作:雁屋哲、画:花咲アキラ「美味しんぼ(474)」 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

いろいろなベスト10や漫画のあらすじやテレビドラマのあらすじや映画のあらすじや川柳やスポーツの結果などを紹介したいと思います。どうぞヨロピク。

初恋の肉野菜炒め

女優の水村樹里を取材する山岡。「へえ、大スターだから御馳走を食べていると思ったぜ」「とんでもない。あたし、贅沢なレストランの食事より、町の小さな中華料理屋さんなんかのほうが好き。昔、あたし下町のアパートに住んでいて、その近所に小さいけれど、とても美味しい中華料理屋さんがあったの。そこの肉野菜炒めがとても美味しくて、あたしも同じ味を作ろうと努力したけど、どうしても駄目なの」「じゃあその店に行こう」

芳宝軒に行く山岡と樹里。「健司さん」「樹里じゃないか」「健司さん、肉野菜炒めを教えて」「いいぜ。一番簡単な白菜と豚肉の炒め物を作ってやる。まず豚肉の赤身のところの薄切りを1センチ幅に切る。それに醤油、油、ショウガの搾り汁で味をつけ、片栗粉をまぶして混ぜ合わせる。白菜は2センチ幅に切る。中華鍋にたっぷり油を入れて120度になったら、豚肉を入れる。1分ほど火を通して、豚肉を炸連に取る。これを油通しという」「なあ、炒める前に肉を油通しするなんて」

「いよいよ本番の炒めに入る。肉と野菜を炒めるのに必要な量の油を新たに入れて、油通しした豚肉を入れる。九分通り火が通ったら白菜を入れる。白菜がしんなりしたら、あらかじめ準備した醤油と酒などの調味料を回しががけし、白菜に火が通りすぎないようにして出来上がり」「これが本当の肉野菜炒めだったのね。お料理の本に出ているのと全然違うわ」

油通しがポイントだという山岡。「低温の油で油通しすると肉は柔らかくなり、表面を固めるから炒める時に味が外に逃げ出さない。そしてこの肉は前もって下味をつけてある。炒めてから調味料をかけたのでは味が浅い。手早く仕上げるのが命の炒め物の場合、調味料を合わせるのにもたもたしたら材料に火が通りすぎて失敗するから、あらかじめ調味料を合わせたほうがいい」健司の肉野菜炒めを満喫した樹里は、健司にプロポーズするのであった。