作:雁屋哲 画:花咲アキラ「美味しんぼ(294)」 | ロロモ文庫

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塩梅(前)

約束を果たしてもらうと山岡に言う近城。「僕の昔からの友人が独立して、自分の寿司屋を持つことになった。明日、栗田さんと三人でその店に出かけるが、出かける寸前で山岡さんは急用が出来てキャンセルする。僕の友人は僕のために最高の寿司を握るだろう。栗田さんは喜ぶ。僕の株は上がるわけだ」「ぬう」

寿司屋で主人の三橋とは10年以上の付き合いだと栗田に言う近城。「つい、最近、海原先生に会う機会があったから、一度この店に来ていただくようお願いしたんだ」「まあ、海原雄山に」

そこに表れる海原。「主、近城が私にこの店に一度食べに来いと言うからやってきた。だいぶ、腕が立つと言うことだが」「い、いえ」「では、はじめにコハダを握ってもらおうか」コハダを食べて失格だと言う海原。「近城、お前にも困ったものだな。写真の腕は超一流だか、舌の方は使い捨てカメラ程度だ」「先生、どうして失格なんですか」「基本が出来ていないからだ。味の基本ができてないのだ」「……」「中川、帰るぞ」

電話して山岡を呼ぶ栗田。「三橋さんの寿司の味を見てもらいたいの。どうして海原雄山が失格と言ったか」「ふうん。海原雄山もたまには正しいことを言うよ」「え」「三橋さん。塩梅がいいとか悪いとか言う言葉があるでしょう。塩梅とは塩加減のこと。味の基本だ。三橋さんは味の基本の塩のことで間違っている」「そんなバカな。私の酢飯の味は塩辛くもなく、薄味すぎることもなく、ちょうどいう具合だと言う自信がある」「まあ、高知県に行きましょう。そこで塩の真実を教えてあげます」