楽天グループの社債が話題になっています。
今回の利率は、なんと 年4.37%(税引前)。
去年発行された個人向けの楽天社債は年2.336%だったので、かなり上がっています。銀行預金ではなかなか見かけない利率ですよね。
楽天グループ第26回社債の条件
今回募集されているのは、楽天グループ株式会社の第26回無担保社債です。
主な条件は次のとおりです。
●利率:年4.370%(税引前)
●期間:5年6か月
●購入単位:100万円以上、100万円単位
●発行日:2026年10月29日
●償還日:2032年4月28日
●利払い:年2回
●格付け:JCRのA−
※2026年10月19日時点の情報です。購入前には各証券会社の最新の募集状況を確認してください。
100万円買ったら、利息はいくら?
100万円を購入して満期まで保有した場合、単純計算では次のようになります。
●年間の利息:約43,700円(税引前)
●年間の利息:約34,800円(税引後)
●5年6か月の利息合計:約240,350円(税引前)
●5年6か月の利息合計:約191,500円(税引後)
つまり、100万円を満期まで保有できれば、税引後で約19万円の利息を受け取れる計算です。元本が満額返済されれば、元本と利息を合わせて約119万円になります。
これは確かに魅力的。
ただし、これはあくまでも満期まで元本が返済されることを前提とした計算です。実際の受取額は税額や利払いの端数処理などによって多少変わる場合があります。
なぜ、こんなに利率が高いの?
そもそも社債とは、企業がお金を借りるために発行する債券です。投資家は企業にお金を貸し、その対価として利息を受け取ります。
一般的に、信用力が高い企業ほど低い利率で資金を調達できます。一方、信用リスクが高いと判断される企業は、投資家に高い利率を提示する必要があります。
楽天グループの場合、楽天モバイルへの投資負担や、グループ全体の財務状況が気になるところです。もちろん、今後の業績改善によって財務状況がよくなる可能性もあります。
ただし、経営状況が悪化すれば、利息の支払いや元本の返済に影響が出る可能性もあります。
今回の利率の高さは、単純にお得な条件というだけではなく、こうした信用リスクも考慮して判断する必要がありそうです。
格付けを見ると、評価が分かれている
今回の社債について、楽天証券の案内では、国内の格付け機関JCRによる格付けはA−となっています。
一方、海外の格付け機関S&Pは楽天グループをBBと評価しており、格付け機関によって評価に差があります。
一般に、格付けは発行体の債務返済能力などを評価するための目安です。
ただし、格付けが高ければ絶対に安全というわけでも、低ければ必ず返済されないというわけでもありません。
複数の評価があることも踏まえて、利率だけでなく、発行企業の財務状況や信用力を確認することが大切だと思います。
途中で売ることはできる?
社債は、原則として満期前に売却することもできます。ただし、株式と同じように、いつでも希望する価格で売れるとは限りません。市場金利が上昇したり、発行企業の信用状況が悪化したりすると、売却価格が購入価格を下回る可能性があります。
また、社債は株式ほど取引が活発でない場合もあり、希望するタイミングで売却できないことも考えられます。
今回の期間は5年6か月。その間にまとまったお金が必要になる可能性もありますよね。
だからこそ、近いうちに使う予定のあるお金ではなく、長期間使わずに置いておける資金で検討することが重要です。
なお、社債は銀行預金とは違い、預金保険制度の対象ではありません。発行企業が債務を返済できなくなれば、元本や利息の一部、または全部が支払われない可能性もあります。
楽天モバイルの無料SIM特典もある!
今回の社債には、もうひとつ特徴があります。
募集期間中に購入した個人投資家には、楽天モバイルのデータ通信SIMが1年間無料で利用できる特典が予定されています。データ容量は月30GBで、特典の案内は2027年2月頃に郵送される予定です。
ただし、利用には本人確認や対応端末などの条件があります。また、無料期間終了後に同じSIMの無料利用を延長できるわけではありません。
楽天モバイルを使っている人や、サブ回線が欲しい人にとっては、うれしい特典かもしれませんね。反対に、使う予定がない人にとっては、特典の価値をそのまま利回りに上乗せして考える必要はないと思います。
株式投資と比べると、どうなの?
株式なら、値上がり益を狙うこともできますし、配当金を受け取ることもできます。もちろん、株価が下落するリスクもあります。
一方、社債は決められた利息を受け取ることが基本となるため、株式とは性質が異なります。
株価の大きな値上がりを期待するというより、満期まで保有して利息を受け取ることを目的とする商品です。
ただし、社債だから株式より安全とは言い切れません。株式には株価下落のリスクがあり、社債には発行企業の信用リスクや途中売却時の価格変動リスクがあります。
どちらがよいかは、何を目的に投資するのかによって変わってきます。
利率だけで飛びつくのは危険
年4.37%という数字を見ると、魅力的に感じます。100万円で約19万円の利息が受け取れるなら、気になる人も多いのではないでしょうか。
でも、5年6か月という期間は決して短くありません。
その間に企業の経営状況が変化するかもしれませんし、自分自身の資金事情が変わる可能性もあります。
私自身は、利率の高さだけで購入を決めるのではなく、信用力や財務状況、資金を長期間拘束することも含めて考えたいと思います。
高い利回りには、それに見合うリスクがある。
今回の楽天社債は、投資商品を選ぶときには利率だけでなく、その裏側にあるリスクまで確認することが大切だと改めて感じる商品でした![]()