風雲ライオン丸 第16話 | ロロモ文庫

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忍者の掟に明日はない!!

下忍の報告を受ける甲賀忍者の頭領の藤林三太夫。「尾張より西方の下忍で生き残った者はマントルに屈服したようです」「なに。マントルの手先になったと言うのか」「はっ」「バカめ。命が惜しくなって身を売ったと言うのだな。皆の者、よく聞け。いずれこの里にもマントル一味が攻撃を仕掛けてくるだろう。しかし生きて奴らの手先になることは断じて許さん。我々忍者には掟がある。その掟を破ることは許されないのだ」

ヤゴに命令するアグダー。「藤林三太夫を捕まえろ。そして甲賀忍者どもをわが尖兵となるように命令するのだ」そこに現れるライオン丸「そうはさせん」「む」「アグダー。私の兄をはじめ、貴様のために大勢の人が死んでいった。これ以上の犠牲はこのライオン丸が許さん」「言いたいことはそれだけか。ヤゴ、やれ」「待て。このまま逃がすわけにはいかん」「お前の相手はこの俺様で十分だ」 

六能陣車で逃走するアグダー。ヤゴの吐く白煙を浴びて、崖から転げ落ちるライオン丸。呟く錠之助。(獅子丸。狙いはよいと褒めてやりたいが、アグダーを倒すのはお前では無理なようだな)甲賀屋敷を襲うヤゴと地虫忍者。

草藪から出て来た獅子丸に何者と聞く小弥太。「怪しい者ではない。マントルの一味に」「なに。マントルに。大丈夫か」「俺より里が危ない。マントルは忍者頭を狙ってる」「なに、父上が」「え」「忍者頭・藤林三太夫は私の父だ」「俺は大丈夫だ。とにかく急いで戻った方がいい」

仲間たちが無残に殺され、父がいなくなっているのを知った小弥太に、遅かったようだなと声を掛ける獅子丸。「どうする。父上を助けに行くか」「うむ」「わかった。俺も行こう」「断る。傷ついたあなたの力を借りるまでもない。それにこれは我ら忍者の問題。余計な手出しは無用だ」小弥太の後を追う獅子丸。(無茶だ。一人で倒せる相手ではない)呟く錠之助。(獅子丸。お前の弱点は優しすぎることだ。それが命とりにならねばよいがな)

拷問を受ける三太夫に言うことを聞く気になれんかと尋ねるヤゴ。「何をされたとて、貴様たちのいいなりにならん」「配下の忍者を我々の手下にする気はないか」「断る」「お前の息子が我々を探してる。息子がどうなってもいいのか」「断る」「強情な奴め。後悔するなよ」

呟く三太夫。(許せ。小弥太)

地虫忍者を葬る小弥太になかなかやるなと言うヤゴ。「さすがは三太夫の子だけあるわ」「貴様か。父上を連れ去ったのは。父上はどこにいる」「安心せい。三太夫は無事だ。きゃつにはまだやってもらわねばならんことがある」「くそう」小弥太に襲い掛かるヤゴに待てと叫ぶ獅子丸。「獅子丸。まだ生きておったか」獅子丸の前に立ち塞がる錠之助。「余計な手出しは無用と言われたのではないのか」「しかし」

白煙を浴びせ、小弥太の体を動けなくするヤゴ。「小僧、貴様の最期だ」錠之助の静止を振り切って、自分に向かう獅子丸に白煙を浴びせるヤゴ。目が見えんと呻り倒れる獅子丸。もはやこれまでと自爆する小弥太。獅子丸にとどめを刺そうとするヤゴ。「次は貴様だ。今度こそ息の根を止めてやるわ」ヤゴの前に立ち塞がる錠之助。「手助けをするつもりはないが、あんまり汚い真似をされると、俺も黙って見ているわけにはいかん」タイガージョーに変身する錠之助。地虫忍者に三太夫が逃げたと報告を受けるヤゴ。「この勝負預けだ」姿を消すヤゴ。

怒っているのかと獅子丸に聞く錠之助。「怒っているだろうな。俺が止めなかったら、小弥太は助かっていたかもしれないんだから。しかし俺がなぜ止めたかわかるか」「……」「あの時、小弥太がお前に助けられたとしたら、果たして喜んだだろうか」「……」「人に命を助けてもらうと言うことは、ひどく恥ずかしい思いがするんじゃないかな。一生その思いを背負っていかねばならん。そしたらその男はそれっきりだ。違うか、獅子丸」「……」「だから負けたとは言え、最後まで自力で戦った小弥太に悔いはないはずだ」

違うと叫ぶ獅子丸。「そうじゃない。生きることが大事なんだ。恥ずかしくても苦しくても生きて行くことが大事なんだ」「獅子丸」目が見えないまま白馬に乗って去っていく獅子丸。

人の気配を感じる獅子丸。「誰だ」「……」「お待ちください。その足取りは忍びを心得たもの。もしや三太夫殿では」「……」「やっぱり。マントルの館から逃げ出したと聞き、あなたを探しておりました」「探していた?」「はい。小弥太さんが」「小弥太がどうかしたのか」「小弥太さんは死にました」「なに」

そうですかと呟く三太夫。「小弥太は自爆しましたか」「……」「この薬を使いなされ。いずれは見えるようになるだろう」「かたじけない」そこに現れるヤゴ。「老いぼれ。観念して戻るんだ」「三太夫殿。ここは私に任せて逃げてください」「いや、獅子丸殿。わしはもう何も思い残すことはない」ヤゴと戦って傷を負う三太夫。目が見えないまま忍法ロケット変身でライオン丸に変身する獅子丸。「ライオン丸見参」ヤゴの居場所がわからず苦悩するライオン丸。ヤゴに抱きつく三太夫。「ライオン丸殿。ここだ」ヤゴを斃すライオン丸。忍者の掟を守ったと獅子丸に告げ、三太夫は事切れるのであった。