中絶が法律によって禁じられていた時代のアメリカを舞台に、多くの女性の中絶の手助けをしたとされる実在の団体「ジェーン」の実話を基に描く社会派ドラマ。
何不自由ない暮らしを送る裕福な家の主婦ジョイは、2人目の子どもの妊娠を機に心臓の病気が悪化してしまう。
唯一の治療法である中絶を受けようとするも、中絶が法律的に許されていない時代のため、地元病院の責任者である男性全員はそれを拒否。
そんななか、偶然目にした張り紙によって、違法だが安全な中絶手術を提供するアンダーグラウンドな団体「ジェーン」にたどり着く。
出演は、「チャーリーズ・エンジェル」などのエリザベス・バンクスが主人公ジョイを演じ、「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」などのシガニー・ウィーバーが「ジェーン」のリーダーであるバージニアに扮する。
出演は他に、「ブギーマン」などのクリス・メッシーナ、「オデッセイ」などのケイト・マーラ、「獣の住む家」などのウンミ・モサクなど。
監督は、「キャロル」などのフィリス・ナジー。
脚本・製作総指揮は、ヘイリー・ショア、ロシャン・セティ。
音楽は、イザベラ・サマーズ。
原題「CALL JANE」
映倫区分PG12
2022年作品
アメリカ＝イギリス＝インド合作映画
配給はプレシディオ
製作会社はRB Entertainment Production=Redline Entertainment=Our Turn Productions=FirstGen Content=LB Entertainment
上映時間121分
なかなか面白かった。
あらすじだけみるとなんだか重苦しそうでシリアスな感じの内容ですが。。。そうではない。
テーマとしては中絶やフェミニズムということながら、あまり重く描いていない。
悲壮感を表現するのはあまりない構成で、女性たちの連帯を鮮やかに描いて上手くまとめています。
時代背景も、中絶が禁止されている時代とはいえ、1960年代のポップな音楽やファッション、レトロな車やアイテムなども魅力的。
重く描いてはいないので、とても観やすかった。
この軽くしたアレンジがいいですね。
社会はドラマながら、テーマをよりわかりやすくして、エンタメ度数を高めにしているのがいいです。
めちゃめちゃ大きな感動があるわけではないですが、ずっと集中して観れました。
軽めのタッチながら、深く考えさせられるところがある。
でも、エンタメとして観ていて面白い。
という感じでした。
中絶禁止の法律の撤廃までを描いた実話が基になっています。
アメリカで再び中絶禁止の動きが出ているタイムリーな時なので、とても興味深く観ることが出来た。
日本でも、多くの人が知っておいた方がいいテーマです。
構成的にも、ジェーンの活動にフォーカスしているのもいい。
この見せ方もなかなか上手い。
間延びしているところが全くない。
見応えもあります。
男女問わず、フェミニズムを知るいいきっかけになるのではないでしょうか。
フェミニズムを押し付けているのではなく、寄り添っている感じがいいですね。
ここ数年、年齢を重ねたシガニー・ウイーバーはいいですね。
今作でもリーダー的な役をしっかりとどっしりと演じていました。
■興行収入予想
現段階では上映館数58館と少ない。
3月22日（金）からの公開。
同日の公開作品は、「四月になれば彼女は」、「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」、「流転の地球 －太陽系脱出計画－」、「ブリックレイヤー」、「ペナルティループ」など。
北米では 2022年10月28日公開。
興行収入は、北米で約51万ドル、全世界で約73万6,000ドルと、ヒットはしていません。
日本での公開が、アメリカ公開より1年半ほど遅れたのは、そのためか。
まあ、日本でもヒットになるのは厳しいですね。
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は1,800万円と予想。
星3つ半（5点満点）
★★★☆
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