ウォール街 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

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同僚と話し合うJ・スタイナム証券会社に勤めるバド。「トラブルかね」「もうカラケツだ。お手上げだよ」「でかく儲けるのはゲッコーのような大物投資家だよ。チャレンジャー爆発で即NASAを売るヤツだ」「メルコア株で4000万ドル儲けた。それも40歳になる前だ」「汚い手もなんのその」

父のカールと会うバド。「冴えない顔色だな」「ついてない日だ。客のケツを回された」「だから医者か弁護士になれと言っただろ。ブルースター航空に入ってりゃ、セールスマン稼業など」「セールスマン?アカウント・エグゼクティブだ。じき投資部門に出世だ」「電話勧誘のセールスマンだよ」「得意客獲得が出世の土台だ。証券マンは航空会社社員の5倍は稼ぐ」「お前の去年の年収は5万ドル。なのに奨学金ローンも返せない」

5万ドルじゃ何もできないと言うバド。「税金4割。家賃1万5000ドル」「家へ戻れ。家賃はタダだ。俺の年収は課税前で4万7000ドルだぞ」「こことマンハッタンは違うんだよ。貧乏が尊い時代は終わった」「自分が誇れる人間になれ。ところでいくらだ」「300ドル。来月必ず返す」「たまる一方だぞ」「ところで会社は?」「監査官からいいニュースを聞いた。去年の事故の原因調査があった。原因はドアのデザインミス。メーカー側の責任だ。整備の責任ではない。欲張りメーカーの手抜きだ」「やっぱり」「運航停止は解除。2つの新路線もオープン。大手と渡り合うぞ」

私は普通証券会社の人間と会わないとバドに言うゲッコー。「投資銀行かディーラーを通じて株の売買をする。だが耳よりの話があると聞いたから、君と会う気になった」「……」「俺の知らないことを話せ」「ブルースター航空会社です。中堅会社ですが」「航空会社は組合が厄介だ」「去年、墜落事故があって、未発表ですが、会社に有利な調査結果が」「それをどこで?「小耳に。航空機を増やし、航路も拡張。マイナー株で取得は簡単です」「一日100件で、俺が選ぶのは1件だ。ブルースターを2万株買ってくれ」「ありがとうございます」

君はいい情報を流したとバドに小切手を渡すゲッコー。「買いが目立つとまずい。ほかの株を20万ドル買え。銘柄は私が指示する。10万ドル以上スルなよ」「ありがとうございます。一生懸命やります」「残った金は非課税の相互信託へ。腕前拝見だ。へつらった話し方はよせ。いいか、俺は損が嫌いだ。損をすると一日の気分が台無しだ」

10万ドル損をしたと言うバドに君の父親はブルースター航空の整備員組合の委員長だと言うゲッコー。「この世で最も貴重なものは情報だ」「……」「株はダーツ投げではない。俺は確実に当たるものだけに投資する。証券マンの予想が外れるのはなぜか。ヤツらは羊だ。だから殺される」「……」「1969年から株を始めたが、ハーバード出はダメだ。成功するのは貧しくてハングリーで冷酷なヤツだ。アップダウンがあっても戦い続ける。泥沼の戦いだ。グラフと首っぴきの証券マンに用はない」

僕は他の証券マンとは違うと言うバド。「証明させてください」「情報を聞きかじるのではなく、集めてこい」「……」「乗っ取り屋のワイルドマンを知ってるか?人を見下す典型的なイギリス人。ヤツには痛い目にあった。借りを返したい、ヤツは市民権を獲得し、ニューヨークに来ている。何かでかいことをやる気だ。どこで出かけ、誰と会ってのか探ってくれ」「僕は証券マンです。免許召し上げに。インサイダー取引のかどで懲役刑です」「親父から聞いた航空会社の情報は?」「……」「内部に入らなきゃ、永久に外だ。自分が駒を握る人間になるんだ」

ワイルドマンを付け回して、ゲッコーに連絡するバド。「午前はサイデルマン証券に行き、投資専門グループと会食。そのあとモルガン銀行に行き、自家用ジェットでエリー湖に行きました」「頭を働かせろ。ヤツが狙ってる会社は?エリー湖に何がある」「そうだ。アナコット鉄鋼だ」「アナコットで仕手戦を仕掛けろ。お前の腕の見せどころだ。こっちはアナコットを買いまくる」

