女番長ブルース 牝蜂の逆襲 | ロロモ文庫

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玲子を団長に真弓、サセ子、宏美というメンバーで構成されるスケバングループ「アテネ団」は万引き、美人局、自動車荒しなどで小遣い稼ぎの日々を送っていた。玲子らは車を盗もうとするところを英二をリーダーとする学生暴走族に見つかってしまう。「何やってるんだ。女だてらに。黙っててやるからバイクに乗れよ」「仕方ない。乗ろう」

英二らは玲子たちを人気のないところに連れ込むが、そこに次郎ら北神会のメンバーが現れる。頭にくるよと次郎に言う玲子。「人の弱みにつけこんで、あたいたちをオモチャにしようとしやがる」「てめえらか。単車スケコマシセイガク愚連隊は」「てめえらにてめえと呼ばれる筋合いはねえ」「上等だぜ。俺を北神会の次郎と知ってるのか。てめえら学生の分際で」

学生暴走族をボコボコにする北神会。次郎にもういいと言う玲子。「ここまでしてくれれば十分だ。次郎。私と寝て。お礼をするにも今はゲルピン。借りを作りたくないんだよ」次郎に抱かれる玲子。「玲子。俺の専属にならないか」「ごめんだね。あんたに惚れて寝たわけじゃないよ」

「今まで寝た女は数知れねえが、玲子ほどいいのにぶつからなかった。俺はそのうち秋本組の幹部になる。今のうちにくっついた方がいいぜ。女に何ができるんだ」「私はね、誰にも頭を下げるのがイヤな女さ。組織に組み込まれるくらいなら、アテネ団は解散するよ」「まあいい。そのうち、俺のスケにしてやる」「ふん。二、三度寝たくらいで色男づらしないでよ。これで貸し借りなしだからね」

アテネ団に入りたいと玲子に言う侑子。「団長。舎弟にして」「お前、バージンだね。処女なんかすぐ捨てるんだ。自分で指で破るのさ」運動して破れるような膜やと言う真弓。「うちかて、自分で破ったんや」言われた通りに自分で処女膜を破る侑子。

それでいいんだと言う玲子。「私みたいに輪姦で破っちゃったのもいるんだから」「輪姦?」「マワシさ。13の時、おふくろのセックスを見たんだ。動物みたいでショックだったよ。それでシンナーを覚えて公園で友達とラリっている時、大学生にマワされたんだ」「団長もつらいことがあったんだね」「バカ。おセンチは似合わないよ」

アテネ団にはアテネ憲法と言う規則があると侑子に言う玲子。「真弓。教えてやんな」「一、番長の命令には絶対服従する。二、団員が特定の男を持つことを厳禁する。三、団の秘密は堅く守ること。四、団の脱退は全員一致の意見を必要とする。五、団員は腕力の強化に努める」

行動する時はこのアテネ憲法に即して行動するんだと侑子に言う玲子。「一つでも違反したら、容赦なくリンチだよ」そこに少年院に行っていたアテネ団の前団長のジュンが現れる。「サセ子、宏美。元気だったかい」「ご苦労さんです。お帰りなさい」仁義を切って初対面の挨拶をする玲子とジュン。「アテネ団も憲法とかうるさくなったねえ。だいたいそんなもんがイヤでやさぐれたんじゃないか」「番長の資格はゼニとゴロマキ。団員には不自由なんかさせてないよ」

秋本組の幹部の紺野に挨拶する次郎。「近々上納金を納めに参ります」「大分兵隊が増えたじゃないか」「はい。ざっと30人はおります」「お前のことは組長に話しておく。ところでアテネ団ってのがのさばってるようだが」「はい。私のところにちょくちょく挨拶に来ますが」「まあ、秋本組にも挨拶するように言ってくれ」

今の一年は昔の十年だと土居に言う秋本。「金の切れん奴はどんどん潰れていく」「五年前、俺が関本組の組長を殺したのは、本当に組のためになったんですか」「なったとも。だから阪神連合会に入れたんだ。お前には代貸しとして組を取り仕切ってほしいが、資金繰りは紺野の方が向いている」土居に10万渡す紺野。「これでムショの垢を落としてください」梨恵に会ったかと土居に聞く秋本。「いえ」「本当は俺が面倒見なくちゃいけないが、子供を育てなくちゃいけなかったんだろう。すぐにパトロンを見つけてな」「子供?」

土居にきっと秋本組に入りますと言う次郎。「俺は土居さんのような男になりたいんです」「俺はそんな立派な男じゃねえ」「立派ですよ。関西じゃ知らない奴がいない人斬り政」「よせ。今じゃゼニをかきあつめる力のある奴が極道では幅を効かす。次郎、腕やキップじゃどうしようもねえんだ」

