作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(624)」 | ロロモ文庫

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カツオのへそ!?

俺の友人が入院していると山岡に言う小泉。「何か欲しいものはないかと聞いたら、カツオのへそを食べたいと言うんだ」「カツオのへそ?なんだそれ」「何か調べろ」「ぬう」

俺の母が再婚して腹が立つという隆に飯を作ったことあるのかと聞く山岡。「あるわけねえだろ」「飯に作り方を教えてやる」「ぬう」「洗うことを研ぐというのは米だけだ。米の表面のぬかは脂肪を含んで水では落ちにくいから研ぐように洗え」「ぬう。難しいな」「お前の母親はお前のために毎日してるんだ」「そうか」

「飯が炊きあがったら料理にとりかかるぞ。用意するのは薄切りの牛肉に、牛の脂の固まりと山椒の粉と海苔と醤油に日本酒」「それだけか」「飯を丼によそおって、その上に海苔をもんで乗せる。フライパンに牛脂の固まりを熱して、脂がフライパンの上に浮くような頃合いに、薄切り肉を入れ、焼いた肉をフライパンから直接乗せる。ここが大事だ。いったん皿に取ると風味が抜ける」「なるほど」

「もうひと仕事だ。フライパンに日本酒と醤油を取って、さっきの牛脂でフライパンを洗うようにこすりながら熱する。アルコールを飛ばして煮詰めると、ちょうどよいタレができる。肉汁とフライパンに残った肉の旨味を余さず取り込んだタレだ。このタレを肉の上にかけて、仕上げに山椒の粉をふりかける」「ぬう。この牛肉丼うまい」「家に帰るか」「帰る」「ぬう。局長もカツオのへそとかわけのわからないこと言わず、牛肉丼くらいのことを言ってくれればな」「カツオのへそがどうかしたか」「母ちゃんの再婚相手がそんなこといってたな」

カツオのへそを持って来る隆の義父の浜川。「ぬ、これが」「カツオにへそなんかあるわけない。これはカツオの心臓だ」「ぬ。心臓」「俺は静岡県焼津の出身だ。焼津は遠洋漁業の基地でカツオの水揚げ量は日本有数だ。その焼津の漁師たちが珍重するのがこのカツオの心臓だ」「なぜカツオのへそなんだ」「俺は料理じゃないからわからん。この部分の歯ごたえは抜群で、カツオの旨みが濃厚なんだ」「そうか」