ドアーズ | ロロモ文庫

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1965年。UCLA映画学部の学生のジム・モリソンは、自分の作った映画を教授やクラスメートに見せる。「モリソン。素晴らしい。屈折した詩がある。ゴダール的代」「気取った映画だな。よくわからない」「踊る熊。ナチズム。マスターベーションか」「退屈だ」「ウォホールよりましさ」「あれが芸術か」映画はもうやめると言うジム。

友人のレイにもう映画はやめたと言うジム。「それで?」「詩や歌を思い付くままに書いている」「歌を?聞かせろよ」照れながら自作の曲を歌うジム。いい歌詞だと言うレイ。「君が書いたのか?」「頭の中でコンサートが出来上がっているよ」「バンドを結成して大儲けを。皆、爆発寸前だぜ。暴力、ファック、愛と血を求めている。この先はベトナム。じき、すべてに火が付く。世界は大きく変わるんだよ。神話を作ろう」「グループ名はドアーズ。近知覚の扉。アシッドさ。ウィリアム・ブレイクの詩。近くの扉の汚れをと落とすと、真実が見えてくる」「いいね」

ドアーズは結成され、ライブハウスで演奏するようになる。レイに聞くスペンサー。「君らは凄い。いいサウンドだ。だが暗い曲が多い」「新しい楽器も?」「5年契約を結べば買えるよ。俺がマネージャーしてやる。いい話だぜ」「話し合うよ。何事も全員一致で決めるんだ。堅い結束だ」「お見事。結束は金にならんぞ」ジムに聞くスペンサー。「君はいくつだ」「21歳」「よく聞け。君だけに言うんだ。仲間を切れ。君の声とルックスなら年間100万ドルは稼げる。電話をくれ」

1966年。ロサンゼルスのクラブで演奏中にジムは突如「父さん、あなたを殺してやる。母さん、俺はあんたをファックしてやる」と歌いだし、踊りながら「ファックしてくれ」と連呼したため、メンバーはクラブから追い出される。そこに現れたエレクトラ・レコードのホルツマン。「今夜のアレをレコーディングすれば君らは大金持ちだぞ。今夜にでも録音スタジオに連れていきたいよ。モリソン君、どうだね」「いいとも」

1967年。人気グループになったドアーズは人気番組「エド・サリバン・ショー」に出演することになる。「一つだけ気を付けてほしいことがある。歌詞の中に電波に乗せられない言葉がある。ハイになるって言葉だ。ネットワークではまずい。燃えると言う表現に変えてくれ。ステージで笑顔を見せてくれ」しかしプロデューサーの要求を無視して「ハイになる」と歌うジム。

人気女性カメラマンのケリーのモデルになるジム。「シャツを脱いで。いいわ。カメラは望むものになるの。あなたが寝たい女。殺したい男。いいわ。いい感じ。最高よ。たった一枚の写真が数百万人の心を捕らえるのよ。あなたがドアーズよ。他の連中はいらないわ。いいわ。なんでも好きにやって。自分を見て、自分自身に恋をするのよ。自分を見て、自分自身に恋をするのよ。あなたが自分自身の観客。ジム・モリソン。ロックと男根の神」ジムは有名人とのパーティーに出席するようになり、ドラッグとアルコールと女に溺れていく。

雑誌記者のインタビューに答えるジム。「あなたの歌のテーマは?」「愛、死、旅、反抗。曲は僕らみんなが作る。僕らのテーマは混乱、無秩序、無意味な事。例えばこの記者会見」「男版バービードールと言う綽名が」「脳みそのない奴の言うことさ」「あなたの詩集が出版され、酷評されていますが」「皆、理解できないだけさ」「ドラッグやアルコールを擁護なさるの?」「伝統だよ。この国は教育費より、酒、たばこに金を使う」「5年後のドアーズは?」「僕の望みは感覚を攪乱させて、未知を探ることだ。潜在意識の中で生きたい」

