女番長ブルース 牝蜂の挑戦 | ロロモ文庫

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京都パール団の女番長の真紀はナオミや知子ら団員やチンピラの一郎とともに助平親父たちをカモにして小遣い稼ぎをしていたが、暴力団黒地組に目の仇にされる毎日を送っていた。そんなパール団に大阪を根城にする黒百合会が喧嘩を売ってきて、真紀は黒百合会のリーダーであるユリとタイマン勝負をするが、レーサー志望の修理工の栄三が二人の勝負を止める。

今度の正月は田舎に帰るのかと栄三に聞くユリ。「もう一度見たいわ。雪の只見川」「お前ところのおふくろはまだお前が紡績工場に勤めていると思っているんだろう」「仕送りはちゃんとしてるんだ。栄ちゃん、久しぶりに田舎に帰ろうよ」「俺は一流レーサーになるまでは帰らないと決めたんだ」「集団就職の仲間、どうしてるかしら」

真紀は一郎と組んで、絶倫和尚の玄海から新築マンションを巻き上げて大金をゲットするが、玄海が黒地組に泣きついたため、真紀は黒地組組長の黒地のところに連れて行かれる。「真紀。俺たちに盾つかないで、俺たちの下で働かないか」「お断りだね。私は縛られるのが嫌いでね」「そういうお前だってパール団を縛っているじゃないか」「パール団には規則なんてないよ」

黒地組に現れる一郎。「わいはもう雌犬たちとつるむのはやめて、これからは男の世界に生きようと思いますんや」京都の助平紳士録が手土産ですという一郎。「ワイは立派なコールガール組織を作って、この組に貢献したい思いまんねん」

スケバンなんかやめて真面目になれとユリに言う栄三。「俺は知ってる。お前がグレたのは集団就職先の工場長に犯されて」「やめて。あんたにだけはそれは」「バカ。今時純潔なんかにくよくよこだわっているのはおかしいぜ」「工場長に騙され何人もの男と寝た。平気だったわ。でも京都であんたとばったり出会ってから平気でなくなったの」「バカ。泣くなよ。ユリッペ」

パール団と黒百合会は抗争を繰り返す。その戦いを見て、ひとり百万でいけるなと部下の影山に言う黒地。「じゃあ、いよいよ例の雌犬狩りを」「両方の喧嘩を利用して弱い方から刈り取るんだ」真紀とユリは地面に寝っころがって、その上を栄三の運転するトラックを走らせて先に失神したほうが負けというタイマン勝負をして、失神してしまったユリの負けとなる。

負けた悔しさで飲んだくれるユリに接近した影山は、ユリの体をモノにする。「ユリ。パール団をぶちのめしてやろうか」「なんで黒地組がパール団を」「そのうちお前にもわかる」黒百合会は京都を仕切ることになったと真紀に言う影山。「真紀。黒百合会に盾つくということは俺たちに盾つくことになるんだぜ」ユリがあんなになったのは俺のせいかもしれないと真紀に言う栄三。

「俺がレーサーになることばかり夢中になっていたから」「そんなにレーサーになりたいの」「勿論だ。俺にはそれしか夢がないんだ。福島の田舎でおふくろは俺が立派になるのを待っているんだ」優しいお母さんがいていいわね、と古い写真を見る真紀。「それは誰だい」「私が三つの時、大学生と駆け落ちした薄情な女よ。お母さんだなんて言えないわ」「待て。俺はこの人を知っている。大阪のバーのママだ」

真紀は十何年かぶりに母の貴子と会うが、貴子に娘なんか知らないと言われてしまう。俺たちは利用される方から利用する方に回らないといけないと力説する黒地。「25年前の戦争で国に利用されるだけ利用されて、戦死者として戸籍まで抹殺された俺が到達した結論はこれだ。黒地組は強力な地下売春ルートを作る。セックスは最大の資金源だ。パール団に黒百合会。やさぐれの雌犬どもを更生させればいつか文部大臣が更生させてくれるだろうよ。はっはっは」

黒地組は黒百合会のメンバーにコールガールになれと命令する。黒地に抱かれろとユリに命令する影山。あらがうユリを犯す黒地。貴子になぜ娘を捨てて駆け落ちしたのかと聞く真紀。「私は愛情もないのに結婚生活をずるずる続けるのはどうしてもイヤだったの」「お父さんは二年前に死んだわ」

「子供は誰にでも産めるわ。しかし育てなかった子を娘だなんて私には言えないわ」「……」「私、好きだったの。その駆け落ちした学生が」そして林の中で栄三に抱かれる真紀。「初めてだったのか」「いいのよ。後悔しないわ。さっぱりしたわ。あんたが好きだから」

黒地組は資金を得るために拳銃の密売に触手を伸ばす。ナオミや知子らパール団のメンバーも黒地組に捕まり、コールガールを強要される。怒った真紀は拳銃を奪うが影山たちに捕まる。黒地に拷問を受けて犯される真紀。

栄三は真紀を救おうとするが、黒地に片目を潰されて放り出される。「いいか。これが俺のやり方だ。見えない目でグランプリでも目指すんだな」囚われの身になっている真紀を逃がすユリ。「でもなぜあんたが」「暴力団に牙を抜かれた私がたったひとつできることよ」

ユリはパール団や黒百合会のメンバーを逃がすが凶弾を浴びて倒れる。ユリを抱き起す栄三。「ユリ」「栄ちゃん。私が悪かったわ。もう一度、見たかったわ。雪の只見川」事切れるユリ。短気を起こさないでと栄三に頼む真紀。「これからは私があなたの目になるわ。二人で力をあわせて生きていきましょう」「真紀」しかし栄三は黒地組に殴り込みをかけ、返り討ちにあって血まみれなって死ぬ。一郎は真紀に泣いたらアカンでと言う。「栄三は黒地組に殴りこんで殺されたんや。これが栄三のドスや」

パール団のメンバーに今日限りでお別れするよと告げる真紀。「せっかくみんなの顔がそろったのに」「入るも自由。出るも自由。それがパール団じゃないか。私はしばらく一人でいたいの。みんな、仲良くやるんだよ」そして白昼堂々、真紀は栄三のドスを黒地に思い切り叩きこんで、栄三とユリの恨みを晴らすのであった。