血ぐるま怪人集団！総攻撃!!
うめく骸骨丸。「血車党の新しいドクロ館の工事が遅れている。人手が足らん。誰にも怪しまれずに人間を集められる場所。ふふふ。それは箱根の峠だ」骸骨丸を褒める魔神斎。「箱根に目をつけるとは感心よ。ひとつ、作戦を教えよう。箱根にある関所だ。その関所を利用しろ。まず新しく生まれた化身忍者人食いガラス。そしてこのことのために嵐に殺された化身忍者どもに今一度生命を与えようぞ」「化身忍者１０人が再び活躍を」「甦れ。今一度嵐と戦え」
甦る化身忍者。「毒うつぼ」「不死身マシラ」「オニビマムシ」「ネコマンダラ」「死人ふくろう」「トゲナマズ」「毒蛾くノ一」「カマキリガラン」「吸血大ムカデ」「オバケクラゲ」これで嵐が倒せると満足する骸骨丸。「人食いガラスよ。血車十人衆とともに箱根の関所に飛べ」「わかりました。箱根の関所には一人も行かせん。一人残らず血車党の関所に行け」
もうじきだぞと娘のカエデに言う佐吉。「箱根の関所を通れば、三島までほんの一息だ」「きっとおっかさん待ってるわね」立て札を読む佐吉。「なになに。この先崖崩れのため箱根関所は仮関所にて開く、か」よくあるんですよと佐吉に言う太助。「じゃあ行きましょう」仮関所に入った佐吉たちに怒鳴る骸骨丸。「血車関所に入ったのが運のつきだ。おとなしくしろ」逃げようとする太助の前に立ちはだかる人食いガラス。「逃げようとするヤツは人食いガラス様の餌食になるのだ」人食いガラスのクチバシで目を潰される太助。カエデを逃がす佐吉。
旅人たちに訴えるカエデ。「父さんを助けて。化け物にさららわれたの」「化け物？子供のくせに嘘つくんじゃない」「嘘じゃないわ。本当よ」「ははは。箱根の山に化け物なんて」誰も信じてくれないと落ち込むカエデに私は信じるぞと言うハヤテ。おいらもだと言うツムジ。あなたが見たのは血車党よと言うカスミ。早くお父さんを助けてと言うカエデに落ち着けよと言うツムジ。「おいらの親父、伊賀忍術の名人がとっくに探りに行ってるのさ」
女装して血車関所に入ったタツマキの変装を見破る骸骨丸。「伊賀のタツマキ。生かして出さんわ」人食いガラスに左眼をほじくり出されるタツマキ。「うわあ、眼が」そこに現れる嵐。左眼を強引に眼窩に押し込むタツマキ。「タツマキ。行け」「かたじけない」もうこの関所に用はないと嵐に言う人食いガラス。「関所もろとも死ね」気球に乗る人食いガラス。「血車党のカラス爆弾だ」「うむ」
タツマキの眼の上に布巾を置くカスミ。「一晩寝ればよくなるわ」「すまん」ごめんなさいと謝るカエデ。「私のお父さんのために」「気にしない、気にしない。親父の腕が悪いだけさ」旅人だけでなく近所の人も消えていると言うハヤテ。「みんなのさらわれた場所はそう遠くないはずだ。とにかく探してみよう」
縛られて木に吊るされている太助を自由にするハヤテ。「どうしてこんな目に」「へえ。私たちは箱根の山奥のカラス岳の洞穴で穴掘りをさせられておりました。三日前、そこから抜け出して、里に知らせに行こうとした途中で捕まって」「じゃあみんなのいる場所に案内してくれるか」「わかりました」これで父さんに会えると喜ぶカスミによかったねと言うツムジ。油断はできんと呟き、木の枝を斬るハヤテ。呻きをもらし斃れる不死身マシラ。「隠れ蓑を使って、木に隠れ、あなたを救いに来るかもしれない仲間を見張っていたんだ」「おお。なんと恐ろしい」「とにかく急ごう」
カラス岳の洞穴に向かうハヤテたち。川の中から現れるオバケクラゲを斃すハヤテ。「見張っているのは不死身マシラだけじゃないらしいな」「くわばらくわばら」「よし。川下に行こう」「え。どうして。方向が違うぜ」「ツムジ。私たちが川上に行けば、当然血車党も気が付く。少しでも誤魔化すんだ」
河原で魚を焼くツムジ。いい匂いねと言うカエデ。「ねえハヤテさん」いいニオイだと言うネコマンダラに我慢しろと言うオニビマムシ。「ハヤテの背後から襲うのだ」ハヤテが案山子であることを知って激怒するオニビマムシとネコマンダラ。「おのれ、許さん」「ははは。ここまでおいで」ツムジの仕掛けた落とし穴に落ちてしまうオニビマムシとネコマンダラ。
洞穴にハヤテを案内する太助。「おおい、みんな。助けに来たぞ」「誰もいないのか」「もしかしたら外のほうに」洞穴を出たハヤテを待ち受ける毒うつぼと死人ふくろうとトゲナマズと毒蛾くノ一とカマキリガランと吸血大ムカデ。勝ち誇る骸骨丸。「偉大な魔神斎様の力は化身忍者を蘇らせのよ。死ね、ハヤテ」変身忍者嵐に変身するハヤテ。はははと笑う太助。「まんまとおびき出されたわい」「お前も化身忍者」「その通り。人食いガラスだ」人食いガラスとなる太助。毒うつぼと死人ふくろうとトゲナマズと毒蛾くノ一とカマキリガランと吸血大ムカデを斃す嵐。「人食いガラス。残るはお前一人だけだ」「おのれ」旋風斬りで人食いガラスを斃す嵐。本当のカラス岳の洞穴にいた人々をタツマキたちは自由にするのであった。