尻に憑かれた男 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

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骨董屋のロウレンソは客に下水の臭いがひどいだろうと聞く。「この時計をいくらで買ってくれる」「フタがないから売り物にならない」「この時計の価値を知らんな」カフェに行き、まずいハンバーガーを食いながら。金髪のウェイトレスに聞くロウレンソ。「いつからこの店に」「一週間前から」

金髪娘の尻を見つめるロウレンソ。(このケツを見るだけで一週間過ごせる)婚約者に結婚をやめようと言うロウレンソ。「どういうこと」「許してくれ。誰も愛せないんだ」「こっちこそ願い下げだわ。二度と顔も見たくない」ロウレンソに料理ができたわと言う金髪娘。「待ってて」(このケツを見るためなら一週間待てる。このケツのためならいくら払ってもかまわない)

黒髪娘にひどいだろうと言うロウレンソ。「何が?」「この店の臭いさ。下水からだ」「そう」「これは?」「親からもらった」「50レアル」蓄音機を買ってくれと言う客にひどい臭いだろうと言うロウレンソ。「今度はいいものを持ってきてくれ。こんなガラクタは」「ダメか」「人生は甘くない」

カフェに行き、金髪娘の尻を凝視するロウレンソ。バイオリンを100レアルで買うと客に言うロウレンソ。「名器だぞ」「120レアル」「クソの臭いだ」「下水のせいだ」「違うな。お前だよ」「トイレの下水だ」「誰が使ってるんだ」「俺だけだ」「やっぱりな。お前の臭いだ」

殺してやるとロウレンソにナイフを突きつける婚約者。「招待状まで作ったのに。愛してなくてもいい。結婚だけはするわ。逃がさない」「落ち着け。結局何もしてやれないんだ」金髪娘に映画雑誌をプレゼントするロウレンソ。(このケツを見ながら生きたい。でも言えない)留守番電話を聞くロウレンソ。<うちの娘が入院した。招待状まで作ったのに。お前のせいだ。今度、娘に近づいたらタダじゃ済まないぞ>

拳銃をロウレンソに突きつける客。「いくらだ」「350レアル」「あんた、黄色い顔をしてるな」あの雑誌を読んだとロウレンソに言う金髪娘。「星占いが凄くいいの。幸せになるって」「俺の顔って黄色いかな」「この店に来る人はみんなそうよ」これはひどいとロウレンソに言う排管修理屋。「臭うだろう」「床を壊してサイフォンを取り替える」「サイフォン?」「吸い上げる管だよ」「床を壊すのか」「ああ。全部ね」「いくらだ」「350レアル」「くたばれ」

眼球をロウレンソに見せる客。「50レアル」「もっと価値がある。全てを見た眼だ」「100レアル」「400レアルだ」「わかった」(嘘だ。全てを見たなんて。あのケツはまだ見ていない)黒髪女に眼球を見せるロウレンソ。「オヤジの目玉だ」「あんたの父親?」「子供のころからの宝物だ」「死んだの?」「ああ。戦争に行ってね」「いい眼玉だね」熊手をロウレンソに見せる客。「10レアルで」「20レアルで買おう。これを見てくれ」「びっくりさせるな」「オヤジの目玉だ」

金髪娘の尻を見ながら、眼球を尻に向けるロウレンソは、金髪娘が振り向いたので、慌てて眼球を引っ込める。「ねえ。何を見せてたの」「君だ。君のケツは男の夢だ。天国だ」「お尻だけなの」「いや。君の全てが」「今日は10時に終わる。飲みに行きたいの。連れてって」「無理だ」(うっかり付き合ったりしたら、身動きが取れなくなる。金を払うほうがいい。ケツと結婚するより)

考え込むロウレンソ。(俺に臭うと言ったのは、バイオリンの客だ。さすがに傷つく。ひどい悪循環だ。あのケツを見るためにゴミ同然の飯を食いクソをする。つまり下水が臭うのはあのケツのせいだ。いや、そうじゃない。あのケツに出会う前から臭いはひどかった。あのケツが見たい。でも女はすぐに招待状を印刷したがる)

飲みに行こうとロウレンソに言う金髪娘。「わかった」(彼女の場合は違うはずだ。金を払うと言えばケツを見せてくれる。金に困っているから、恥ずかしさを我慢して俺の命令を聞く)思わず呟くとロウレンソ。「ケツを見せろ。金は払う」「いくら?」「何が」「答えて」「何を」「私のお尻が見たいのね。いくら出すつもり?」「500レアル」「そうやって夢を手に入れるの?」「いや、現実だよ」「出て行って。私をそんな女だと思ってたの。出て行かないと殴るわよ」

