ローラ殺人事件 | ロロモ文庫

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批評家のライデッカーに殺されたローラのことについて聞く刑事のマクファース。「昨日も別の刑事に話した。金曜の夜、彼女は私と食事の約束をしたが、7時にキャンセルの電話があった。だから」「一人で食事をとり、風呂場で読書をした」「これからどこに?」「他の参考人のところに」「私も行く。殺人には興味がある。記事にもなるしな。彼らの反応が見たい」「あなたも容疑者の一人だ」

ライデッカーを連れてローラの叔母であるアンと会うマクファース。「ローラ事件のことで」「なんでも話すわ」「死体を見て卒倒したそうで。至近距離から散弾銃で撃たれたんです。当然だ」「顔がわからないほど滅茶苦茶に」「あなたはローラとカーペンターの結婚に賛成でしたか」「なぜそんな質問を?」「彼はお宅にも出入りしている。実に怪しい行動だ。しかも彼に小切手を渡している」「私のお金よ。文句ある?」「彼はあなたの愛人ですか」「失礼な質問ね」「金曜の夜はどこに」「一人で家にいたわ」

そこに現れるカーペンターに丁度いいタイミングだと言うライデッカー。「刑事さんが君に聞きたいことが」どうしてここにと言うマクファースにホテルでは記者がうるさくてと答えるカーペンター。「婚約者である私に動機はありません」

どうかなと言うライデッカー。「君にも動機がある。ローラは結婚を迷ってた。金曜の夜、電話で私にそう言った。ゆっくり考えたいから実家に帰るとね。彼女は見た目だけの男に人生を捧げるような真似はせん」冷笑するカーペンター。「負け犬の遠吠えにしか聞こえんな」金曜の夜はどこにとマクファースに聞かれ、一人で演奏会に言ったと答えるカーペンター。

ローラの家にライデッカーを連れていくマクファース。「彼女はベルが鳴り、ドアを開けたところを撃たれた」「その根拠は?」「そのまま仰向けに倒れた」「死体を見たのか」「写真で見た」ローラの肖像画を見ろとマクファースに言うライデッカー。「悪くない」「画家も彼女を愛したが、温かさを描き切れてない」「食事に行こう」

レストランでローラの思い出話をマクファースにするライデッカー。「彼女との出会いは5年前。当時、彼女は広告会社に勤めていて、私に広告記事を書いてくれと依頼してきた。私は最初は断ったが彼女の美しさに惹かれて引き受けた。私はローラを有力者に紹介した。彼女は持ち前の才能を発揮し、業界のトップに躍り出た。彼女は人を惹きつける力があった。彼女は私に付き添う花として有名になった」

最高の日々だったがローラは肖像画を描いたジャコビーと付き合うようになったと言うライデッカー。「嫌いな男だった。スポーツマンタイプのたくましい男だった。私は彼の作品は単なる模倣であると酷評した。当然、彼女は彼を相手にしなくなった」

しかしパーティーでローラはカーペンターと知り合ったと言うライデッカー。「カーペンターは才能のないデザイナーだが、女を口説くことだけには才能があった。私は探偵を使って、カーペンターが前科があることを調べ、そのことをローラに伝えたが、ローラは過去よりも今が重要と聞く耳を持たなかった。私はカーペンターはアンやモデルのダイアンと噂があるぞと忠告したが、逆に最低の男と罵られ、カーペンターと結婚すると言われた。私はアンの家にローラを連れていき、そこにカーペンターがいるのを見せつけた。カーペンターはアンに結婚の報告をしていると見え透いた嘘をついた」

金曜の昼にローラとダイアンは食事をしたと言うマクファース。「その夜、ローラから今夜は一緒に食事できないと電話があった。3日ほど実家に帰って、カーペンターのことを考えると。これが最後の電話になった。結婚はやめていただろう」

ローラの家を調べるマクファースになぜ彼女の肖像画を買ったと聞くライデッカー。「美術商のコーリーに聞いた」「君は彼女の時計を買うそうだな」「あれは私が彼女にプレゼントしたものだ」「そうか。同じ物が君の家にあった」「なぜ肖像画を買う」「答える必要はない」「君の行動は奇妙と言わざるを得ん。ずっとローラの家に入りびたりだ。まるでローラに恋しているようだ」「帰ったらどうだ」「気を付けないと精神病院送りかもな。死体への執着は精神異常の証だ」「帰れ」

マクファースはローラの肖像画を見ながら酒を飲んでいるうちに疲れて眠ってしまうが、そこにローラが現れ驚く。「ここで何を?」「生きていたのか」「出ていかないと警察を呼ぶわ」「俺は刑事だ」「どういうこと?」「何も知らないのか」「ええ」「新聞は?今までどこにいた」「実家よ。新聞は取ってないの」新聞を見て驚くローラ。「この部屋で殺人があった。心当たりは?」「いいえ。いつなの」「金曜日の夜」「どうするの」「簡単だ。被害者と犯人を見つける」

