作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(623)」 | ロロモ文庫

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スランプの原因

日本のチームに移籍してろくなプレーをしないドイツサッカー界のスーパースターのエリック・ホフマンになぜだと聞く山岡。「日本のファンをバカにしているのか」「違う。俺は生まれも育ちもミュンヘンだ。だからヴァイス・ヴルストを食べないと力が出ない」「ああ、白いソーセージだな」

ミュンヘンからヴァイス・ヴルストを輸入している会社に行き、社長の西城と会う山岡。「ヴァイス・ヴルストは1857年2月22日、ハロウィンの日曜日に誕生した。その日、ミュンヘンにある肉屋兼ビアホールのズム・エウギン・リットという店が焼きソーセージ用の羊の腸を切らしてしまった、そこで店主は羊の腸の代わりに豚の腸を使った。しかし、羊の腸に比べて太く仕上る。このソーセージを焼いてはじけるのを恐れて、茹でて発売した。するとそれが大好評でバイエルン地方に広まった」「ぬ、焼きソーセージのはずがゆでソーセージになったのか」

「中身は仔牛の肉30%、豚の肉70%。それにレモンの皮とパセリの微塵切りを入れて、すりつぶしたものだ」「仔牛の肉が要点だな」「仔牛の肉でないと白くならない。成牛の肉だと茶色になる。ミュンヘンでは早朝から売り出して、午前9時前には売り切れる」「ぬ。朝ごはんに食べるのか」「地域ごとの精肉店がそのまわりの住民の分だけ作る。日本の豆腐屋みたいなもんだ。ヴァイス・ヴルストは新鮮なものほど美味く、冷凍するほど味が落ちるが、それでも美味しから輸入している」「出来立てのヴァイス・ヴルストを食わせたいあ奴がいる」「そいつを連れてこい。俺が作ってやる」

ヴァイス・ヴルストを見て喜ぶエリック。「ビールと塩辛いプレッツェルはヴァイス・ヴルストにつきものだ」「ぬ。午前中からビールか」「そしてヴァイス・ヴルストは必ず甘酸っぱい味のマスタードをつけて食べる。もうひとつの決まりはヴァイス・ヴルストは必ずお湯につけて食う。では食い方を教える。まず縦に切れ目を入れて、下の皮一枚だけ残して、半分に開く。身と皮の間にナイフを入れて剥がし、一口大に切って、マスタードをつけて食べる」

「ぬ。ふわふわだが、しっかりした質感があり、ハンペンとカマボコを合わせたような、不思議な心地よい歯ごたえと舌ざわりだ」「このふっくらと優しい味わい。肉とは思えない軽ささから午前中に食べる理由もわかる」「材料に使う仔牛は母乳を飲んでいる生後2週間までのものでないと、この味わいと感触は得られない。仔牛の肉はゼラチンを含んでいるので、ふわふわした弾力を与える」「エリック、これで大丈夫か」「ああ」