どうしてこんな展開にと悩むロウレンソ。(下水の臭いを消せば頭も動き出し、気分も晴れるはずだ)ロウレンソはカフェに行って金髪娘に謝罪しようとするが、金髪娘は辞めて、新しいウェイトレスに変わっていた。腹を立てたロウレンソはかつて時計を売りに来た客に暴行を加えて憂さ晴らしをしたあと、強盗に仕立て上げて警察に突き出す。

ロウレンソが下水の穴をふさぐが、クソが逆流してかえってひどい臭いになる。それを指摘した本を売りに来た客に本は買わないと言い放つロウレンソ。(下水のにおい。何と懐かしい響きだ。俺から出た臭いが俺をケツへと導いた。地獄からの贈り物だ)

前借りできないかとロウレンソに聞く黒髪女。「臭うか」「明日、必ず品物を持ってくる」「ケツを見せれば払う」「本当に?」「オヤジの目に誓う」尻を見せる黒髪女。自慰をして金を黒髪女に渡すロウレンソ。(権力は媚薬だ。臭いと目が俺に権力を与えてくれる)床を壊して下水の穴を開けるロウレンソ。(すべては象徴だ。この穴は地獄の目。そして地獄は俺の片目の父親だ)

皿を買ってくれとロウレンソに言う黒髪女。「ガラクタだ」「金がいる」「だったら何かしろ」「あんなことは二度としないよ」「帰れ」「やるよ。金がいるから」ニセモノの魔法のランプを買ってくれとロウレンソに言う客。「話にならない」(価値がると思うものはたくさん買った。でも一番欲しいものは触れることもできない)オルゴールを買ってくれと言う客。「15レアル」「これには由緒ある話がある」「紙に書け。それをつけて売る」「バカにするな」「売らないのか」「売る」

人妻にオルゴールをプレゼントすると言うロウレンソ。「逸話つきだ」「素敵ね」「金を払う」「何が見たいの」「君の裸だ」「いくらだ」「いくら出すの」ロウレンソは人妻にフェラチオを強要するが、人妻に大金を持っていかれる。

下水の穴に顔を押し付けて臭いを嗅ぐロウレンソ。裸になる黒髪女。「金がいるんだ」「20レアルやるから帰れ。これしかないんだ」「あんたは何年生まれ?」「1968年だ」「戦争は1945年に終わったと聞いた」「俺が生まれる前にオヤジは死んだ」

プラモデルを売りに来た客にロウレンソに襲われたと言う黒髪女。「本当か」「下水の臭いを嗅いでレイプしたの」どやどやと入ってくる客。「こいつがレイプを」「俺は何もしていない」客に暴行を受けるロウレンソ。

落ち込むロウレンソであったが、カフェで新しいウェイトレスから金髪娘の電話番号を聞く。「ここに来て、仕事がないからあなたに売ると言ってたわ」「本当か」義足を売りたいと言う客。「日本製だ」「買おう」「どうも」(オヤジの脚にしよう。これでオヤジの目と脚ができた。可哀そうなオヤジ。きっと独りぼっちだ。俺にはあんたがいる)脱がないよとロウレンソに言う黒髪女。「何か持ってきたか」「嘘つき」「それは見方次第だ」「その顔も仮面だ」「金をやる。もう帰ってくれ」

店にやってくる金髪娘。「この日を待っていた。君が好きだ」「お尻がでしょ」「うまく説明できない。初めはそうだったけど。一度だけ近くでケツを見せてくれ。金は払う」「お金を払うと言われるまで、あなたに触られられたかった」「お願いだ。ここで秘書として働いてもいい。お金が要るんだろ。俺は君のそばにいたい」「今の言葉は感動したわ。やってみるわ」金髪娘の尻の美しさに感動して、泣きながら顔を尻に押し付けるロウレンソ。(ついにこのケツを買うことができた)

秘書になった金髪娘に仕事を教えるロウレンソ。「ガラクタを持ってくる奴は取り次がずに追い払うんだ。ノックせずに部屋に入れないこと」ボーイフレンドに仕事が見つかったと電話する金髪娘。ノックもせずに部屋に入る黒髪女。「何を持ってきた」「絶対に気に入るよ」

ロウレンソに弾丸をぶち込み去っていく黒髪女。血まみれになってトイレに行き、下水の穴に向かうロウレンソ。何があったのと嘆き悲しむ金髪娘。ロウレンソを見つめるオヤジの目。(もう誰も来ない。誰も出て行かない)