スナックのママをする梨恵は土居に子供はあなたの子供じゃないと言う。梨恵にまだ土居のことが忘れられないのかと聞くパトロンの吉岡。「よしてください。あんな人のことなんか」「しかし、子供の父親は土居だぞ」あなたに詫びたいと言う梨恵にいいんだと言う土居。「一口に五年と言うが、女にとっては長い」

速度違反で捕まった英二にいい加減にしろと言う吉岡。「わしがいくら市会議員だと言っても揉み消すのに限界がある」「父さん。百万円くれないかな。モトクロスのチームを作りたいんだ」「お前、いったい何が不足で遊んでばかりいるんだ。大学にも行かないし、家にもいつかない。お父さんはお前に何一つ不自由させてないつもりだぞ」「それだから面白くないんだよ」「なに」「勉強したってしなくたって、お父さんの作った吉岡製薬の跡を継いで、何億って遺産を継げる。こんな退屈なことはないよ」

宏美は同級生だった人気歌手の篠原由紀に声を掛けるが、あんたみたいなスベ公は知らないと言われる。頭にくると言うジュンに面白いことを教えてやろうと言う次郎。「篠原由紀のスキャンダルだ。ただし高いぞ。極秘情報だからな」次郎にうちと寝てと言う侑子。「そのかわり、篠原由紀のスキャンダルを教えて。アテネ団のために」「よし。いい男を教えてやろう。トップ屋一六。スキャンダル漁りの専門家だ」一六やジュンたちは代議士の志水と由紀の濡れ場の模様を写真に収める。次郎とジュンは350万円で写真を買えと志水を恐喝する。「ロクな政治もしないくせに、夜の性事だけは達者じゃねえか」

由紀にしばらくだなと言う次郎。「お前と代議士さんのチンチンカモカモ、しっかり写真に撮らせてもらったぜ」「……」「由紀、覚えているか。集団就職でお前の家で働いていた巽次郎だ。工場の金がなくなった時、貯金を下ろしてやっとギターを買った俺が疑われ、盗人扱いで叩き出された。お前に惚れて手紙出した俺に、お前は何って言った。泥棒がラブレターをよこすなんて。俺は一生あの言葉を忘れねえ。代議士先生よ、買ってくれなくて結構だ。この写真は日本全国にばらまく」

そこに志水に呼ばれた紺野らが駆けつける。「次郎。志水先生にはうちの親分は大変お世話になっているんだ。二度とこんなことをしたら命はねえぞ」次郎を踏んづける由紀。「何さ、愚連隊の癖に。ケダモノ。ダニ」志水のマンションのエレベーターで由紀を襲う次郎たち。「柿崎。この成り上がり女にお前のソーセージを食わしてやれ」「OK」輪姦される由紀。

赤新聞に由紀のスキャンダル記事が掲載され、これぞジャーナリズムの勝利やと喜ぶ一六。「でもどうして代議士の名前は出ないんだ。某代議士じゃおかしいじゃないか」「次郎君。君の言うことは正解だ。でも悲しいかな、これが日本のジャーナリズムの限界だ」「エレベーター強姦も出てないわ」「あほか。そんなもんだしたら、アテネ会も北神会も御用提灯やで」

ジュンになぜ勝手な真似をしたと聞く玲子。「由紀のバックから30万かっぱらった。玲子、これだけじゃ不足なのかい。ゼニとゴロマキが大事と言ったのはどなただかったかね」「アテネ憲法が守れなくなるんだよ」「笑わせるんじゃねえ。ズべ公にそんなもんいるもんか」「ジュン。はした金で大きな口叩くんじゃないよ。アテネ団が秋本組に借りを作ったり、サツに捕まったらどうするんだ」「……」「番長は私なんだからね」

宏美にペンダントをやると言うジュン。「でも、これは沖縄の頃からジュンが大事に」「いいんだよ。もう沖縄のことは忘れたいんだ」「でも沖縄ももうすぐ日本に帰るんだね」「私は帰らない」「どうして。お母さんがいるんでしょう」「一人の方が好きなんだ。でもね、あの青い海だけは眼に焼け付いて離れないんだ。宏美、何か歌ってよ。「波止場」っていい歌じゃないか」「でも私はもう歌わない。歌手はあきらめたんだ。由紀みたいに可愛くないからね。ズべ公が性に合ってる」

