天使の顔 | ロロモ文庫

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ガス中毒で妻のキャサリンが倒れていると一報するトレメイン。ピアノを弾くダイアンにキャサリンは救命措置は不要だったと言う救急隊員のフランク。「安心しろ。鎮静剤で眠っている」涙するダイアンに泣くのはやめろと言うフランク。「放っておいて」ダイアンを叩くフランク。フランクを叩き返すダイアン。「パニックを抑える処置だが、まさか叩き返されるとはな」「ごめんなさい」「母親かい?」「継母なの」「次は手加減してくれ」「そうずるわ」

フランクとレストランに行くダイアン。「あんなことがあって家にいたくなかった」「何があった」「わからない。私に医者を呼ばせて部屋には入れてくれなかった」「そうか」「君の車は凄いな。マフラーが2本。ル・マンのモデルかな」「当たり。プロのレーサーだったの?」「そうだった。でも戦争があって。救急車の仕事はただの資金稼ぎに過ぎない。レーシングカー専門の店を開くつもりだ」「すてきね」

あと6000ドルもあれば店が開けるとダイアンに言うフランク。「メアリーも協力を」「メアリー?恋人?」「質問ばかりだな」「私に質問して」「父親の仕事は?」「有名な小説家よ。母の死後、何も出版してないけどね。キャサリンは嫉妬している。父が私にしか仕事の話をしないから」「そうか」「メアリーと結婚するの?」「さあな」「彼女の苗字と仕事は?」「姓はウィルソン。聖ピーター病院の受付係。金髪で瞳は青い」

メアリーにあなたのことをフランクから聞いたと言うダイアン。「彼の開店資金に1000ドル提供したいの」「なぜ」「昨晩、フランクと別れてから考えたわ。夢の実現に協力できたら友達になれるかと」「ありがたいけど遠慮するわ。きっとフランクも」「彼に言ってはダメ。私たちだけの秘密よ」「病院の仕事は安月給よ」「コンテストの賞金とか言いようがあるでしょう」「彼は信じないわ」「そうかもね」「あなたは私がどんな女か探りに来たのね」「……」「目的が達成できたわね」

メアリーに1000ドルの提供を申し出たとフランクに言うダイアン。「彼女の返事は?」「怒ってた。あなたが私と会って嫉妬したのよ」「俺は独身だ」「女心は複雑なものよ」「……」「ねえ、うちの運転手にならない?病院と同じくらいの給料は出す。車庫の上に小さいけれど部屋もある。父は外出しないし、私も母も手間をかけないわ」「……」「きっとレースに出る機会も増えるわ」

ダイアンから話を聞いたとフランクに言うキャサリン。「あなたはあの日の救急隊員で、翌日に偶然再会したとか。修理店の話はその時に?」「そうです」「投資の話はどちらが持ち掛けたの?」「資金は自分で貯めてたし、こちらで働こうとは特に」「ダイアンからね」「彼女はスポーツカーに興味が」「そうよね。わかったわ。ここで働いて。仕事が終わったら自由にしていいわ」

キャサリンはあなたの店の資金提供を拒むつもりとフランクに言うダイアン。「私へのあてつけよ。よく嫌がらせさをされたわ」「納得いかない」「気前のいいフリしてこんな。フランク、ごめんなさい」「そう深刻になるな。こういうこともあるさ。夜を楽しもう」「今夜はダメよ。数日間は今まで以上に注意が必要よ」「なぜ注意する必要が」「もし仕事を解雇されたら」「別の仕事を探せばいいさ」「彼女は私を閉じ込めるかも」「そんなことはしないさ」「私を痛めつけるために父に危害を加えるかも」「……」「お願い、わかって」

キャサリンは私の部屋のガスを洩らそうとしたとフランクに言うダイアン。「私はあわててガス栓を締めたの」「お父さんに話したか」「とんでもない」「警察に通報したほうがいい」「ダメよ。彼女に否定されても証拠がない。前回も警察は無能だった」「君の命が狙いなら、なぜ彼女はわざわざ自室のガスを」「誰かに罪を着せるためよ」「一つ言っておく。俺はとばっちりは御免だ。火遊びならいいが、度が過ぎるのはただのバカだ」