ダイアンの服があったとマクファースに言うローラ。「うちのモデルで服のサイズは私と同じ」「君が出たのは金曜で、今日は月曜。長い週末だな。3日間、何をしてた」「庭いじりよ」「君はカーペンターと結婚する予定だったが、実家に帰った」「疲れてたの」「誰かがダイアンをここに入れた。君は彼女とカーペンターの関係は知ってるな」「彼女から聞いたわ。でも彼にとってダイアンは遊びよ」

「彼女は君の室内着を着ていた。遊びの女にそんな真似はしない」「……」「カーペンターはここの合鍵を持っていたに違いない。2人がここに来ると知ってたか」「わかるはずないわ。あなたの憶測でしょう」「なぜ彼をかばう」「私を疑ってるの」「真実を知りたいだけだ。君はカーペンターと結婚する気か」「しないわ」「明日の朝、会おう。誰にも連絡しないように」

同僚から検視報告が届いたと聞かされるマクファース。「死体はローラでなくダイアンだった」「振り出しだ」「やけに落ち着いてるな」電話を取るマクファース。<もしもし><ローラよ><何も言うな。フリット社の前で会おう>ローラの電話に盗聴器を仕掛けたと同僚に言うマクファース。「女は信用できん」

ローラの実家で散弾銃を手にするカーペンターに、銃から手を離せと言うマクファース。「この銃は君のか」「ローラに護身用としてプレゼントした」「君は極めて怪しい。ダイアンを連れ込んだ君は彼女の正体も知っていた」「ダイアンと話をつけるために合鍵で入った。するとドアのベルが鳴って、ダイアンに応対を頼んだ」「なぜだ」

「私が出ると醜聞になる」「彼女が出てもまずいのでは」「留守の間、部屋を借りたことにしろと言った」「それで」「突然、銃声が。私が駆けつけるとドアは閉まり、彼女が倒れていた」「犯人は?」「怖くて何もできなかった。警察を呼ぼうと思ったが、ローラが心配になって。彼女を巻き込みたくなった」

ローラの犯行と思ったのかと聞くマクファース。「わからん」「警察からローラの死を聞き、君は驚いた」「警察の誤報に驚いたんだ」「だが、ローラが帰ってきたら、嘘がばれるのは必然だ」「頭が真っ白でそこまで考える余裕がなかった」「君とローラは今夜何を話した」「今の話を全部だ」「彼女から銃の処分を頼まれたのでは」「これは私の独断で決めたことだ。私を逮捕するつもりか」「いや、ただ町を出るな」

翌朝、なぜカーペンターと会ったとローラに聞くマクファース。「私の自由よ。あなたが勝手に電話するなと言っただけ」そこに現れたライデッカーはローラを見て仰天する。「ローラ。生きてたのか」「ごめんなさい」「でもよかった。早速君の無事祝いのパーティーをしよう」

パーティーであなたに会えなくて寂しいとカーペンターに言うアン。「ローラとの関係はおしまいにして、私と結婚しましょう」「それはできない。僕はローラを助けてやりたい」なぜ私の実家に来たのとカーペンターに聞くローラ。「散弾銃を隠すのを君が忘れると思ったんだ」「散弾銃?」「僕が君にあげた奴さ。僕は君の味方だ。嘘はつかないでくれ」「あなたは私が犯人だと疑ってるの」

パーティーが終わりローラに私のところに戻るべきだと言うライデッカー。そこに現れるマクファース。「犯行に使われた凶器は君の散弾銃でないことが判明した。ローラの潔白は個人的な見解だったが、確認により全体の見解となった」

これは君の警戒を解く作戦だとローラに言うライデッカー。「いつものパターンだ。君は彼の体格と容貌に騙されておるのだ」「正当な判断くらい自分でできるわ。いつものパターンはあなたの方よ。最初はジャコビー。次はカーペンター。あなたとは縁を切るわ」「本気か」「今になってやっと気づいたの」「そうか。おめでとう、刑事君」去っていくライデッカー。

時計の中に隠されている散弾銃を見つけるマクファース。「これは君の銃か?」「いいえ」「これはライデッカーから贈られた時計だな」「ええ」「ベルが鳴り、ダイアンが君の部屋着で玄関へ。彼女はドアを開けたが部屋は暗かった。ライデッカーは彼女を君と勘違いし、ほかの男に取られるのを防ぐため発砲した。彼女の顔に二発。カーペンターの足音に気づき、外の階段に隠れた。慌てて飛び出した彼を見て、ライデッカーは銃を時計に隠した」「まさかライデッカーが人を殺すなんて」「明日、時計を取りに来る。これから彼を逮捕しに行く」

階段に忍んでいたライデッカーは時計から散弾銃を取り出し、ローラの前に現れる。「一人殺してもまだ物足りないの」「君は私の人生で最高の宝物だ。卑しい二流刑事などに君を渡すつもりはない。君を殺したあと私も逝く。二人は永遠に一緒だ」ライデッカーはローラを射殺しようとするが、駆け付けたマクファースの銃弾を腹に受けて、「さよなら。ローラ」と呟いてあの世に行くのであった。