昨夜は治療室の新人王、フクフクと夜勤
ここ数年、パッとしなかった治療室にようやく蕾を持った新人が去年入り、一年近くを経てようやく夜勤メンバー入り
不倫で最果ての病棟に来週、弾き飛ばされるダラコとは180℃違う、仕事を覚えるのが楽しくて仕方ないといった元気はつらつなフクフク。
ダノンが病棟に上がってから、久しぶりに先輩ナースの誰もがフクフクを可愛がりながら大切に育てている。
そんなフクフクは最近、持病が発覚し一生その病と向き合って生きていかなきゃいけないと診断された。
病名は絢かで有名になった『バセドウ氏病』
バセドウ氏病とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて体調を崩す甲状腺機能亢進症。
主に心臓の活動が上がって頻脈になる、エネルギー消費の亢進により多食や体重減少、多飲多尿、発汗、高血糖などやめまい、抜け毛、鬱、不安感、イライラ、震え、暑さに耐えられない、などの症状がある。
薬により幾分症状は収まりつつあるフクフクだが、未だに食欲はまだ異常なレベルで常に腹を空かしながら過ごしているそうで、カツ丼のオカズに唐揚げ10個というようなあんばい。
発症してからのエンゲル係数はうなぎ登りで、一日2000円を下らない打撃を受けていると苦笑いしながらアタシに打ち明けた。
病気を抱えながらも仕事もやっと一通り覚えたし、どら、夜勤の後、たらふく美味いものでも食べさせ、来月からまた入ってくるであろう新人のいい先輩になるように話しでもするかと思っていた。
帰りが遅れることをホーチミンに一言知らせておこうと電話をかけた。
人間ドッグのため、夕食を21時までにとらなきゃならないことになっているホーチミンには帰宅してすぐ食べれるように夕食は準備済みだった。
いつもはアタシが夜勤から帰った23時過ぎに一緒に夕食を取るが、昨日に限っては一緒に食べてては人間ドッグの規定に反する。つまりアタシはホーチミンの晩飯のためにタクシーを飛ばして帰る必要もないってことだ。
で、携帯に電話して夕食を食べたか確認すると『まだ食べてない…』
時間は21時。
『はよ食べんか!何グズグズしよるか!』アタシが怒号を上げると
『急に左折しようと突っ込んできた車を避けるためにバイクで転倒した。今、警察の実況検分中だ』と言うじゃない。
ま、すぐに電話に出たことや、普通に喋っていることを考えたら頭を強打したわけじゃないらしい。
『どっか怪我しとるんか?』と訊ねると『足を打って痛い』
『歩けるんか?』と訊ねると『痛いけど歩ける』
丁度、交通量の多い交差点での事故らしいのでお互い減速はしていたことも不幸中の幸いだったのだろう。
結局、事情聴取の後、市立病院を受診することになりフクフクをご飯に連れていくのは延期することに。
帰宅すると膝がビリビリに破けたジーパンを履いて足を引きずるホーチミンが。
『相手が逃げたらただの自損事故扱いじゃよ。ある意味運がまだマシじゃったが』とアタシ
『バイクの修理、通院費、保険で処理してくれるって。突っ込んできた車の人。』
確かに左折するなら直進車がないか安全確認を十分してから左折は当然で、急に左折しようと突っ込むなんて事故のもとだが
日頃のホーチミンの運転もかなり強引で身勝手なところがあるし本当に急に突っ込んできたか、アタシには疑問も残るがとにかく車にはねられることがなかっただけでもよかったと正直思った。
相手がホーチミンが勝手に転んだかのようにそ知らぬ顔で走り去らなかったのも付け加えて有りがたかった。
『事故ってのは相手が100%悪いってのは居眠りや飲酒なんかの時で、誰だって事故なんかしたくない。お互い注意しなきゃならん所が少なからずあるんだから、丸腰状態のバイクは特に慎重に運転せんとよ!わかったや?』そう諭すが
『おじさんが突っ込んできたたっちよー』と省みる気ゼロ
そして『病院の看護師はただの自損事故って思ったのか、連れていったおじさんを帰そうとするしよ。車を避けんでそのままひかれればこんな扱いされんかったのに。避けんなよかった』と言い出す始末。
何てヘタレなのだ、この腐れゴロ
まずは大きな事故にならなかったこと、打ち身と擦り傷ですんだこと、相手が常識的な人間であったことが幸運だったと感謝し、自分も気を付けなきゃと襟を正すのが大人の流儀であろうもんを。
『二度と会わないバカ看護師にたかだか誤解されたことをブチブチ、ヘタレたことを言うんじゃない。
今度、似たような事故したら、バイク通勤はさせんからな!即刻、義母さんに事故のこと、チクって大騒ぎさせてやるからの!』
アタシの剣幕に怯むアホーチミン。
アタシは幸運に感謝の欠片もなく、自分を省みず人のせいにばかりしてヘタレたことを言う人間が全身の毛穴が立つほど大嫌いなんじゃ!このタワケ!!
そして機嫌が激悪となったアタシの同情を引くつもりかやたら『あ、痛い…、痛…』と痛みアピール
『膝が痛くて…ズボンも靴下も脱げないよ…あいた、あいた。』
アタシは鼻で笑って吐き捨てるように言った。
『半月板が割れてたアタシにあんた、ご飯のお代わりまでさせたよね。あんたのはただの擦り傷と打ち身。痛いってのは骨折や半月板割ってから言うんだね。そんな痛みは屁の突っ張りにもならん』
アタシがヘタレに同情なんかするわけなかろうが!
