ」「じゃあバイト代を出すから、それでバレエをやれ」「私はもうすぐ12歳で、ブラをする年よ。いつまでも野球なんかやってられないわ」「ありきたりの女になるか。そんな奴は相手にせん。俺がバカだった。9歳の頃の天才児は今はもう婆さんか。ママによろしく」「カーブは75センチ曲がるわ」「投げてみろ」30ドルとジーパンを買ってもらう約束で、ベアーズに入ることを同意するアマンダ。

アマンダはメッツ戦に登板して相手打線を抑えるが、ルーパスのエラーでベアーズは0対1でサヨナラ負けする。お前がエラーしなければとルーパスを責めるタナーにやめろと言うバターメイカー。「野球は勝っても負けてもチームの責任だ。次は頑張ろう」バターメイカーはバイクを乗り回す不良少年が凄い強肩の持ち主であることを知る。「あいつは誰だ」「この町一番の凄い奴さ。有名なケリーだよ」「奴は高利貸しさ」「俺は好きだ。根性がある」なんでもいいわと言うアマンダ。「野球が上手ならチームに入れましょう」

アマンダにベアーズに入らないかと言われたケリーは最初はあんなお荷物チームに入れるかと断るが、やっぱり野球がしたくてベアーズに入る。アマンダとケリーの活躍でベアーズは上位に進出する。今日のアスレチックス戦に勝てば決勝戦進出だとケリーに言うバターメイカー。「捕れるボールは全部捕れ。絶対に落せん試合だ。頼むぞ」ケリーはアーマッドやタナーのフライも全部捕ってしまい、サヨナラホームランを打ってチームを勝利に導くが、皆から白い目で見られてしまう。

明日は最終試合だからママを呼んだとバターメイカーに言うアマンダ。「3人で食事をするのよ」「余計なことをしたな」「イヤとは言わせない。私のおごりよ」「お前のママとは相性が悪い。どこへも行く気はない」「じゃあ私と二人で」「そんなことより明日は頼むぞ」「どうして話をそらすの。試合が終わったあとどうするの」

「俺はプール掃除があり、お前には地図売りとバレエがある」「掃除を手伝うわ」「断る。こんな男といるとロクなことはない。三流選手の成れの果てさ。飲んだくれで煙草を吹かすのが唯一の楽しみだ。落伍者だ」「違うわ。野球を教えてくれたわ」「まだわからんのか。お前に干渉されたくない。一緒に暮らしたいなら二年前にそうした」「……」

ヤンキースとの決勝戦の前に誰も自分とキャッチボールをしてくれないケリーはタナーに文句を言う。「なぜ一緒にやらない」「お前は一人でやるのが好きなんだろ」「なんだと」取っ組み合いをする二人を分けるバターメイカー。「どうした」「ケリーの奴、一人でボールを取りやがるから」皆が上手ならケリーも安心してまかせるわと言うアマンダに、女は黙ってろと怒鳴るタナー。昨日のことなら俺に責任があると言うバターメイカー。「俺が指示した」「なんで?」「おかげで決勝に残れただろう」「……」「もっと大人になれ」

ベアーズとヤンキースの決勝戦が行われるが、初回にいきなりホームカバーに入ったアマンダは相手選手にスパイクされて、胸を負傷してしまう。痛いかとバターメイカーに聞かれ、大した胸じゃないけど響いたわと答えるアマンダ。ターナーに汚いぞと言うバターメイカー。「これが真剣勝負さ」「女の子にスパイクして?」「判定はセーフだ。あれはルール違反じゃない。文句は審判に言え」

三振した自分の息子のジョーイを責めるターナー。「代わりにいいピッチングをしないと許さんぞ」ノースリーから打って凡退したアーマッドを責めるバターメイカー。「お前は馬鹿か。今度やったら承知せん」ケリーを敬遠させるターナーを野次るバターメイカー。「何を考えている。走者がいないのに敬遠するか」

