男組・少年刑務所 | ロロモ文庫

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武芸百般に通じる高柳秀次郎。動物使いの長浜昇一。大怪力の若瀬大介。泥棒の天才長浜五郎。軍師伊庭彦造。この五人が人呼んで、五家宝連。それを指揮するのが流全次郎。しかし流は宿敵・神竜との戦いに傷ついていた。しかし流は宣言する。「神竜は俺がやる。今立ち上がらなければ、この傷に負けてしまうことになる。伊庭。手錠をかけろ。神竜との闘いに勝つまで外さないと誓ったあの手錠を!」

神竜が支配を目論む青雲学園。言うことの聞かない生徒会長にリンチ宣言をする神竜。それをサポートする神竜四天王は、ボクシング部主将・木崎、空手部主将・田丸、柔道部主将・熊沢、そしてマワシ姿が凛々しく、額に犬と彫り込まれている相撲部主将・太田原であった。「豚ども。よく見ておけ。こいつらは俺に逆らって流についた。この神竜に逆らうやつは処刑する」暴力反対を唱える神竜の許婚・涼子は処刑してくれと神竜に申し出る。

快諾した神竜は、生徒会長や涼子を校舎の屋上からバンジージャンプ状態にする。関東地方の4つの高校を制覇した神竜は、この勢いで関東地方の高校の全制覇、つづいて日本の高校の全制覇、最終的には日本の暴力による支配を夢見ていた。

そこへ流が登場し、涼子や生徒会長を助ける。太田原は流に一対一の男の勝負を挑む。卑怯な神竜は屋上から丸太を落とし、流と太田原の二人を亡き者にしようとする。太田原を助ける流。「俺は犬じゃない」と絶叫し、流に心を許す太田原。怪我をした二人を駆けつけた五家宝連が少年刑務所へ連れて行く。

瀕死の重傷を負っている流の部下・矢崎は死ぬまでに一度関東番長連合総長・堀田秀盛に会いたい、と流に直訴し、流の幇助で少年刑務所を脱獄する。その様子を見ていた太田原は「俺は命をかけたいと思う男とめぐりあいたい」と泣き叫ぶ。「お前は犬じゃない。犬だったら、そんなに苦しんだりしない」という流に、太田原はこれぞ男の中の男、と感激する。

宙吊りにされたショックで涼子は車椅子状態に。そんな涼子に神竜は「大衆は豚だ。豚に心はいらん。必要なのはムチだ」と言い放つ。そして青雲学園グラウンドで、青雲学園対英光学園のアメフトの試合が行なわれる。青雲学園のクォーターバックを努めるのは手錠をした流。流は手錠をしたまま器用にパスを投げるが、相手の厳しいチェックにあいグロッキー寸前になる。

そこへ五家宝連がやってきて、この試合は流を徹底的に痛めつけ、他の生徒に恐怖心を与えよう、という神竜の罠だと流に説明するが、流は最後まで正々堂々やろうぜ、と明るく言って、終了間際にタッチダウンを奪い、神竜に野望をくだく。頭に来た神竜軍団はグラウンドに乱入するが、そこに関東番長連合総長・堀田秀盛率いる十人衆が現れ、なすすべもなく神竜たちはグラウンドを去り、神竜はそのショックで登校拒否症になってしまう。

堀田は矢崎の骨壷を持っていた。「矢崎さんはすばらしい置き土産を残してくれた」「堀田さん。俺は父親殺しで年少送りになった人間ですよ」「俺の目には狂いはない。罪状はでっちあげられるが、男はでっちあげられない」

青雲学園に赤い傘を持つ下男を従えて桜魔子が転校してくる。「あなたにはこれをどうぞ」と流に黒い薔薇を投げつける桜魔子。流の部下の久保田が年少を出所する。魔子はクラスメイトを自宅に呼んで、モロッコのハッシッシをご馳走し、血のダイヤモンドを利用して自分の手下にする。久保田は神竜に捕まり、妹の手術費用をやるから、堀田を暗殺しろ、と命令される。

魔子に操られた仮面をかぶった女生徒がナイフで他の女生徒を傷つける。流は魔子を疑うが、逆にビンタをくらう。「父親殺しのくせに、私を犯人扱いするとは身のほど知らずのこの下郎め。おまえは神竜退治に雇われた用心棒。平和になった学園にとって無用の存在」「そうだ。犯罪者は青雲学園にはいらない」「そうだ」「そうざ」分厚い唇をかみしめる流。家に帰った魔子は黒魔術にふける。鶏の血を裸の女にぶっかけて、その血をワイングラスに入れて飲み、「エコエコアザラク。エコエコザメラク」と呪文を唱え続ける。

仮面をかぶった魔子は、化学室で実験中の涼子を襲い、硫酸をぶっかける。流は涼子をプールに投げ込んで、硫酸を洗い流し、逃げる魔子を追う。そこに待っていたのは薩摩流の棒術使いの一群。全身血まみれになりながら何とか撃退する流。一方、堀田は鉄ゲタをはいて階段を駆け登り、気合を入れていた。そこへ短刀を持った久保田が現れるが、堀田は子ども扱いにし、久保田を捕まえる。

堀田は流に「男と男の絆、今まさに断ちきれんとす」という手紙を書き、流の真意を確かめる。犬とかかれた額に焼き鏝をいれた太田原に抱えられて堀田との会見に臨んだ流は、久保田の短刀を持って「俺の体のどこをつけば男を証明できる」と堀田に詰め寄る。太田原は「御免」と流を失神させ、堀田に自分の手の甲に短刀を突きつけさせる。「短刀は柄までさすのが定法」目の覚めた流に、堀田は「男を証明していただいた」と陳謝する。

登校拒否していた神竜が久しぶりに青雲学園に。華麗に出迎える桜魔子。早速、不平分子を倉庫に閉じ込める。それを助けようとする五家宝連であったが、彼らを神竜の手に落ちる。学園のピンチ、と涼子は車椅子を血に染まった手で漕ぎながら、流のいる少年刑務所へ急ぐ。

風吹きすざむ中、神竜と流は対決。「流。お前に選択権をやる。五家宝連を選べば、お前はこの学園にはいられなくなる。生徒を選べば、お前は五家宝連と一緒に俺の犬になるのだ」迷わず生徒を選ぶ流。解放されホッとする生徒に神竜の追い討ちが。「解放の儀式をしろ。流たちに石を投げつけろ。さもないと無差別処刑だ」

「俺たちを守ってくれるなら犠牲になってもいいじゃないか」うれしそうに石を投げつける生徒たち。じっと耐える流たち。「流、こいつらは豚だ。助けてくれたお前に石を投げる。何の信念もない豚たちだ!はっはっは!」崖っぷちで磔にされる流たち。流の体には時限爆弾が巻きつけられる。そこへサイドカーに乗って神竜登場。「最後の選択だ。ダイナマイトで五家宝連もろとも爆死。それともお前一人が崖から落ちて転落死か」

迷わず転落死を選ぶ流。あわやというところをマワシ姿に戻った太田原が助ける。そこへ堀田軍団も現れる。もはや敵味方わけのわからぬ乱闘になり、最後は流と神竜の一対一の対決。川に二人は転落して、水中で神竜の刀を奪った流が、渾身の力をこめて、刀を神竜に投げつけるのであった。