このバカちんが!
ここ数年、パッとしなかった治療室にようやく蕾を持った新人が去年入り、一年近くを経てようやく夜勤メンバー入り
不倫で最果ての病棟に来週、弾き飛ばされるダラコとは180℃違う、仕事を覚えるのが楽しくて仕方ないといった元気はつらつなフクフク。
ダノンが病棟に上がってから、久しぶりに先輩ナースの誰もがフクフクを可愛がりながら大切に育てている。
そんなフクフクは最近、持病が発覚し一生その病と向き合って生きていかなきゃいけないと診断された。
病名は絢かで有名になった『バセドウ氏病』
バセドウ氏病とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて体調を崩す甲状腺機能亢進症。
主に心臓の活動が上がって頻脈になる、エネルギー消費の亢進により多食や体重減少、多飲多尿、発汗、高血糖などやめまい、抜け毛、鬱、不安感、イライラ、震え、暑さに耐えられない、などの症状がある。
薬により幾分症状は収まりつつあるフクフクだが、未だに食欲はまだ異常なレベルで常に腹を空かしながら過ごしているそうで、カツ丼のオカズに唐揚げ10個というようなあんばい。
発症してからのエンゲル係数はうなぎ登りで、一日2000円を下らない打撃を受けていると苦笑いしながらアタシに打ち明けた。
病気を抱えながらも仕事もやっと一通り覚えたし、どら、夜勤の後、たらふく美味いものでも食べさせ、来月からまた入ってくるであろう新人のいい先輩になるように話しでもするかと思っていた。
帰りが遅れることをホーチミンに一言知らせておこうと電話をかけた。
人間ドッグのため、夕食を21時までにとらなきゃならないことになっているホーチミンには帰宅してすぐ食べれるように夕食は準備済みだった。
いつもはアタシが夜勤から帰った23時過ぎに一緒に夕食を取るが、昨日に限っては一緒に食べてては人間ドッグの規定に反する。つまりアタシはホーチミンの晩飯のためにタクシーを飛ばして帰る必要もないってことだ。
で、携帯に電話して夕食を食べたか確認すると『まだ食べてない…』
時間は21時。
『はよ食べんか!何グズグズしよるか!』アタシが怒号を上げると
『急に左折しようと突っ込んできた車を避けるためにバイクで転倒した。今、警察の実況検分中だ』と言うじゃない。
ま、すぐに電話に出たことや、普通に喋っていることを考えたら頭を強打したわけじゃないらしい。
『どっか怪我しとるんか?』と訊ねると『足を打って痛い』
『歩けるんか?』と訊ねると『痛いけど歩ける』
丁度、交通量の多い交差点での事故らしいのでお互い減速はしていたことも不幸中の幸いだったのだろう。
結局、事情聴取の後、市立病院を受診することになりフクフクをご飯に連れていくのは延期することに。
帰宅すると膝がビリビリに破けたジーパンを履いて足を引きずるホーチミンが。
『相手が逃げたらただの自損事故扱いじゃよ。ある意味運がまだマシじゃったが』とアタシ
『バイクの修理、通院費、保険で処理してくれるって。突っ込んできた車の人。』
確かに左折するなら直進車がないか安全確認を十分してから左折は当然で、急に左折しようと突っ込むなんて事故のもとだが
日頃のホーチミンの運転もかなり強引で身勝手なところがあるし本当に急に突っ込んできたか、アタシには疑問も残るがとにかく車にはねられることがなかっただけでもよかったと正直思った。
相手がホーチミンが勝手に転んだかのようにそ知らぬ顔で走り去らなかったのも付け加えて有りがたかった。
『事故ってのは相手が100%悪いってのは居眠りや飲酒なんかの時で、誰だって事故なんかしたくない。お互い注意しなきゃならん所が少なからずあるんだから、丸腰状態のバイクは特に慎重に運転せんとよ!わかったや?』そう諭すが
『おじさんが突っ込んできたたっちよー』と省みる気ゼロ
そして『病院の看護師はただの自損事故って思ったのか、連れていったおじさんを帰そうとするしよ。車を避けんでそのままひかれればこんな扱いされんかったのに。避けんなよかった』と言い出す始末。
何てヘタレなのだ、この腐れゴロ
まずは大きな事故にならなかったこと、打ち身と擦り傷ですんだこと、相手が常識的な人間であったことが幸運だったと感謝し、自分も気を付けなきゃと襟を正すのが大人の流儀であろうもんを。
『二度と会わないバカ看護師にたかだか誤解されたことをブチブチ、ヘタレたことを言うんじゃない。
今度、似たような事故したら、バイク通勤はさせんからな!即刻、義母さんに事故のこと、チクって大騒ぎさせてやるからの!』
アタシの剣幕に怯むアホーチミン。
アタシは幸運に感謝の欠片もなく、自分を省みず人のせいにばかりしてヘタレたことを言う人間が全身の毛穴が立つほど大嫌いなんじゃ!このタワケ!!
そして機嫌が激悪となったアタシの同情を引くつもりかやたら『あ、痛い…、痛…』と痛みアピール
『膝が痛くて…ズボンも靴下も脱げないよ…あいた、あいた。』
アタシは鼻で笑って吐き捨てるように言った。
『半月板が割れてたアタシにあんた、ご飯のお代わりまでさせたよね。あんたのはただの擦り傷と打ち身。痛いってのは骨折や半月板割ってから言うんだね。そんな痛みは屁の突っ張りにもならん』
アタシがヘタレに同情なんかするわけなかろうが!
このバカちんが!