裏窓 | ロロモ文庫

ロロモ文庫

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カメラマンのジェフはレースを取材中に事故に巻き込まれて、左足を骨折し、自宅でのアパートでの車椅子生活を余儀なくされる。退屈な毎日の彼にとって唯一の楽しみは、向かいのアパートの住人の生活をのぞき見することであった。二階のアパートに住む男が、ベッドで寝ている妻と口論をしているのを見かけるジェフ。その後、夫は花壇の手入れをする。

あまりのぞき見ばかりしていると捕まりますよ、とジェフに言う看護婦のステラ。「退屈なんだ。何かトラブルでも歓迎するよ」リザが結婚を望んでいるとステラに話すジェフ。「いいじゃないですか。あんな美人と結婚すれば」「まだその気になれないんだ」「彼女は完璧よ」「完璧すぎるのかもしれないな。彼女は金持ち。貧乏カメラマンと結婚する姿が想像できるか」「愛し合っていればつべこべ言わずに結婚すればいいのよ」

夕方になり、ジェフのアパートに現れるリザは危険な仕事をやめて、落ち着いた仕事についてと頼む。「ファッション。ポートレート。必ずあるわ」「馬鹿な話はやめよう。僕は世界中を飛び回りたいんだ」

二階でまたベッドで寝ている妻と夫が口論をしているのを見かけるジェフ。そしてジェフは君とは生きている生活が違うんだとリザに主張する。「こんな話をしても、いつまでたっても平行線ね。私は帰るわ」「今度いつ会える」「もう会えないわ。少なくとも明晩までは」

車椅子でうたたねしたジェフは、午前2時、雨の音で目をさます。二階の男がトランクを持って外出するのを見かける。2時半に男は戻ってくるが、またトランクを持って外出する。午前6時、眠りからさめたジェフは、二階の男がトランクを持って戻ってくるのを見かける。ステラにマッサージを受けながら、二階の男が不思議な行動をしたと話すジェフ。

「雨の中をトランクを持って、何度も出て行った。何かを運び出したんだ」「自分の身の回りの品かしら。奥さんから逃げ出す気なんだわ」男は窓から顔を出す。「あの男の顔を見ろ。何か警戒している顔だ」男が花壇を嗅ぎまわっている犬を見つめていることに気づくジェフは、双眼鏡で男が新聞で小さなノコギリを包むのをのぞき見する。

夜になり、ジェフのアパートに現れるリザは、ただあなたが好きなのと訴える。「僕の質問に答えてくれ」「いいわ」「なぜ男は雨の中を三度もトランクを抱えて出かけて戻って来たか」「奥さんが優しく迎えるから」「何故男は今日外出しない」「奥さんと一緒にいたいから」「それに新聞紙で包んだ小さなノコギリ。なぜ寝室にずっといない」「なぜかしら」

「私が答えてやろう。何か恐ろしいことが起こっている。どう思う」「知らないわ」「大変だろうな。人間の体をバラバラにするのは」「やめて。怖くなってきたわ」「彼の女房に何が起こったか知りたいだけだ。寝室にはブラインドがかかっていて、彼女がいるかどうかわからない」「私にはどうでもいいわ。彼の行動が全て見れたの」「そういうわけじゃない」

しかし、男が大きな箱に荷造りを始めるのを見て、最初から何があったのか話して、とジェフに頼むリザは隣りのアパートに行って、男の名前を調べる。「ラーズ・ソーワルド。住所は西9番地125」

ジェフは友人のドイル刑事に殺人事件らしきものが起こったと電話する。どこでバラバラにしたのかしらとジェフに言うステラ。「きっと風呂場だわ。あそこなら血を洗い流せるわ」「奴は寝室のブラインドをあけた。やはり女房はいない」

ソーワルドのアパートに荷物の運搬人が現われ、大きな箱を運んでいく。「運び出す前にドイルが来ないと証拠が消える」ジェフのアパートに現れるドイル。「なぜ殺人があったと言える」「あの男の怪しい行動だ。雨の夜の外出。ノコギリ。大きな箱。そして女房は消えた」「確かにミステリアスだが、殺人の可能性は薄い」「暇な手品師が近所を楽しませていると言うのか」「殺人はそんなに簡単じゃない。ただ女房を殺して箱に詰めて倉庫に放るか。とにかく署には報告せず、しばらく私が調べてみる」ジェフは花壇を嗅ぎまわる犬をソーワルドが追い払うのを見る。

翌日、ソーワルドについて調べたことをジェフに教えるドイル。「彼は装飾のセールスをしている。彼も妻も近所つきあいはない」「女房とはもう会えない」「夫婦は昨日の午前6時に部屋を出たそうだ」「誰がそう言った」「アパートの管理人と住人だ」「とにかく彼のアパートを調べろ。何か証拠が出てくる」「勝手に人の部屋を調べられん」「明朝には証拠は全部消えているぞ」「それからあの男の郵便受けに手紙が入っていた。メリッサの消印で、文面は、無事到着、具合はいいわ、アンナ、だ。アンナは奴の女房の名前だ」

夜になり、ソーワルドは身の回りの整理を始める。急いでドイルの家に電話して、ドイルの妻にドイルにここに来るようにと言付けるジェフ。奴は逃げる気だぞ、とやってきたリザに言うジェフ。「荷物をテーブルに並べている。女房がベッドの脇に置いていたバッグまで。宝石を出しているぞ」

