√三国志-横山『三国志』比較Project-

√三国志-横山『三国志』比較Project-

「別冊コミックトム」「潮文庫」の横山『三国志』を読み比べます。

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【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』2巻(別冊コミックトム1980年7月 初版)
 該当頁P.117~164
・横山光輝『三国志』2巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.37~84



上:『コ版』、下:『文版」18頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」19頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」19頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」20頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」20頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」20頁6コマ目



上:『コ版』、下:『文版」21頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」21頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」22頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」22頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版」22頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版」23頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版」24頁1コマ目




上:『コ版』、下:『文版」24頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」25頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」257頁コマ目



上:『コ版』、下:『文版」28頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」29頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」29頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版」29頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版」30頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版」30頁3コマ目

【変更点】
1.膝蔽(へいしつ)の長さ
張鈞、劉弘(霊帝)、十常侍の膝蔽全箇所が短く描写。


膝蔽(腹部から足首まで垂らされている布)が、当初は胸元から足首まで描写されていましたが、正しく修正されています。

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』2巻(別冊コミックトム1980年7月 初版)
 該当頁P.85~116
・横山光輝『三国志』2巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.5~36



上:『コ版』、下:『文版」7頁5コマ目

【変更点】
1.朱儁の台詞
「しょせんは百姓あがりのお前達に」→「しょせんはにわか武士のお前たちに」




上:『コ版』、下:『文版」34頁5コマ目

【変更点】
2.董卓の台詞
百姓あがりに官軍の将が」→「雑軍に官軍の将が」

この話では、どちらも「百姓あがり」というフレーズが別の言葉に訂正されています。特に人物の描写においての変更は見受けられませんでした。

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』2巻(別冊コミックトム1980年7月 初版)
 該当頁P.5~44
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.325~364


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上:『コ版』、下:『文版」6頁2コマ目

【変更点】
1.ナレーション
「黄巾最強部隊」→「黄巾最強部隊」

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上:『コ版』、下:『文版」6頁3コマ目

【変更点】
2.ナレーション
「さすが黄巾の正規軍は強く」→「さすが黄巾の正規軍は強く」

これまで「黄巾賊」と表記されていたが1、2ともに、表記に揺らいでいるため、訂正されています。

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上:『コ版』、下:『文版」14頁1コマ目

【変更点】
3.盧植の台詞
「官軍の犠牲は目もあてられないものとなろう」→「官軍の犠牲は目をおおうものとなろう」

若干ニュアンスが変更されていますが、訂正された理由は不明です。


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上:『コ版』、下:『文版」38頁2コマ目

【変更点】
4.曹操の台詞
「全員隊伍を整えろ」→「全員を整えろ」

戦後、時代の変化にともない「隊伍」という単語が使用されなくなったため訂正されています。


【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』1巻(別冊コミックトム1980年6月 初版)
 該当頁P.285~324
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.285~324


 
上:『コ版』、下:『文版』2頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』3頁2コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』3頁3コマ目


 
上:『コ版』、『文版』3頁4コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』3頁5コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』5頁3コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』5頁4コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』5頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁2コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』6頁3コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』6頁4コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』6頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁6コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』6頁7コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』7頁1コマ目


 
上:『コ版』、下:『文版』7頁8コマ目

【変更点】
1.劉焉の冠
冕冠→遠遊冠

前回の第6回「初陣」と同様に皇帝の冠を太守である劉焉が戴いているため、全部の箇所が修正されています。



 
上:『コ版』、下:『文版』45頁2コマ目

 
 
上:『コ版』、下:『文版』48頁1コマ目

【変更点】
2.劉備の台詞
 「相手は黄巾の正規軍」→「相手は黄巾の正規軍」

3.ナレーション
「十五万の黄巾」→「十五万の黄巾

2、3ともに、それまでの文脈が全て「黄巾賊」と表記されており、この2箇所のみが「黄巾党」と表記が揺らいでいるため、訂正されています。

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』1巻(別冊コミックトム1980年6月 初版)
 該当頁P.235~284
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.235~284

乞食部隊
乞食部隊
上:『コ版』、下:『文版』1頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』1頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版』5頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』5頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版』6頁6コマ目



上:『コ版』、下:『文版』7頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』7頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版』7頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版』7頁6コマ目



上:『コ版』、下:『文版』8頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』8頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版』8頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』10頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版』10頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁5コマ目



上:『コ版』、下:『文版』12頁1コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁3コマ目



上:『コ版』、下:『文版』11頁4コマ目

【変更点】
1.劉焉の冠
冕冠→遠遊冠

冕冠は皇帝が戴く冠で、珠玉をひもで連ねた冕旒(通称:じゃらじゃら)が前後に12本ずつ垂れています。身分によって珠玉の色や旒の本数が異なります。この回の劉焉の役職は皇帝ではなく太守のため、冕冠を戴くのは誤りですので、横山氏が全て修正したのではないかと思われます。



