ウルトラマンタロウ 第53話 | ロロモ文庫

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さらばタロウよ!ウルトラの母よ!

「光太郎さん」「お母さん」「光太郎さん。もうすぐあなたの人生を変えてしまうような大きな事件が起こりますよ」「僕の人生を変えてしまうような大きな事件。一体それは」「ごらんなさい」「あれは日日丸。一年前、僕はあの船に乗って日本に帰ってきた。あの船の船長さんは健一君のお父さんなんですよ。あっ、怪獣が」日日丸を沈没させるサメクジラ。「お母さん、白鳥船長は」「誰にも助けることはできないのです。たとえウルトラマンタロウでさえも」「そんな。じゃあ、ただ待つ以外に方法はないのですか」「いいえ。あなたがしなければならないことがあります」「僕にすることが」「そうです。命を賭けてでもしなければいけないことがあります。それはあなたが自分で見つけなくてはなりません」

お母さんと呟く光太郎を起こす健一。「ねえ、どうしたの。随分苦しそうだったよ」「夢を見てたんだよ」「そう。ねえ東さん、僕のお父さんは一年ぶりに明日帰ってくるんでしょう」「そうか。白鳥船長は明日帰ってくるのか」「どうしたの」「いや、なんでもないんだ」

日日丸を沈没させるサメクジラ。光太郎につらいなと言う朝比奈。「お前がZATの隊員になったのも白鳥さんの船に乗っていたからだ。白鳥さんの家に行ってやれ」「はい」「健一君と頼むぞ」「隊長」「辛い役目だ。お前しかできないことだ」さおりと健一に白鳥が死んだことを告げる光太郎。哀しみにくれるさおりと健一。上陸して大暴れするサメクジラ。ウルトラマンタロウに変身する光太郎。サメクジラを斃すウルトラマンタロウ。

ウルトラマンタロウの人形を壊す健一にやめるんだと言う光太郎。「光太郎さんに僕の気持ちがわかるもんか」「健一君」「僕は悔しいんだ。あの時、ウルトラマンタロウが来れば、怪獣がやっつけられたんだ。それなのに僕のお父さんを助けてくれなかった」「違う。君はそんな弱虫だったのか」「弱虫なんかじゃない」「いや、弱虫だ。君は心のどっかでウルトラマンタロウに助けてほしいと思っていたんだ」「……」「お父さんやウルトラマンタロウがいなかったら、君はどうやって生きて行くんだ」「それは」「健一君。ウルトラマンタロウはウルトラマンタロウで頑張って来たんだよ」「どうしてそんなことが」

ウルトラバッジを健一に見せる光太郎。「これはウルトラの母が僕にくれたバッジだ」「光太郎さん」「そうだ。僕はウルトラマンタロウだ」「え」「君がお父さんやウルトラマンタロウのことを忘れて自分の力で生きて行くことは大変なことだ。だが、そんな苦労は君だけにはさせない。僕も一人の人間として生きていくぜ。僕はウルトラのバッジをもう頼りにしない」空に向かってウルトラバッジを投げる光太郎。(光太郎さん。とうとう、あなたも見つけましたね。ウルトラのバッジの代わりに、あなたは生きる喜びを知ったのよ)(お母さん)(さよなら、タロウ)

そこに現れるバルキー星人。「見たぞ、タロウ」「タロウではない。東光太郎だ」「どっちでも同じことだ。バッジのないタロウなど恐ろしくもない。これで地球は我々のもの同然だ」「バカなことを言うな。この地球は人間の手で守ってみせる。健一君、よく見ておくんだ。人間には知恵と勇気のあることを」バルキー星人を燃料タンクのある工場に誘い込み、バルキー星人を爆死させる光太郎。「光太郎さん」「健一君。頑張るんだぞ」「うん」光太郎はZATのメンバーに別れを告げて、旅に出るのであった。