ワイルドマンにバドを紹介するゲッコー。「私の部下だ」「そうか」「ところで話とは?」「君のアナコットへの興味の話だ」「私の興味は君と同じく金だ」「今度は投機ではない。長期の立て直しを計る。俺には君の6倍の財力があるから、アナコットを見捨てて、君に大損させることもできる」「……」「だがあの会社を再建させたい。君の株を買い取る。明日65ドルで買い取り公示を」「会社はあんたにやる。バド、妥当な株値は?」「この場合、80ドルでは?」「欲は出したくない。72ドルでどうだね、ワイルドマン」「わかった」

一年半ぶりに法律事務所に勤める大学の同級生のバーンズを訪ねるバド。「株の方はどうだ?」「時間はきついが金は入って来る。金儲けのベテランがバックについてる」「まっとうな弁護士に何かいい儲け話が?」「まあな。君はフェアチャイルド食品の合併問題を?」「……」「何か新聞に出てない情報でも?」「……」「見返りにテルダー製紙の情報を教える」「よせよ。弁護士資格はく奪だ」「大学の同級生同士のおしゃべりだよ」「……」「誰でもやってることだぜ」

飛行機の整備をするカールに機嫌が悪そうだなと言うバド。「航空料金競争がきつい。今週も5人解雇される」「気の毒に」「今日はいくらだ」「せびりに来たんじゃない。今までの借金にのしをつけて返す」「奨学ローンの返済に回せ」「ローンなんか。これからもずっと金は入る。スーツでも買えよ」「どこで着る。俺は飛行機の整備工だぞ」「とにかく、人生を楽しめよ」

テルダー製紙の株主総会で演説をするゲッコー。「テルダー製紙の最大株主として言いたいことがある。かつては会社は株主に責任を負いました。金を投資してくれた株主に責任を負いました。最近の経営者は会社に利害を持ってません。ここに座ってる連中の持ち株は3%以下です。100万ドルの年俸をもらってる社長は別の会社に投資してます。会社を持ってるのはあなた方株主です。テルダー製紙には年俸20万ドルを超える副社長が33名いますが、彼らが何をしてるのか不明です。わかったことは昨年だけで会社が失った金は1億ドル。その半分は副社長同士の連絡書類の経費でしょう。最近のアメリカ企業の法則は適者生存ではなく不適格者生存です。彼らは排除すべきです。私は最近、7つの企業の経営に関わりました。250万人の株主に120億ドルを還元しました。私は企業の破壊者ではない。解放者です。欲は善です。欲は物事を明確にし、道を開き、発展の精神を磨き上げます。欲こそ人類進歩の生命力です。テルダー製紙だけでなく株式会社USAを建て直す力です」

ブルースターの経営陣は料金戦争でオタオタしているとゲッコーに言うバド。「空港権だけでも金になる。揺さぶれば陥落する」「航空会社は組合が面倒だ」「ブルースターは年金積立がキャッシュで7500万ドル。あんたの持ち株はすでに2%だ」「……」「今度は僕と組ませてくれ。ブルースターを立て直して黒字にしてみせる」「大した鼻息だ。テルダーの立て直しにてこずって、その上、航空会社?」「僕は内部に詳しい。友人も多い。情報はいっぱいある。父も絶対に協力してくれる」「なんだか俺に似てきたな」

パイロット組合長のヘンリー、乗務員組合長のトニとともにカールをゲッコーと引き合わせるバド。「私は冷血な人間と言われるが、仕事のできる人間はとかく非難される。君らの会社は負債3000万ドル、株主配当ゼロ。大手に押しまくられてる。経営陣は悪者ではないが、君らを目いっぱいこき使っているが、このままでは破産宣告。それを理由に組合は解散。君らは放り出される。私が経営者になれば利益を上げ、社を黒字にしてみせる。全社員の給料を1年間一律20%カットして、黒字になったら、給料を現在のレベルに戻して、株による利益の社員分配計画を実施する」

黒字にするポイントは3つだと言うバド。「最新式のコンピューター。料金レートを洗い直し、無駄な割引サービスはやめる。これで収益は20%アップする。2番目は広告。大手を正面から攻撃。3番目は拡張。南部への都市への便を増強」「……」「こっちの話は以上だ。ご意見を」

