変身忍者嵐 第32話 | ロロモ文庫

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妖怪三十一面相!!

変な声が聞こえると言う渡し舟に乗った客。「船頭さんよ。早いとこ、向こう岸にやってくれ」「はははは」「船頭さん。何を笑ってなさる」「おかしいから笑ってる。何が悪いかな」「グズグズ言わず、早く向こう岸につけてくれ」「あいにくだが、この渡し舟は向こう岸につかん」「なんだって」「この舟の行くのは地獄の底。まあ、そうだな。さしずめこの川は三途の川になるかな」「違う。いつもの渡し舟の船頭じゃない」「ははは。わしの名はモズマ。霧のロンドン、イギリスからはるばる海を渡って、悪魔道人のために力を貸す妖怪モズマという」モズマに変身する船頭。客を襲うモズマ。ふふふと笑う悪魔道人。「やっとる、やっとる。さすがモズマよ。俺が見込んだ通り、ヤツなら必ずハヤテを殺し、忍者大秘巻地の巻を手に入れるであろう」

旅籠に泊まるハヤテとタツマキ。「ハヤテどの。拙者は見回りを」「うむ。頼んだぞ、タツマキ」襲い掛かるモズマに刀を投げつけるタツマキ。おのれと呟く倒れるモズマ。「見たか。伊賀のタツマキの腕を。けっ、顔の割りには大したことないわい。ハヤテ殿に知らせておくか」ハヤテに西洋怪人が襲って来ると知らせるタツマキ。「ご用心を」地の巻を狙う下忍を斬るハヤテ。「しまった。逃がしたか」

廊下でタツマキと出くわすハヤテ。「ハヤテ殿。どうなされましたか」「怪しい影を見なかったか」「ここへもやはり。それがしにも襲ってきました」「そうか。おぬしの声を真似て、地の巻を狙ってきた」「煙のように消えることができるのは西洋怪人でしょうな」「おそらくな」「ハヤテ殿。相手に傷を負わしたので」「うむ」「するとこの血の匂い」血の痕の途切れている部屋に入るハヤテとタツマキ。頭から血を流して痛いと呻く老婆。「しっかりしろ」「曲者でござりまする。あそこへ」天井裏に行き、血の痕の途切れている下の部屋を覗くタツマキ。「む。西洋怪人が寝ている。そんな」モズマの死体を確かめに行き、旅姿の男に代わっていることに気づくタツマキ。「しまった」

ハヤテに訴えるタツマキ。「殺したはずの妖怪が旅の人とすり替わっていたのでござる。悪魔道人の西洋怪人め。今度は実に恐るべきヤツで」「相手は化け物だ。そう驚くことないだろう。それよりタツマキ。その寝ている西洋妖怪に気づかれたか」「いや。伊賀のタツマキ、そのようなヘマは」「よし。俺達を狙う西洋妖怪を逆に見張ってろ。悪魔道人の大魔神像を探り出し、なんとしても天の巻を奪い返す」「心得ました」

老婆を見舞うハヤテ。「おばあさん。とんだ目に遭いましたね。二、三日寝てれば治りますよ」「二、三日?とんでもねえ。わしは明日の朝、早立ちせねばなりません」「何か理由でも」「かわいい孫が明日にも死ぬかもしんねえ。病気なんですだ。わしは江戸のお医者様からよう効く薬を。わしはどうなってもええ。孫のところに行きますだ」「そうですか、あなたがこうなったのは私にも責任がある。明日必ずお送りします」「ほんとでごぜえますか。御恩にきます」

駕籠に揺られながら呟く老婆。(古い仲間よ。よき友よ。その名はドラキュラ。狼男。フランケン。俺達は力を合わせ、人間どもを苦しめ楽しんだ。その友は海を渡り、異国の土に消えてしもうた。みんな死んだ。ハヤテのために。だからこそ俺がやるのだ。ハヤテよ。モズマがきっと殺す)寝ているモズマが女の死体と入れ替わっているのに気づき、しまったと呟くタツマキ。「罠か。ハヤテ殿が危ない」

下忍の吹き矢を浴びて倒れる駕籠かき。「ご老婆、出てはいけない」駕籠から出て、モズマに変身する老婆。変身忍者嵐に変身するハヤテ。六人になって嵐を攻撃するモズマ。「見たか。モズマの妖術を」一人のモズマを斬る嵐。死ぬ瞬間に旅姿の男になるモズマ。「うぬ。罪もない人を偽のモズマに仕立てたな」罪のない人を斬れぬと躊躇する嵐に叫ぶ月の輪。「モズマの実体はあくまで一つ。それを探すのだ」そうかと呟いた嵐は、地の巻を放り投げ、それを拾おうとしたモズマを叩き斬るのであった。