302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

レオパ、フトアゴ、アオジタ、ノギハラバシリスク、コーンスネーク、ニホンヒキガエルたちとの楽しい生活

 うう……健康診断に行ってきました……
 この口調は、落ち込んでるとかではなく、疲れたからです……。
 何がしんどいって、そりゃあバリウムですよ……。
 バリウムを飲むときのあの「体が受け付けない感」……。ぼくが頑張って飲もうとすると、体が拒否するんですよ……「やめろ! それは飲み物じゃないぞ! 液体のふり、飲み物のふりをしているが、そいつは金属だ! 飲むな!」と……。でも放射線技師の人がすぐ横で睨みを利かせてるから……無言で「飲めよてめえ……! ゲップすんじゃねえぞ……!」と圧力をかけてくるから……。
 そんで、どうにかすべて飲むと、おそろしい機械に乗せられ、ブンブン振り回されて……。
 それが終わると、係の人が下剤を投げつけ、「今すぐ二錠飲め! そして家に帰ってトイレに籠れ! 出ればそれでOK、もし夕方になっても出なければ、さらに二錠飲め、この野郎!」と凄むんですよ……。
 毎年、健康診断の後はぐったりですよ……。
 
 

 先日、アオジタのスノークが左足をレンガにのせていましたが、今日はフトアゴのユールがのせていました。
 

 なんで? なんで左足だけをレンガにのせるの?
 
 スノークといいユールといい、トカゲの間で今、そのポーズがブームなの?
 

 爬虫類飼育を始めて12年、経験とそれなりに知識も得たと思っていましたが、「トカゲとレンガと左足」、この三つの関係はさっぱりわかりません。
 

 ほんと、不思議ですねえ。
 
 
 長いこと一緒に生活していれば、生き物が考えてることってのも大体わかるものだと思いますが、
 

 スノークが、
 

 なぜ左足を、
 

 なぜ左足だけをレンガにのせているのか、ぼくにはわかりません。
 

 楽だから? いや、楽には見えません。
 そこにレンガがあったから? いや、「左足だけ」というのがわかりません。
 

 とくに意味はなく、自然にそうなったから? いや、すごく不自然に見えます。
 長い足を持て余してしまうから? いや、長くないです。絶対に短いです。
 
 わからない。なぜなのか、ほんとわからない。 
 

 スノーク……なぜなんだ?
 
 
 この流木は普段、シェルターに立て掛けてあるのですが、ご覧の通り手前に倒れています。ユールが倒したんです。
 

 脱皮が始まったユールは、皮を剥がそうと、あっちこっちに頭やら体やらをガリガリ擦りつけます。あの流木ははそれで倒されてしまったのです。ゴトッ!と大きな音がして、びっくりしちゃいましたよ。
 

 自分の体よりずっと重いであろう流木を派手にブッ倒すのですから、やはりフトアゴは力持ちですね。
 そういえば「川崎で、飼育しているニシキヘビ(なんとかパイソン)が二匹脱走した」というニュースを見ました。ヘビはとにかく全身が筋肉で、びっくりするくらい力持ちですからね。ちょっと油断すると脱走されると思います。うちも気をつけなければ。
 

 それにしても派手な脱皮だな、ユール。
 この状態になると、もうぼくの手で簡単にパリパリ剥がせます。その感触がまた気持ちいいこと気持ちいいこと。だからパリパリ剥がしたいところですが、たぶん皮を剥がすために動き回ることも、フトアゴにとっては大事な運動だと思うので、ぼくは我慢です。
 ま、ちょっとだけパリパリさせてもらいましたけどね!
 
 
 私事ですが、世間の誰に対しても全くこれっぽっちも関係ないことですが、「そんなこと、当たり前の人からしたら、当たり前のことなんだよ。くずやろう!」と思われるかもしれないことですが、先々月(正確には6月3日)から、ぼくなりに頑張っていたことがあります。
 このたび、それを完遂したのです(あ、数日前のブログで「うまくいくかも」と言っていたこととは別です)。
 実はこのたび……
 
 ぼくは……
 
 
 タバコをやめました!!!!!!
 
 
 うおおおおおおおお!!!!!!
 完っっっっっ全にやめました。もうこれっぽっちも「吸いたい」と思いません。コンビニとかで、前のお客が「83番ふたつ」とか言ってタバコを買っているのを、「ふふ……ぼくにもああいうときがあったな」と余裕の目で見ることだってできます。
 
 いやあ、やめようと本気で思えば、やめられるものですねえ。
 けっこう簡単でしたよ。朝起きたときとか、ご飯を食べた後とか、つまり「何かの後」に猛烈に吸いたくなるものなのですが、そんなときに「うおおおおおお!!!! ギギギギギギ!! 吸いてえよオオオオオ!!」と叫びながら太ももをガンガン殴ったりしてればいいんですから。
 そんなのを2週間も続けているうちに、ふと「あ、なんか大丈夫かも」と思うようになり始め、1ヶ月もすりゃぜんぜんへっちゃらになり、そして2ヶ月経ったいま、「まったく吸いたいと思わない。というか吸いたくない。体に悪いもん」と思えるのですから。太ももの青あざだって消えるんですから。
 
 ああ、褒めてほしい……誰かに「すごいね、えらいね」と褒めてほしい。
 
 よし子! ぼくはタバコをやめたぞ!
 

「なぬっ?」

 やめたんだ、タバコを! どうだ、えらいだろう!?


「がめらはいません。もすらもいません。なにもいません」
 くっ、そういうことじゃないのに……!
 

 梅! ぼくはタバコをやめたんだぞ!

 

「ごはんじゃないなら、あっちへいって。あたちにかまわないで」
 
 すごく頑張ったのに……!
 
 
 ヘビって生き物はほんと不思議です。一説によると、もともとはトカゲのように4本の足があったそうです。
 その4本足のヘビ、穴の中で暮らすうちに、歩くのではなく這って進むようになり、だんだんだんだん「なんか……足……いらないかも……」と思うようになり、足が徐々に小さくなっていき――みたいな、つまり足が退化していって、現在の姿になったとか。
 ヘビにとって足の退化が進化だというのだから、なんかすげえです。
 
 

 スノーク……ヘビに進化しようとしてる?
 

 なあスノークよ、もともと手足がちっこいなと思ってたけどさ、今まさに、
 

 その腕も、
 

 その足も、
 
 お腹に吸収させようとしてる? 退化させて、進化しようとしてる?