お笑い種だとゲッコーに言うカール。「貧乏人は昔から搾取の的だ。あんたは欲の塊だ。うまいこと言ってるが狙ってるものは金だ」「物事は「人のため、金のため」だ。誰の得にもならないことに何の意味がある」「息子は夏のバイトで客の荷物を運んだ。それで航空会社の経営者の資格が?」「今の経営者に任せて、破産していいのかね」「小さな会社を30年かけて育てたのは彼らだ」「……」「これで失礼する」

僕に恥をかかせたなとカールに言うバド。「パパはこれでクビだ。会社はつぶれる。ゲッコーじゃなきゃ、別の人間が現れる」「わからんのか。ヤツはお前を利用してるんだ」「パパは息子が自分より出世して、それで妬いているんだ」「お前は財布の大きさで人間を測るのか?」「パパはでかい勝負をする勇気がないんだ」「俺は間違った父親だったようだ」「……」「とにかく組合への責任は果たす。明日の集会でありのままを報告する。そして組合員の意見を尊重する」

ブルースターの社長になったと言うバドに証券取引委員会から変な電話があったと言うマービン。「俺の帳簿を見たいと」「落ち着けよ。あいつら、ゲッコーの所にも調べに来るが、つだって無罪放免だ」「とにかく俺は手を引く」「わかったよ」「ゲッコーが我々にブルースターを洗えと依頼したのを知ってるか」「なんだと」「社長の君が知らないのか。これから会議がある。君も出席しろ」

投資銀行の幹部に聞くマービンの上司。「君らは12か月のローン返済を保証できるかね」「格納庫と航空機を処分すれば、それが可能だ」「ブルースターを整理できると言う保証が?」「保証など簡単だよ。格納庫の跡地にマンションを建てる。航空機はメキシコに売り飛ばす。路線とゲート権はテキサス航空が買うよ」「目玉は多額の年金積立だな。整理した残額はゲッコーの懐へ」

ブルースターを解体して売り払うのかとゲッコーに聞くバド。「社を建て直すんじゃなかったのか」「……」「僕を利用した」「調べて計画を変えた。君の調査不足だ」「従業員は失業する。オヤジに何と言えば」「すべては金だ。ほかは皆ごたくだ」「……」「君はまだ社長だ。時機を見て、パラシュート脱出。金はバッチリ。オヤジさんも遊んで暮らせる」「いつまでゲームを続ける気だ。欲のきりはないのか」「この国の富の半分、つまり5兆ドルは、1%の金持ちのモノだ。3分の1は働いて得た金、3分の2は相続した金。利息で食う未亡人やバカ息子。その中で、俺は株と不動産の投機。くだらんよ」「……」「国民の9割は何の財産も持ってない。これが自由市場の社会さ。君もその一員だ」「そうだな」「解体のことはいずれ話すつもりだった。お前にはまだ教えることがある。俺についてくればいいんだ」

心臓発作で入院したカールに僕が間違ってたと謝るバド。「パパみたいに正直な人はいない。僕がブルースターを救ってみせる」「……」「信じないだろうけど、僕は本気だ。組合の連中と話すよ。パパの代わりにパパの言いたいことを」「頼むよ」「もう行くよ」「お前はいい息子だ」

ワイルドマンにヘンリーとトニを紹介するバド。「ブルースターを組合つきで提供します。1株18ドルで。そのついでにゲッコーをさらし者にできます」「興味深い申し出だ」「僕は会社を救いたいだけです」「給料カットは保証できるか?」「しっかりした契約書があれば約束します。会社のたたき売りは許しません」ワイルドマンの資金をバックにゲッコーに仕手戦を仕掛けて勝利するが、テルダー製紙への不正融資容疑で逮捕されるバド。

痛い目にあったとバドを殴るゲッコー。「自分の力でこれたと思ってるのか。俺が貴様にドアを開けてやり、情報の集め方を教えた。フルハム石油、ブラント資源。その恩返しがこれか」「……」「君は大物になれた。俺は君の中に自分を見た」「俺は俺だ。あんたじゃない」「……」ゲッコーとの会話を収めた録音テープを刑事に渡すバド。「君は正しいことをした」「……」

ワイルドマンがお前に働き口を見つけるとバドに言う退院したカール。「僕は刑務所行きだぜ」「そうだな。それが償いだ。ある意味ではお前にとって最良の事だ。安易な金より実のある人生だ。他人の売り買いでなく自分で創れ」バドは裁判所に向かうのであった。