「今もひょっとして恍惚状態なの?御両親はあなたのことをなんと?」「俺は誕生を覚えてない。多分失神中でね」「あなたにご感想を?」「両親は死んでしまったので、その話はしたくない」「どのように亡くなったの?」「あれはニューメキシコの自動車事故だ。インディアンのトラックを衝突した。皆、血まみれで路上に。彼らの魂は風に乗って、俺に乗り移った」ますますドラッグとアルコールと女に溺れていくジム。

1968年。ニューヘブンでのコンサートの前に雑誌記者のパトリシアに嘘をつかないでと言われるジム。「お父さんが死んだなんて話を」「両親は事故で死んだ」「家に電話したら出たわよ」「……」「私を騙せると思ったの。お父さんは海軍の提督。ベトナム戦争勃発の時はトンキン湾に。作戦部の副司令官。嘘をつかないで」「ひどいな」「どんな父親?あなたに愛を?」「パトリシア、抱いてくれ」そこに現れる警官。「何をしてる。ここは立入禁止だ」「彼を知らないの?」「俺は出演者だ」「ヒッピーめ」スプレーを吹きかけられ、目が見えないと叫ぶジム。

ステージに上がり、最初は歌うが、突如歌うのをやめて語り始めるジム。「ここで起こったことを話そう。楽屋で女と会っていた。何もせず話をしていただけだ。すると突然男が入ってきた。奴は目つぶしスプレーを取り出し、俺の目にふりかけた。俺が女といたからだ。自分のアレが立たないから嫉妬したのさ。こいつに何か言わせよう」行きすぎた発言だと言う会場を警備する警官。「ショーはここまでだ。この州の猥褻法に対する違反で逮捕する」

1969年。<マイアミの熱い夜。場内は超満員だが、残念ながら今のドアーズは見世物。舞台から転げ落ちるモリソン。最新のアルバムは以前の繰り返し。新曲も昔のドアーズからは程遠い。来たのは無駄だったかも。葬式の見物だ>

俺はこれからブルースを歌うと言うジム。「何もせず、どこへも行かず、太る」「その腹を見ろよ」「太った哺乳類が悪いか?見ろ、タンクのようだ」「デブ腹のキングか。ロックも最後だ」「ロックにはもう信じるものはない。これからの俺は詩を書き、映画を撮る」「君は極限まで行った。名声、セックス、金。年取って腹が出て演奏が出来なくなったら、どうする」

1970年。法廷で判事に聞かれるジム。「モリソン君、4件の風紀びん乱罪に問われている。ステージでのマスターベーション擬態行為。公共の場での泥酔。卑猥な発言。わいせつ物陳列。認めるかね?」「……」「判決を言い渡す。郡刑務所で重労働6か月。またわいせつ物陳列罪で同じく重労働60日、その後、保護観察期間として、さらに2年4か月」「被告は控訴保釈金を5万ドル。身柄の受け渡しを要請します」

<ケント大もキャンセルしてきた><マスコミも今では敵だ><歯医者の約束もすっぽかし?><少し眠ったら。それに髪を洗って><嫌われてるぜ。ウッドストックからも外された><ラジオ番組でも干されている><実刑の引き延ばし工作を。FBIからも睨まれている><八方ふさがりだ。ひげもじゃの長老のイメージで再出発を>

久しぶりのいいアルバムだと言うレイに奇跡だなと言うジム。「互いに口もきかなかったレコーディングだ」「本当にパリに住むのか?」「人目につかずに本を書きたい」「まだその気になりゃいい曲がかけるのに」「俺たちは何をしても睨まれる。お尋ね者さ」「寂しいよ。お前と音楽がやれなくなる」「またいつかどこかで会えるさ。その時、白黒映画でも撮ろう」

1971年7月3日。パリのアパートでジムは浴槽につかったまま。27歳の生涯を終えるのであった。