その夜、更にショッキングなことが起こりました。
それは、“柚子に関するコト”でした……
奏が帰宅すると、青ざめた母が居ました。
急に、抱き着かれました。
奏「ただいまー! えっ!!? お母さん!!? どうし…」
伴美「よがったわーー!! 無事で……」
母の泣き顔を見たことが無かったので、驚いていました。
落ち着いた頃、こう言われたそうなんです。
伴美「はあ~~っ。一生分、泣いたかもしれないわ!
ふぅ~~っ。あっ!!
変な電話があったの!! “娘に子どもを……”って。
低い声で、怖かったの!! 良かったぁ~! 無事で。」
奏「あぁ…うん…。(誘拐する人、居るんだ…。)」
その後、家の電話が鳴りました。
母が対応したそうなんですが、
“顔が青くなっていた”そうなんです。
プルルル…
伴美「もしもし。あっ! 須川(すがわ)さん。
娘がどうも。仲良くさせてもらって…ええっ!!?
柚子ちゃんに、そんなことを!!? な……」
奏が出た時には、切れていました。
その後FAXに、こんな紙が送られてきました。
【須川柚子
感度良し
乳母の素質あり】
母は膝から崩れ落ち、泣き崩れたそうです。
奏はすぐに、仁くんにメールを送りました。
奏〈仁くん! ゆっちが危ないんだって!! 助けて!!〉
返信は、すぐに来ました。
仁〈一緒に居るから大丈夫。隙を見て、抜け出す!!〉
奏〈無理しないで!!〉
仁〈了解!('д')>〉
その後、奏は、テレビを付けました。
すると、誘拐犯逮捕のニュースをしていました。
キャスター「確保に貢献したのは、中学生。
白咲 仁(しろさき じん)くん。
冷却スプレーで相手の目を眩まし、
足技を掛け、相手を倒し確保。
警察官に、引き渡したそうなんです! お見事です!!」
奏は、開いた口が塞がりませんでした。
仁は、柔道部に入っていましたが、辞めたそうなんです。
先輩に、こっぴどく怒られたそうで……。
柚子は、自律神経失調症になり、休むようになりました…