「B'z、サポートメンバーを一新」で見るサポートプレイヤーの苦悩 | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

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こんなニュースってすごくないですか?!!

 

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[サポートメンバーを一新]っていう売り文句はとてもB'zの両氏が書いたとは思えず、単にプロモーション部の人が書いたのだと思うのだよね。

 

ミュージシャン界隈やファンはこの話題で持ち切りのようです。

 

ただね〜、「一新」って言い方でさっぱりと切り捨てられるメンバーは溜まったもんじゃない。

って、サポートメンバーの方達なんですけどね。

 

ちなみにサポートドラマーとして17年メンバーだったシェーン・ガラース氏は以下のように表明しています。

 

彼のメッセージの中に「僕たちが一言で終わらされてしまうような存在ではなく、感謝や賞賛、尊重されるに値する、それ以上の存在であると思っています。」

これは結構グサっと心に刺さりました。

 

メンバーを一新の一言で片付けるのは、流石に17年ドラマーを努めた人に対して敬意がないと思うわ。

 

しかし、これがサポートメンバーという立場なのだと示した結果でもある。

 

僕はシェーン・ガラースとはアメリカのMIという音楽学校の同級生。

 

学生時代にはヘヴィメタルアンサンブルのクラスでよく一緒になってプレイもしていた。

 

そのヘヴィメタル・アンサンブルの講師だったドラマーが現KoRnのドラマーであり、僕の親友のレイ・ルジアーだ!

 

レイさんがうちの家族と旅行したときの写真。

 

 

話しを戻して、シェーンさんはレイさんを慕っていてロックドラマーの基礎はレイさんから習得したと思う。

 

というのも留学時のシェーンは僕からするとフュージョンな人って感じで、ロックなイメージはほとんどなかった。

 

なので卒後に彼がイングヴェイ・マルムスティーンのバンドに入ったと聞いたときは正直、嘘やろ〜!!!!!

と思ったよ。

 

その後、マイケル・シェンカー・グループとか、速弾き系ギタリストのセッションとか。

 

ハードロック系でメキメキと有名になったと思った矢先にB'zのサポートに。

 

僕が留学していた当時は日本人というのはアメリカ人から結構差別されていて、低く見られていた(全員ではないよ)もんだ。

 

その当時に日本人のロック・バンドにサポートで加入するっていうのは、ちょっとお金に釣られた〜ロック魂捨てたな.....と正直思った。

 

 

それから17年

サポートドラマーとして日本で超有名ドラマーに。

 

 

日本の有名アーティストのバックバンドの仕事というのは、アメリカ人セッションミュージシャンには美味しい仕事のようで、昨年秋にロサンゼルスでお会いした稲葉さんのソロのサポートベーシストであるCorey McCormicck氏(写真 右)、長渕剛氏のサポートギタリスト ピーター・ソーン氏(写真左)も日本の仕事美味しいっていう感じで話ししていた。

 

真ん中はMr BIGのサポートドラマーのマットスター氏

 

 

話しを戻して17年サポートメンバーやったら、気持ちは正規メンバーみたいなものですよ。

 

恐らく年収もロサンゼルスのセッションドラマーからすると桁違いに増えたと思う。

 

彼がメインでやっているフュージョンバンドはマニアックで恐らくそれだけでは生計を立てるのは困難だろうと思う。

 

もしも、僕が17年やっていたら、その生活水準がスタンダードになるだろうし、突然大きなサポートの仕事がなくなったら、家の借金どうしよう...。

子供がいたら学費どうしよう...と震えるね。

 

サポートメンバーとはいえ17年というのは.....

 

流石に一新の一言で片付けられるのはキツイわ

 

B'zにとって一新の本意はなんなんだろう。

 

僕なら17年どころか、5年同じメンバーで演奏する自信がない(笑)

 

僕的には選び方がジェフ・ベックに似ているような気もするんだよね。

 

女性ベーシストを核にするというのも近年のベックっぽい。

 

そして、ベーシストを交代すると思ったときに最近の固定ベーシストだったバリースパークスとシェーンガラースはイングヴェイ・マルムスティーンとマイケル・シェンカー・グループ、フュージョンバンドとか結構ニコイチのイメージ。

 

だからバリースパークスを入れ替えるとシェーンと摩擦があると考えたかもしれない。

 

そして色々と考えているうちに全員入れ替えじゃ!!!となった可能性もある。

 

僕なら一人入れ替えるときに起きるメンバー間の不和を想像したら全員入れ替えると思う。

 

次に固定していくと昇給の問題があったはず。多分.....

 

普通にサラリーマンとして考えてみてほしい。

17年いれば、毎回昇給を期待する。

 

30代中盤でスカウトされたときはこれで良いと思ったギャラも50歳を超え(多分僕よりちょっと上で51歳くらいだったはず)だと、当時からの知名度を考えても昇給を期待するだろう。

 

そうなると、雇う側は面倒くさいと思ったかもしれない。

 

いま、アメリカのシニア世代のプレイヤーは大きな仕事がないと結構生活大変らしい。

 

そんな中でB'zクラスの仕事なら、飛びつく人も多い。

 

ドラマーのブライアン・テッシーは僕より一つ上くらいではないかな。

 

最近は特段大きなバンドもなかったはず。

 

となるとシェーンガラースよりも少し安いギャラで...となったかもしれん。

他のメンバーはかなり若手だし。

 

ドラムだけをいうとブライアン・テッシーは超強力。

しかも歌も上手いしギターも上手い。

アコースティックセクションで力を発揮するかもしれん。

 

メンバー一新がB'zにとって、それほど大きな問題になるとは見受けられない。

 

 

だってB'zって巨匠ビリー・シーンが参加したツアーもあったけど、いまさらそれを語る人はいない。

 

僕が喉から手が出るくらいにほしい大きなサポートの仕事。

 

だけど、今回の件を見てやっぱバンドメンバーとして成功していることが大切で、サポートというのは水物だなと思った。

 

シェーンガラースの実力があれば、またすぐに大物からオファーがあるだろう。

長渕剛とか矢沢永吉とかさ、ありそうじゃん。

日本のツアー文化になれた外タレだったら絶対需要はある。

 

しかしま〜、サポートメンバー一新というのがウリ文句というのもなんだかな〜と思った次第です。

 

今日はこの辺で。