外出するソーワルド。「もう戻らないのかしら」「大丈夫。荷物がある」女には必ず好きなバッグがあるというリザ。「それは必ずベッドの脇に置くの。旅に出たとしたら、なぜそれを忘れたか」「バッグのいらないところに旅立ったからだ」「奥さんは昨日発ったの」「目撃者によれば」「女性を見たとしても、奥さんとは限らないわ」「そうか。なるほど」

やってきたドイルにソーワルドは寝室で荷造りを始めたぞと言うジェフ。ドイルに挨拶するリザ。「彼が犯人だわ」結論は一つというジェフ。「昨日の朝の女は女房ではなかった」「女は旅に出るのにバッグを置いていかないわ。宝石も」

ソーワルドは犯人ではないと言うドイル。「メリッサで箱の中身は調べた。女房の衣類だった。君たちの話は全部推論だ。まあゆっくり一杯やろう」「事件は終わりなの」「初めから事件などなかった」「……」「私は邪魔者のようだな。帰るとしよう」

アパートを出ていくドイル。がっかりする二人であったが、隣のアパートで犬が墜落して死ぬ騒ぎが発生する。「死んでる」「首の骨が折れてるわ」「こんないたいけな犬を殺すなんて最低よ」見ろ、とリザに言うジェフ。「あの男だけが顔を出していない」「なぜソーワルドが子犬を」「あの犬は花壇をしきりと嗅ぎまわっていた」

翌日、ステラとともにソーワルドを監視するジェフとリザ。「奴は風呂場の壁を洗っているぞ」「すごく飛び散ったのね。リザ、あなたもそう思ってるんでしょう。あそこで殺って、跡を流している」花壇に注目するジェフ。「あの隅にあった花の高さは低くなっている」「何かを埋めたのね」「奥さんを」「それとも包丁を」「身体はバラバラにしたのね」「何かを埋まっている。花を植えなおしている」「早くドイル刑事に連絡しないと」「死体を確認してからドイルに連絡する。まずあの部屋に入ることだ」「荷造りを始めたわ」

ジェフは「ソーワルド。女をどうした」と書いたメモを、リザにソーワルドの部屋まで届けさせる。動揺してバッグの中を調べるソーワルド。「おそらくあの中に宝石類と混じって結婚指輪も入っているに違いない」「結婚指輪だけは決して忘れないものよ」

ステラとリザは花壇に何があるか調べると言い出す。「僕は奴に電話して、15分は呼び出してやる」電話帳で番号を調べ。ソーワルドに電話するジェフ。「メモを見たか」「……」「どうだ。ソーワルド」「君は誰だ」「教えてやる。アルバートホテルのバーにすぐ来い。お前の死んだ女房の件で取引したい」

そそくさと外出するソーワルド。ドイルの家に電話して、ベビーシッターにドイルにここに来るようにと言付けるジェフ。リザとステラは花壇を掘るが、何もないとジェフにサインする。リザは梯子を使ってソーワルドの部屋に忍び込み、バッグの中を調べるが何もないとジェフにサインする。

そこに戻ってくるソーワルド。警察に電話するジェフ。「第6分署です」「女に暴行している。西9番街、1-2-5。二階の裏だ」「急行する」リザを見つけて突き飛ばすソーワルド。冷や冷やしながら見つめるジェフとステラであったが、警官たちが駆けつけてほっとする。

リザは後ろ手にして、右手の指で、左手の薬指を指さす。「結婚指輪だ。やったぞ」しかしソーワルドはその様子をいぶかしそうに見て、顔をジェフのアパートに向ける。「電気を消せ。見られた」リザは不法入居で連行される。ステラに金を渡して、リザを保釈させるように頼むジェフ。

第6分署に向かうステラ。ジェフに電話するドイル。「今度は何だ」「大変な知らせだ」「またその話か」「よく聞け。リザが逮捕された。ソーワルドの部屋に侵入して。彼女が証拠を手に入れた。奴の女房の結婚指輪だ。生きていれば身をつけてるはずだ。彼は犬を殺した。花壇を荒らすので、花壇に何かを埋めたんだ。犬が嗅ぎつけた」「リザは」「6分署だ。保釈金を持たせた」「私が引き取りに行こう」「急いでくれ。奴は出ていく」

ソーワルドがジェフの部屋にやってくる。「何が望みだ。なぜあの女は自分から捕まった。金が目的か。金などない」「……」「答えろ。何が望みだ」「……」「指輪を返せ」「警察の手にある」怒り狂ったソーワルドはジェフに襲いかかる。二階から転落するジェフ。駆けつけるドイル。「すまん。急いできたが」

ドイルの部下に逮捕されるソーワルド。「大丈夫か」「ああ、なんとか」駆けつけたリザによくやったと褒めるジェフ。ドイルにあの女は誰か、と花壇に何を埋めたのかソーワルドに聞いてほしいと頼むステラ。部下に聞くドイル。「女は誰だ」「金で頼んだ娼婦だそうです」「花壇に何を埋めた」「犬があまり嗅ぎまわるので掘り返したと。中身は帽子の箱の中に」見るかね、とドイルに聞かれ、バラバラは結構よ、と答えるステラ。

両足をギブスしてベッドで車椅子で転寝するジェフ。その横でリザはファッション雑誌に目をやるのであった。