獅子丸のこの三ヶ月 | 302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

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レオパ、フトアゴ、アオジタ、ノギハラバシリスク、コーンスネーク、ニホンヒキガエルたちとの楽しい生活

 昨夜、セイブシシバナヘビの獅子丸が脱皮していました。
 

 脱皮のクライマックス、尻尾の先がプチンと抜ける瞬間を撮ることができました。
「えいっ!」って感じで引き抜いていましたね。
 
 実は今回の脱皮、けっこう心配していました。脱皮の兆候に気づいてから、すごく時間がかかっていたんです。なんと約3ヶ月。いつもなら最初の兆候が見えてからだいたい3週間くらいで皮を脱ぐまでいっていたので、あまりに時間がかかっていました。
 
 目の光沢が無くなってきたなと感じたのが1月半ば頃でした。
 ヘビは脱皮が近づいてくると体全体のツヤがじょじょに無くなり始めるのですが、それを最初に窺がわせるのが目だと思います。ヘビの目って表面が一枚の鱗になっていて、ちょうどコンタクトレンズみたいに透明で、普段は光沢があるのですが、その光沢が、コンタクトレンズが乾燥するみたいに無くなってくるんです。
 ふつうはその後、数日かけて体全体がだんだん白く濁った感じになってきて、やがて白濁のピークになると目なんかは濁って濁って、白というか緑がかった感じになります(目が黒いヘビの場合)。
 
 今回の獅子丸、1月半ば頃に目の光沢が無くなってきたのですが、その次の「体が濁ってくる状態」に一向に進まなかったんです。コンタクトレンズのような目の鱗は乾いてパリパリな感じになっているのに、それ以上の変化が現れず、「脱皮の兆候の見え始め」の状態のまま3ヶ月近く過ごしていました。
 
 でも1週間くらい前、いきなり全身が白く濁ったんです。そして白濁のピークの、目が濁って濁って緑がかった感じになりました。
 

 そうしてついに昨夜、無事に脱皮をしたのでした。
 

 いつも通りの完璧な一本脱ぎ。完全なる獅子丸の抜け殻です。獅子丸はこれまでに一度も脱皮に手こずったことはありません。
 

 さて今回の脱皮、最初の兆候が見えてからその後、なぜまったく進まなかったのかですが……
 
 おそらくですが、一年でいちばん寒い時期だったので、体の代謝がすごく下がっていたんじゃないかなと思います。
 うちにはレオパ、フトアゴ、アオジタ、ノギハラバシリスク、コーンスネーク、セイブシシバナヘビと6種類7匹の生き物がいますが、その中でもフトアゴのユールは、一年を通して温度管理をしていても冬になるとイマイチ活動的ではなくなります。やはり春から秋の自然な暖かさと、冬の加温された暖かさは別物で、そこに敏感なのでしょう。
 逆にレオパのよし子と梅、アオジタのスノーク、コーンスネークの大吉、ノギハラバシリスクの野木原くんは一年中まったくまったくまーーったく変わりません。
 で、おそらく獅子丸も、ユールと同じように冬になるとイマイチ活動的じゃなくなるタイプなんじゃないかなと思います。だから代謝が下がって脱皮準備が途中で止まっていて、数日前から完全に春になったので元気が出てきて、再開して一気に終了したのだと思います。
 
 獅子丸のこのキラキラな目、すごく久しぶりです。とてもうれしい。
 
 ちなみに、この心配だった3ヶ月間、エサはあげていました。間隔は空けてましたけどね。
 活動的ではなくなっているとはいえ冬眠してるわけではないので、起きているなら食べなきゃならないだろうと思いました。食べたらちゃんとフンもしていましたしね。
 
 爬虫類は変温動物。気温=体温なので、気温が変化すればそのまま体温が変化します。この変化にわりと大らかなタイプとかなり敏感なタイプがいて、後者はどうしたって冬の間は活動が鈍るのだと思います。
 まあ、例えば家が水族館のように大きくて、一年中建物ごと温度と湿度を一定に管理できるのなら、春も夏も秋も冬も無いのでしょうけどね。
 

 やっぱり爬虫類飼育って難しいと思った出来事でした。