作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(534)」 | ロロモ文庫

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対決再開オーストラリア(7)

至高のメニューの主題は日本とオーストラリアの友好だと言う海原。「我々は確実にオーストラリアへの理解を深めた。日本にとってオーストラリアは羊毛、石炭、鉄鉱石などの原材料の供給国としてだけでなく、アジア太平洋地域の平和と発展を推し進めるため、ともに協力しあわなければならない重要な国なのだ。であれば、さらに日本とオーストラリアの友好を深めることは極めて意義のあることだ。なので至高のメニュー作りの最後を日本とオーストラリアの友好を深める料理で飾ることにした」

イモムシのスープを出す海原。「これはウィチェッティ・グラブというコウモリ蛾の幼虫で、オーストラリアの先住民アボリジニーの伝統的な食品だ。このポタージュはウィチェッティ・クラブをすりつぶして作った。このスープを作ったシェフのブリュトノーのレストランはアボリジニーが何万年も前から食べてきたオーストラリア独特の食材を使っている。私は彼の小型のカンガルーであるワラビーのステーキも食べた。野生の食材を使うと料理自体は粗野なものになりやすい。ところが彼の料理は実に洗練された上質なものだった」

「ブリュトノーはフランス系のオーストラリア人だ。フランスには存在しない食材を使ってもできあがった料理はフランス料理の範疇に入るものだ。しかし正確にはオーストラリア料理だ、ここに私は日本とオーストラリアの友好を料理で築き上げる道を見出したのだ。ブリュトノーの料理は新しい文化の創出だ。移民国家であるオーストラリアにとっては価値のある貢献だろう。同じことは日本人にもできないか?日本の文化とオーストラリアの文化を結び付けて新しい文化を造れば、オーストラリアに貢献することにならないか。そのような貢献が友好を築き上げる一つの道ではないか」