海水浴場シーズンになり、ビーチに大勢の老若男女が押し寄せ、アテネ団はカモを見つけて小遣い稼ぎをする。サセ子は北神会のヌケ作を誘惑して、タイヤ泥棒の片棒を担がせるが、ヌケ作は逮捕されてしまう。あいつが捕まったからお前たちは助かったと玲子に言う次郎。「玲子。これは貸しにしておくぜ」

次郎に玲子が好きなんやと言う侑子。「だから会員が捕まっても落とし前をつけないんや」「バカ野郎。惚れてなんかいるもんか」「惚れてないなら証拠を見せて」「侑子」「うちは処女を自分で破ったけど、あんたに抱かれて、ほんまの女になったんや。あんたが好きなんや。だけどアテネ団の憲法があって」「何が憲法だ。そんなもの俺が叩き破ってやる」侑子を抱く次郎。

侑子を制裁する玲子。「侑子。アテネ団の憲法を言ってごらん。お前が理由もなく次郎と寝たことは特定の男の支配を受けたことになるんだよ」「団長は悔しいんや」「なんだって」「自分ができへんことをうちがしたから妬いてるのや」「……」「なんでうちを一人でリンチするんや。アテネ団みんなでしたらええやないか。団長はうちが憎いんや。次郎さんと寝たうちが憎いんや」

「そうかもしれないね。侑子、好きになるってことは人を信じること。でも私は信じられないんだ、大人の世界が」「うち、団長と同じなんよ。お母さんが離婚して、うちを連れて再婚したけど、義理の親父が夜になると這ってきて、うちを触るんや」「侑子。この世の中は自分だけが頼りなんだよ」「うち、団長のためならなんでもする。次郎のことは忘れる」「侑子」

高利貸の大浜からうちの組は3000万借りる必要があると次郎に言う紺野。「大浜は好き者でいい女をあてがえば交渉もうまく行くと思う。大浜の相手を玲子にさせろ」「玲子に」「お前が段取りを組めば、すぐに盃を貰えるようにしてやる」

大浜と寝てくれと玲子に頼む次郎。「俺がのしあがるためにはどうしても必要なんだ」「冗談じゃないよ。私はコールガールじゃないよ」「俺はアテネ団に貸しがあったはずだな。借りたものは返す。それが俺とお前の間の仁義だったな」「わかったよ。寝ればいいんだろう」

これからはカーセックスの時代じゃないとアテネ団のメンバーに言う英二。「オートバイファックの時代だ」「ファックって何よ」「やってみればわかる。脳天までしびれるぜ」バイクに全裸で寝そべる玲子たち。「よし、行こうぜ。男はバテるまでに走った距離で勝負。イッたらその場で停まるんだぞ」

バイクの振動とセックスの気持ちよさで次々と果てて停まる学生暴走族のメンバー。玲子に俺たちがトップだと言う英二。「玲子。みんなが待ってる。帰ろう」「帰らない」「どうして。お前は7時までに行くところがあるんだろう」「もういいんだ」「だって玲子は番長じゃないか」「今日だけはただの玲子でいたいんだ。英二、抱いて」英二に抱かれる玲子。

お前のせいで俺の面目は丸つぶれだと玲子に言う次郎。「落とし前をつけてもらうぞ」お前は古すぎると次郎に言う英二。「好きな者同士が寝て何が悪いんだ」英二に引っ込んでなと言う玲子。団長が憲法を破って男と寝て団と会との約束をすっぽかすなんてふざけすぎてると怒鳴るジュン。「リンチだ」リンチを受ける玲子。

これから私が新しい番長になると言うジュンに待ちなと言う玲子。「リンチを受けた私は団員。番長になる資格はあるわ。私にはアテネ団しか住むところはないんだ」「新しい番長は私と玲子のサシのゴロマキで決めようじゃないか」ゴロマキの結果、負けたジュンはアテネ団を去ると言う。「玲子。私はお前のガムシャラな根性に負けたんだ」「ジュン」「宏美。お別れに「波止場」を歌ってくれないか」宏美の「波止場」を聞きながら去っていくジュン。

次郎に組長は随分お前の面倒を見たと言う紺野。「代議士との一件も組長が仲に入ったから、無事に済んだんだ。その上、海水浴の仕切りまでお前に任せた。それなのに何だ。大浜との取引をパーにして、組の顔に泥を塗るようなことをしやがって」「申訳ありません」「やかましい。北神会は今日で解散。兵隊だけは組長が面倒みてくださる」「それはひでえ」

