ウルトラマン 第7話 | ロロモ文庫

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バラージの青い石

中近東に隕石が落下し、それから不思議な事件が次々と起こっていると話す科学特捜隊パリ本部の連絡員のジム。「パリ本部は調査員を出しましたが、いずれも行方不明になっています。それで日本支部の出動を要請します」「ようし。アラビアでも砂漠でもどこでも行ってやるぞ」「イデ。これは生やさしい事件じゃないぞ。ジム、隕石の落下地点は?」「ここだ。人跡未踏。謎の街、バラージがあると言われているところだ」「よし。出動だ」

ビートルに乗って隕石落下地点に向かうムラマツたち。「あ、キャップ。あれは」「ハヤタ。光の壁から離れろ」「操縦不能」「光の壁に突っ込んでみろ」「キャップ。気でも狂ったんですか」「見ろ。光の壁は下から出ている。脱出するには上昇するよりほかにはない。ハヤタ、急げ」「はい」

なんとか光の壁の上を通過するビートル。「逃げようとしたから操縦桿が効かなかったんですね」「あれは強力な磁力光線だ。吸い寄せられる力を利用して、上昇するより助かる道はなかった」「む。しまった。磁力線にエンジンをやられたようです」砂漠に不時着するビートル。「磁力の影響で無線機が故障しています」「無線機が故障じゃ、俺達も行方不明の仲間入りだな」「バラージの街は近いはずだ。歩いて行こう」「とにかくこの近くを調べてみよう。何かわかるかもしれません」

隕石を発見するムラマツたち。「おかしい。この隕石に磁気光線を出す機能はないはずだ」「するとあの光の壁は」「わからん」そこに現れる怪獣。スパイダーで怪獣を攻撃するムラマツ。磁気光線を口から吐く怪獣。「こいつだ。光の壁はこいつのせいだったんだ」磁気に吸い寄せられるスパイダー。砂漠の中に消える怪獣。

ムラマツたちの前に現れる街。「あれは」「バラージだ。謎の街バラージだ」「よし。入ってみよう」あの山を見たまえと言うジム。「あれはアララト山だ」「ノアの箱舟が流れ着いたという山だ」ムラマツたちを遠巻きに見るバラージの民。「ジム。何か聞いてくれ」ダメだと言うジム。「アラビア語もヘブライ語も通じない」

そこに現れるティアラをつけた女。呟くイデ。「美女と怪獣か。これは一体どうなってるの」あなたはと聞くハヤタに私の名はチャータムと答える女。日本語だと呟くアラシ。「あなたは日本に来たことがあるんですか」「私はこの街から出たことはありません。日本人に会ったこともありません」「じゃあどうして日本語を」「私にはあなたがたの頭の中を読み取る力があるのです。この能力は私の一族だけに伝わってるものです。遠い昔、人々はみなこの力を持っておりました。その頃の街はシルクロードの交易地として、栄えに栄えておりました」「……」

「ところがある日から、急にこの街に人が来なくなりました。この街も出て行った人も二度とは帰ってきません。アントラーの仕業なのです。人は段々少なくなり、いつの間にか老人ばかりが住む街になったのです」「アントラー」「恐ろしい怪物です」「それじゃあ、あの怪物はそんな昔から」「ええ」「しかし、あの怪物はなぜこの街を襲わないのです」「ノアの神の守りです」「ノアの神?」「あなたたちにお見せしたいものがあります」

神殿に祀られている石像をムラマツたちに見せるチャータム。「ウルトラマンだ。どうしてここに」「ノアの神です。この青い石がこの街をアントラーから守っているのです」「あの石が。なぜだろう」「一種の魔除けかもしれん」「ノアは宇宙人だったのか」「5000年の昔、ウルトラマンの先祖は地球上に現れ、その時もやはり人類の平和のために戦っていたのか」「我々人類にとってウルトラマンは平和の神なのかもしれん」

バラージを襲うアントラー。呟くチャータム。「とうとうバラージの街が滅亡する。運命の時が来ました」ウルトラマンに変身するハヤタ。「ノアの神」と呟くチャータム。アントラーの磁力光線に苦戦するウルトラマン。ムラマツに青い石を渡すチャータム。「この石を早くアントラーへ。ノアの神のお告げです」アントラーに青い石を投げるムラマツ。青い石を頭に受けて斃れるアントラー。

チャータムに感謝するムラマツ。「青い石のおかげでアントラーを退治できた」「いいえ。ノアの神のお力です。青い石をアントラーに投げろとノアの神が仰ったのです」「アントラーもいなくなった。これでこの街にも人が戻り、平和が蘇るだろう」「いいえ。バラージへの道は遠い昔、砂に埋まりました。旅人もこの町を思い出すことはないでしょう」「チャータム」「たとえ旅人が通りかかったとして、もうこの街を蜃気楼と思うことでしょう。でも、私たちはこの街を離れません。みんなの心の中にバラージは生きているのです」