チョーラ王朝を舞台に愛憎と陰謀が渦巻く国の存亡を懸けた戦いを描いたインドのカルキ・クリシュナムルティによる人気歴史小説『Ponniyin Selvan(ポン二河の息子)』を映画化した「PS1 黄金の河」の後編で大スケールの歴史絵巻。
10世紀、南インドを治めるチョーラ王朝スンダラ王(プラカシュ・ラージ)は長く病に伏し、パルヴェート侯(R・サラトクマール)ら臣下たちは次期国王に王子ではなくその従弟を擁立しようと画策していた。
敵襲を受け荒波に沈んだスンダラ王の次男アルンモリ(ジェヤム・ラヴィ)の訃報は広まり王国は悲しみに包まれるが、アルンモリはこれまで何度も窮地を救ってくれた謎の老婆に再び助けられていた。
弟のアルンモリの元に集まった長兄アーディタと長女クンダヴァイの王族は、密使のデーヴァン(カールティ)により王朝転覆の黒幕と計画の全貌を知る。
パルヴェート侯を操り王朝に揺さぶりをかけようと暗躍しているパルヴェート侯の妻ナンディニ(アイシュワリヤー・ラーイ)に過去の悲恋と確執から愛憎を抱えるアーディタは、彼女の誘いに乗ってその牙城に赴き、一方アルンモリには刺客が差し向けられ、王国に最大の危機が迫る。
監督・脚本は、「PS-1 黄金の河」に続き、「ボンベイ」「ディル・セ 心から」などを手がけたインド映画界の巨匠マニラトナム。
出演は、「マッスル 踊る稲妻」「神さまがくれた娘」などのヴィクラム、「ミモラ -心のままに-」や「ロボット」などのアイシュワリヤー・ラーイ、「囚人ディリ」などのカールティら豪華俳優陣が集結。
脚本は他に、「PS-1 黄金の河」のジャヤモハンとクマラベル。
音楽は、「ロージャー」以降のマニ監督作品に参加、「スラムドッグ$ミリオネア」では2009年第81回米アカデミー賞歌曲賞・作曲賞を獲得したA・R・ラフマーン。
原題「பொன்னியின் செல்வன் 2」
映倫区分PG12
2023年作品
インド映画
配給はSPACEBOX
製作会社はMadras Talkies=Lyca Productions
上映時間165分
面白いです。
インドの歴史ものです。
重厚で濃厚な歴史劇。
インド映画らしい、物語であり、展開もとてもインドらしい映画です。
これぞこの手の歴史物インド映画!って感じですが。。。かなり正攻法な歴史大作です。
でも、1作目の「PS-1 黄金の河」を観ていないとわかりません。
1作目は5月に公開されたばかりなので、記憶がまだ新しく、続編の今作も続けて楽しむ事が出来ました。
今作から観るのはやめておいた方がいいです。
1作目の時も書きましたが、「バーフバリ」シリーズのようなファンタジー色はありません。
強さとか、バトルはかなり現実的なアクションです。
なので、「バーフバリ」や「RRR」とはちょっと違った感じですかね。
派手なアクションもそんなにありません。
ですが、とにかく映像と音楽が圧倒的。
かなり壮大感があります。
凄いです。
そして、1作目からもそうですが、ドラマ部分が面白い。
でも。。。
登場人物が多いんですよね。。。
1作目ですでに登場人物の多さに関しては置いてけぼりでしたが、今作ではさらに遠くへ行ってしまいました。
相変わらず、みんな顔も容姿も似てるし、誰が誰だかわからんくなる。。。
名前も覚えられん。
そしてこれも前と同じですが、物語も結構複雑で、ちょっとわかりにくい。
物語の根底は後継争いということでシンプルなんですが、セリフとか聴き慣れない言葉や固有名詞が多いので、何を言っているかわからなくなる。
とにかく、先も言いましたが、最低でも1作目の「PS-1 黄金の河」は観ていないといけません。
そしてチョーラ王朝のことをちょっとでも知ってないとわからなくなります。
ただ、1作目でブツ切れだった物語も人物描写も、今作でちゃんと繋がってはきます。
まあ、続編なんで当たり前ですが。
ただ、やはりかなり色々と壮大なので、個人的にはがっちりとみんな繋がった!という感じがない。
誰が誰だかわからないのと、すでに1作目も忘れかけているから。。。
まあ、この映画は、2作で1本ですね。
今作だけでは良し悪しの判断が難しいです。
2作合計332分で1本の映画です。
かなり長いですが、2作1本としたら、かなり気合の入った大作で、面白かった。
■興行収入予想
現段階では上映館数41館と少ない。
6月14日(金)からの公開。
同日の公開作品は、「ブルー きみは大丈夫」、「ディア・ファミリー」、「蛇の道」、「Iké Boys イケボーイズ」、「数分間のエールを」、「オールド・フォックス 11歳の選択」など。
大ヒットして超ロングランとなった「RRR」は、日本では2022年10月21日に公開され、興行収入は10億円を超えて日本で公開されたインド映画の中で最も高い興行収入を記録して、「ムトゥ 踊るマハラジャ」が保持していた記録を塗り替えました。また、第46回日本アカデミー賞では優秀外国作品賞を受賞しています。
最終的には、日本で約23億4,5000万円という興行収入に。
さて、今作はどうか。
インド本国ではSP-1と共に大ヒットの話題作です。
「RRR」のように口コミで火がついて、ロングランヒットになるでしょうか。
シリーズものなので、その可能性はあるかもです。
ですが、1作目の「PS-1 黄金の河」は、1,000万円以下の興行収入だったと思われます。
なので、今作もそれくらいのレベルですね。
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は800万円と予想。
星3つ半(5点満点)
★★★☆
「PS-2 大いなる船出」公式サイト
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