上:『コ版』、下:『文版』19頁2コマ目



上:『コ版』、下:『文版』21頁4コマ目



上:『コ版』、下:『文版』22頁2コマ目

【変更点】
2.程遠志の台詞
たかが百姓の寄せ集め部隊だ」→「百姓の寄せ集め部隊だ」
百姓あがりの分際で」→「にわか武士の分際で」
「くたばり損ないの百姓め」→「くたばり損ないめ」

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』1巻(別冊コミックトム1980年6月 初版)
 該当頁P.205~234
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.205~234

第4話
第4話
上:『コ版』、下:『文版』6頁6コマ目

【変更】
1.劉備母の台詞
 「ここすっかり」→「この頃はすっかり」



:『コ版』、下:『文版』13頁5コマ目

【変更点】
2.劉備母の台詞
「帝王の血筋の者が」→「前の帝王の血筋の者が」

訂正理由は不明ですが、おそらく「帝王」の説明として補足されています。


第4話
第4話
上:『コ版』、下:『文版』29頁3コマ目

【変更点】
3.張飛の台詞
「ただの土民」→「ただの農民

第4話第4話
上:『コ版』、下:『文版』42頁7コマ目

【変更点】
4.張飛台詞
「ただの土民」→「ただの農民

「土民」とはその土地に住んでいる住民の事を意味しますが、それが転じて教養の無い人や、非礼・無礼なことを指す侮蔑的な意味合いが内包されました。そのため差別用語となったため、土民から農民へ変更に至ったのではないか、と考えます。

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』1巻(別冊コミックトム1980年6月 初版)
 該当頁P.109~164
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.109~164

第3話コ

第3話文
上:『コ版』、下:『文版』17頁3コマ目

【変更点】
1.台詞
 「名は張飛翼徳」→「名は張飛 字を翼徳」
2.背景
 横線→黒ベタ

【参考・引用元】
・横山光輝『三国志』1巻(別冊コミックトム1980年6月 初版)
 該当頁P.85~108
・横山光輝『三国志』1巻(潮漫画文庫1997年11月 初版)
 該当頁P.85~108

昔から今もなお三国志を題材にした様々な作品が止めどなく次々と登場しています。漫画や小説を筆頭に、テレビゲームや携帯ゲーム、アプリ、映画、舞台等など…様々なジャンルで三国志が取り上げられており、キャラクターの消費も盛んに行われています。我が国の三国志人気の歴史は長く、江戸時代の元禄2年(1689)に出版された義轍と月堂兄弟(湖南文山と表記するほうが通りが良いのですが)が翻訳した『通俗三国志』がその火付け役となりました。その後、三国志を取り込んだ娯楽作品が登場し、今もなお多くの日本人をその虜にしてきました。現在の三国志人気は昭和に登場した作品がその根本にあります。例えば吉川英治『三国志』や柴田錬三郎『三国志』、立間祥介訳『三国志演義』、人形劇「三国志」、横山光輝『三国志』等、挙げるとキリがないほど数多の作品が登場し、人々に受容され、そして愛されてきました。その中でも小説や漫画の人気は高く、揺らぐことのない支持を得た作品がいくつもあります。そのような作品達は長い歳月を掛けながら、柔軟に時代に応じた変化をしていきました。前置きがながくなりましたが、以下がこのブログの趣旨です。

吉川『三国志』や横山『三国志』は台詞や文章などの描写が書き換えられている、と三国志を取り上げた雑誌や、ネット上で言われています。このことは三国志ファンの間では広く認識がされているのではないでしょうか。しかし、どこがどのように変わったのか…その差 異についてはほとんど知られていません。そこで本ブログでは、横山『三国志』を取り上げ、その中で修正された場面をピックアップし、どのように変化したのかを順に紹介していきます。なお目次はコミックトム版を準拠に、掲載されているタイトルを順に記述していきます。

ルール(随時追加変更を予定)
 ・比較には『三国志(別冊コミックトム,全42巻)』『三国志(潮漫画文庫,全30巻)』を使用します。
 ・便宜上、前者を『コ版』、後者を『文版』とし掲載されているタイトル順に第1話、第2話…とします。(例)第1話「黄巾賊の乱」、第2話「芙蓉姫」
 ・次のような変換の差異はカウントしません。

解説
(第3話「張飛」3頁3コマ目『コ版』1980年6月)

解説
(第3話「張飛」3頁3コマ目『文版』1997年11月)

このブログについて

【1巻】桃園の誓い

 第1話「黄巾賊の乱」
 第2話「芙蓉姫」
 第3話「張飛」(修正:2ヶ所)
 第4話「王者の剣」(修正:4ヶ所)
 第5話「乞食部隊」
 第6話「初陣」(修正:27ヶ所)
 第7話「青州城救援」(修正:18ヶ所)
 第8話「火攻めの計」(修正:4ヶ所)

【2巻】漢室の風雲

 第9話「渡り鳥」(2ヶ所)
 第10話「鉄門峡の死闘」
 第11話「十常侍」(22ヶ所)
 第12話「勅使」
 第13話「放浪の旅」
 第14話「乱兆」
 第15話「何進将軍の死」
 第16話「西涼の董卓」

【3巻】
 第17話「荊州の父子」
 第18話「赤兎馬」
 第19話「暴虐将軍」
 第20話「青年曹操」
 第21話「奸雄立つ」