株式投資には、株価が上がると大きな利益を狙える「ブル型」と呼ばれる投資商品があります。
日経平均が上がると思うなら、普通の投資信託よりも大きな利益を狙える。そんな魅力がある商品です。
例えば、SBI日本株4.3ブルは、国内株式市場の日々の値動きの約4.3倍を目指す投資信託。
相場が上がれば大きく儲かる可能性がある一方で、実はちょっと怖い仕組みもあります。
それは、日経平均が最終的に上がっていても、ブル型投信は損することがあるということ。
数字で見てみましょう。
日経平均が100円だったと仮定します。
まず、日経平均が2%上昇。
100円 → 102円
その後、1.96%下落します。
102円 → 約100円
日経平均は、ほぼ元の水準に戻りました。
では、日々の値動きの4.3倍を目指すブル型投信はどうなるでしょうか。
こちらもスタートを100とすると……
① スタート
日経平均:100
4.3倍ブル:100
② 日経平均が2%上昇
日経平均:102
4.3倍ブル:108.6(8.6%上昇)
③ その後、日経平均が1.96%下落
日経平均:約100
4.3倍ブル:約99.5(約0.5%下落)
日経平均はほぼ元に戻ったのに、ブル型投信は約0.5%のマイナスになりました。
※仕組みを説明するための理論値による概算です。実際の商品では、追随誤差やコストなどによって成績が異なることがあります。
なぜ、こんなことが起こるのか?
ポイントは、上昇と下落では、元の価格に戻るために必要な変動率が違うことです。
100円から2%下がると98円になります。
98円から100円に戻すには、約2.04%の上昇が必要です。
つまり、2%下落したあとに2%上昇しても、元の価格には戻りません。
レバレッジ型の商品では、日々の値動きが大きくなるため、この影響も大きくなります。
上昇したときに増えた資産が、その後の下落で大きく減ってしまう。こうした値動きを繰り返すことで、日経平均の期間全体の成績と、ブル型投信の成績が大きく離れることがあるのです。
もちろん、日経平均が一方向に上昇する相場では、ブル型投信が大きな利益を生むこともあります。
問題は、相場が一直線に上がるとは限らないこと。
上がって、下がって、また上がる。
そんな値動きを繰り返しながら、最終的に株価が上昇することもあります。
ブル型投信は、単純に「日経平均が何%上がったから、その4.3倍儲かった」という結果にはなりません。
日々の値動きに連動する仕組みなので、最終的な株価だけでなく、そこに至るまでの値動きも成績を左右するのです。
大きく儲かる可能性がある商品には、落とし穴もある
レバレッジ型の商品は、仕組みを理解したうえで短期的な値動きを狙うなら、選択肢のひとつです。
ただし、値動きが大きいことは、利益だけでなく損失も大きくなるということ。
「日経平均はまだ上がると思うから」という理由だけで買うと、予想どおりに相場が上昇していても、思ったほど利益が出なかったり、値動き次第では損失になったりすることがあります。
大切なのは、上がるか下がるかだけではなく、どのような値動きをしながら上がるのかという視点。
投資商品は、名前や倍率のインパクトだけで判断せず、その仕組みまで理解しておきたいものです![]()