ルディに内角が来たらぶつかれと指示するバターメイカー。「怪我するよ」「勝ちたいだろ。次のエンゲルバーグが打つ。やつは当たってる」ルディはデッドボールで出塁し、エンゲルバーグのタイムリーでホームインするケリー。

試合は一点を争う展開となる。アマンダは変えたほうがいいと言うトビーに監督は俺だと怒鳴るバターメイカー。「でも胸が痛そうだ」「じゃあ。ルディを投げさせて、負けてもいいと言うのか」「……」「お前は黙って自分の仕事をしてろ」デッドボールで出ろと指示したルディが凡ゴロを放ち激怒するバターメイカー。「監督の命令は絶対だ。従えん奴はクビだ。みんな何を考えている。笑いもののされて見返す機会が来たんだ。奴らに勝ちたくないのか」「……」「もういい。全力でプレーしてこい」連続三振したジョーイにバカめと怒鳴るターナー。

ヤンキース一点リードで試合は5回裏となり、エンゲルバーグはホームラン性のファールを放つ。ジョーイに外角低めを狙えと指示するターナー。「勝負させてよ」「外角低めだ」しかしエンゲルバーグに挑発されてジョーイはビーンボールを投げる。怒ってマウンドに行くターナー。「狙ったな」「手元が」「嘘だ」ジョーイを殴るターナー。ジョーイはエンゲルバーグをピッチャーゴロに打ち取るが、ボールを持ったまま離さないため、エンゲルバーグはホームインしてしまう。ターナーにボールを渡してグラウンドを去るジョーイ。

試合は同点のまま最終回を迎える。レギュラーであるタナーやトビーたちを交代させるバターメイカー。「オギルビー、ルーパス、ミゲル、ホセ、出ろ」僕たちが出たら負けると言うオギルビーに勝敗などいいと言うバターメイカー。「早く出ろ」勝ちたいから僕を出さないでとバターメイカーに頼むルーパス。「お前はベンチを温めるために生まれてきたのか。行って全力を尽くせ」

ここでルーパスを出す必要があるのかとバターメイカーに聞くホワイトウッド。「彼も一員だ」「しかし勝てる望みはまだある」「プレーする権利は全員にある」「きれいごとを言ってる場合か。子供たちの努力を実らせるのが君の務めだろう」「皆が野球をできるようにチームを結成したんだろう。みんな平等だ」

バターメイカーはレフトを守っているルディとアマンダを交代させる。しかしルディは打たれ、ルーパスたちはエラーをして、ヤンキースは4点を奪う。しかし最後にルーパスはあわやホームランという大飛球をキャッチする。大喜びでルーパスを迎えるベアーズナイン。「さあ逆転だ」

先頭のルディはヒットを放つがセカンドを欲張ってアウトとなる。すいませんと謝るルディに謝ることはないと言うバターメイカー。「ナイスガッツだ」アマンダはピッチャーゴロに終わりツーアウトになる。早く打席に行けとオギルビーに言うバターメイカー。「記録によると僕は14打席ノーヒットで、ルーパスの次に最低の選手なんだ」「早く行ってボールを打ってこい」

懸命に粘ってファーボールを選ぶオギルビー。場外へかっとばすぞと言ってバンドヒットを決めるアーマッド。ファーボールを選ぶミゲル。満塁で打席に入るケリー。ターナーは敬遠を指示するが、ケリーはボール球に飛びついて、大飛球をかっとばし、ランニングホームランを狙うがホーム寸前でタッチアウトになり、決勝戦は7対6でヤンキースの勝利に終わる。

サイダーで乾杯だと言うバターメイカーに、来年はバッティングを教えてと言うルーパス。いろいろあったが決着がついたなと言うターナー。「チームから言いたいことがあるそうだ」お前らよくやったぜと言うヤンキースのメンバー。「お前らは下手だけど根性がある。いままで馬鹿にして悪かったな」謝ることはないと答えるタナー。「お前らは実力で優勝したんだ」準優勝の小さなトロフィーをヤンキースナインに投げつけるルーパス。「来年を見てろ」サイダーをかけあってはしゃぎまわるベアーズナインなのであった。