秋本に抗議する次郎はリンチを受ける。私は帰ると秋本に言う玲子。「猿芝居は子供の頃から見飽きてるんでね」「アテネ団の面倒も俺が見させてもらおう」「お断りだね。アテネ団は誰の世話も受けないよ」「そうイキがるなよ。アテネ団はもともと目に見えねえ俺の鎖につながれた飼い犬だ」「飼い犬じゃない。野良犬だ。あんたなんかから餌をもらった覚えはねえよ」「なんだと」

リンチを受ける玲子と次郎。もうこのへんでいいんじゃないかと言う土居。「こんなチンピラを目くじら立てて半殺しにしたら、組が笑われる」「兄貴。まだムショぼけが直ってないようだな」「紺野。お前、いつから俺にそんな口をきけるようになった」「……」「組長。俺はこんな薄汚ねえ組のためにムショに行ったんじゃねえ」「土居。俺に楯突く気か」「昔のあんたはこんなんじゃなかった。どうしてもと言うなら、俺も腹をくくらしてもらいますよ」「わかった。二人を帰らしてやれ」

俺はどうしたらいいと玲子に聞く次郎。「俺はゴミダメの中から這い出したいんだ」「弱虫。そんなに飼い犬になりたいのかい」「……」「いいじゃないか。野良犬で。さあ、私のヤサに行こう。野良犬であることを選んだメス犬がいっぱいいるよ」子供はあなたの子ですと土居に告げる梨恵。「俺も心の底でそうあってほしいと願ってた」「堪忍して。あなたを裏切ることになって」

これは上質の覚せい剤だと秋本に言う田原。「こんな代物、どこで手に入れた」「塩酸フェニールという薬を精製して作る新種ね。外国船の船員から手に入れた。末端価格で1キロ2億円」「2億円?そのルートを譲ってくれ。俺はどうしても3000万いるんだ」「譲るも何もまだルートができてません。原料になる塩酸フェニールがまだ手に入らないのですよ」「それはどこ行けばあるのかね」「大きな製薬会社でしょうね」秋本に学生暴走族のリーダーの英二の父の吉岡は製薬会社の社長だと告げる紺野。

英二を拉致した秋本は吉岡に塩酸フェニール500グラム調達しろと脅す。「しかしあれは」「覚せい剤にするから頼むんだ。息子の命と交換なら安いもんだぜ」助けてくれと吉岡に泣きつく英二。明日の午後1時までに塩酸フェニールを渡すと秋本に約束する吉岡。「よし。それまで息子を預かっておく」

秋本に盃を返すと言う土居。「それは本気か」「はい」「はは。人斬り政がホームドラマの世界に引っ込んだら、組の連中はがっかりするぜ」「その名前が俺には重くなったんです」「ただその前に一つだけお前に頼みたいことがある。礼金は500万」「わかりました」

浪花節が効いて土居は引き受けたと紺野に言う秋本。「奴は組をやめるそうだ」「そんな奴に仕事を任せても」「いいんだよ。死人に口なしだ。組の秘密を知る者には消えてもらう」秋本組は英二を人質にし吉岡製薬を恐喝していると玲子たちに教える一六。「このネタ50万で買わんか」「うちら全員の体を担保にするから教えて」秋本と吉岡の取引場所と時間を教える一六。こうなったら秋本組の喉元にかみついてやると言う玲子。「殺される前に噛みちつかないと野良犬は生きてゆけない」

塩酸フェニールと交換に英二を受け取る吉岡。塩酸フェニールと3000万を交換する田原と土居。バイクに乗る玲子と次郎を見て、車を止めてくれと吉岡に言う英二。「お前たち、どこに行くんだ」「秋本組にぶちかまして、金を奪うんだ」「よし、俺も行くぜ」金を持ってきた土居に銃を突きつける秋本。「土居よ。ホームドラマはお前の柄じゃねえと言ったはずだぜ」「うるせえ。お前たちの薄汚れた任侠より、俺はホームドラマで結構だ」秋本の拳銃を蹴飛ばす土居。

そこに玲子らが乱入し、田原と吉岡は射殺され、紺野は斬り殺され、土居と次郎は深傷を負って倒れる。3000万を持って車で逃走する玲子と英二を追う秋本。義兄弟の誓いを交わしながらあの世に行く土居と次郎。秋本に追われて興奮する英二。「おもしれえ。俺が探したのはこのスリルだ」崖下に転落する秋本の車。「はははは。ざまあみろ」車から飛び降りる玲子。金をまき散らしながら車とともに崖下に転落する英二。炎上する車を見つめる玲子。アテネ団を率いて、玲子は街を我が物顔に闊歩するのであった。