なぜ救急隊員を辞めたのと聞くメアリーに割りのいい仕事に移っただけだと答えるフランク。「何か問題が」「レースは彼女の車で出場を?」「それはわからん」「仕事は戻る気はあるの」「いや。あそこには長くいすぎた」「そう」「今夜デートしないか」「いいわよ」「愛してるよ、メアリー」

ここを辞めるとダイアンに言うフランク。「ここは落ち着かない。君は上等な暮らしに加え、将来は遺産も入る。俺にはこの両手しかない」「あなたが必要なの。絶対も行かせないわ」「巻き込まれるのは御免だ」「どういうこと」「俺はバカじゃない。君は本当に彼女を殺しかねない。殺意が心に潜んでいる」「あなたも騙されている。彼女は父にひどいことを。父が小説を書いてることは話したわね」

去年、父の書斎にプレゼントを隠そうと忍び込んだというダイアン。「父が原稿を保管している抽斗の中を見てみたら、白紙の原稿用紙が大量に入っていた」「……」「再婚後、一行も書いてない。母は資産家。父に小説など書かなくていいと」「……」「彼女は父の自尊心を壊した。あの女は私の大切なものを台無しに」「俺は去る」「一つだけ教えて、私を少しは愛してる?」「そうだな。でも君は真剣な交際に向かない」「私も連れてって」「何もかも失っていいのか」「あなたを失いたくないの」「君を誤解していた」「行かないで」「わかった」

フランクはどこに行ったとダイアンに聞くキャサリン。私の命令で車の部品を買いにいったと答えるダイアン。大事な用があるから私が車を運転すると言うキャサリン。ピアノを弾くダイアン。私を町まで乗せてくれとキャサリンに頼むトレメイン。いいわよと答えるキャサリン。エンジンを入れるキャサリン。バックして崖下に落ちるキャサリンの車。平然とピアノを弾くダイアン。

トレメインが死んでショックを受けて入院するダイアンに、君とフランクは有罪になるまでは無罪だという弁護士のバレット。「よく聞くんだ。検事が握っている証拠は君とフランクの共犯を示している。動機、状況、方法、全てだ。一人で罪を背負ってなすり合っても、陪審員に共犯だと思わせるだけだ。だが、君が諦めなければ勝ち目がある」

私はダイアンが守られらばいいとフランクに言うバレット。「私とトレメインは長い付き合いだ。君の運命はどうでもいいが、君と一緒の方が勝てる可能性が高い。証拠の多くは君に不利だ。自動車事故だからだ。このケースでは人の感情が大切だ。皆、ダイアンに同情的だ。美しく父親思いの娘。優しくて寛容な継母と仲が良かった。私は常に勝つ。君たちは結婚しろ。陪審員は恋愛話が好きだ。検事は二人が陰で通じ合ってたと責めるだろう、それを逆手に取る。「2人の愛に偽りはありません。事故と警察が引き裂こうとも、鉄格子でさえ2人の愛は阻めない」と主張する。検事は11月に選挙がある。愛を否定できまい」

無罪となって乾杯しようというダイアンにそんな気分じゃないというフランク。「私のことを許さないでしょうね」「……」「10歳の時に母を失った。それ以来父と二人きりだった。なのに、あの女が現れた。最初から嫌いだった。キャサリンが死んで、父との楽しい時間を想像したわ」「済んだことだ。話したって仕方ない」「一人にしないで。あなたが必要なの」「離婚届の用意をしてくれ」「メアリーは戻らない。殺人者かもしれない男を夫にするわけがない」「賭けるか」「私が負けたら車をあげるわ。勝ったら返して」

賭けに負けたと車のキーをダイアンに返すフランク。「僕はメキシコに移住する」「私も一緒に」「ダメだ」「イヤよ。行かせたくないわ」「諦めが悪いな」「せめて空港まで送るわ」「もう終わったんだ。何も話すことはない」「本当にこれで最後よ」自分の車にフランクを乗せ、ダイアンは車をバックさせて、崖下に落とすのであった。