俳優・小林且弥が「凶悪」で共演した「福田村事件」などのピエール瀧を主演に迎え、初監督を務めた人間ドラマ。
井口真吾（ピエール瀧）は震災で妻を亡くし、福島の港町で一人娘の奈生（栗林藍希）と暮らしている。
酒好きでだらしない一面もあるが、生活困窮者や高齢者を相手に格安で散骨を請け負っている。
奈生は水産加工場で働き、母の死を未だに消化できないでいる。
ある日、松山（遊屋慎太郎）という若い男が亡くなった兄の散骨の手続きに来る。
真吾は複雑な事情を抱えた様子を察するが、その遺骨を預かる。
やがて、ジャーナリストの江田（足立智充）が真吾を訪ねてきて、その遺骨がかつて世間を賑わせた通り魔殺人事件の犯人のものだと告げ、震災で多くの人が眠る海に殺人犯の骨を撒くのかと問う。
真吾は、無関係な人間が口を挟むことではないと相手にしない。
しかし、その後も被害者家族と真吾のやりとりをSNSで拡散するなど、江田は執拗な取材を続ける。
拡散された動画を目にした奈生は言葉を失い、散骨に強く反対する。
真吾は遺骨の見つからない妻への思いも相まって、「骨に価値なんかない」とはぐらかすが、奈生は「ほんの一欠片だけでもお母さんの骨が欲しい」と呟き、家を出て行く。
真吾は葛藤の末、江田の誘いに乗り遺骨を返しに行くが、松山が除染現場で懸命に働いているのを見て引き返す。
船を借り、一人で沖へと出た真吾は朝焼けの海へ散骨する。
そして、真吾と奈生は散骨を巡って長年の思いをぶつけ合い。。。
出演は、「青葉家のテーブル」などの栗林藍希、「夜を走る」などの足立智充、「決戦は日曜日」などの内田慈、「死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-」などの押田岳など。
脚本は、「オボの声」などの齋藤孝。
音楽は、「身代わり忠臣蔵」などの海田庄吾。
2023年作品
日本映画
配給はマジックアワー
製作会社はSTUDIO NAYURA
上映時間119分
うーん。。。まあ、普通でした。
観る前に思ってたほど、心には響かなかった。
でも、題材が題材なもんで、考え込んでしまうところは多々ある。
伝えたい事は、かなり重いです。
それを観ている者がどう捉えるか。
震災ものには、どうしても弱い私。。。
だから、震災を題材にしたものが全て傑作だとは思わない。
でも、映画としての出来はそこそこクラスと感じても、題材の重さで深い考えに陥る事がある。
展開としては、店舗がいいものではありません。
構成的にも、特に斬新なものでもありません。
描く人間への表現も、特別なものでもありません。
そういう目で見たら、やはりこの映画を観た感想は、普通。になってしまう。
ジャーナリズムの描き方、やり方や主張ちょっと疑問を感じた。
ここがずっと引っかかっていた。
でも、でも。。。
「風化させてはいけない」という事。
うーん。。。
たしかに風化はさせてはいけないんだと思う。
でも、本当は忘れてしまいたいのに、どうしても忘れることなんて出来ない。
それを、風化という言葉で、マスコミや第三者の勝手な使命感に悲しい思いをする被災者がいることも事実なんですね。
余計なお世話だ！と考える人もいる。
そうですね。
そんな簡単なことではないんですね。
被災していない者から見えるところと、被災をされた人にしか見えないところ。
正義と正義などを考えると、簡単に片付くような事ではない。
人の思いや気持ちというのは、とても複雑。
この辺りを描くのって、本当に難しいと思う。
まず、ここに切り込んでいったこの映画は素晴らしいのだと思うけど、反面、描かなくてもいいのでは？とも思う。
など、なんか色々と考えてしまい、フワフワした思考になってしまう。
着地点が見つからない。
ピエール瀧、好きなんですよね。
電気グルーヴの時から、事件の前から、その後も。
■興行収入予想
現段階では上映館数7館と少ない。
3月1日（金）からの全国順次公開中。
うーん。。。まあ、ヒットは期待できないですね。
ミニシアターランキングでは1週くらいは上位にはいるくらいでしょうか。
初登場圏外スタートと予想しましたがそうでした。
最終興行収入は1,000万円と予想。
星3つ（5点満点）
★★★
「水平線」公式サイト
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めちゃめちゃ恐ろしいとんでもない映画です！
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