毎年9月に行われるサン・セバスチャン国際映画祭を舞台に繰り広げられるロマンティック・コメディ。
かつて大学で映画を教えていたモートは、現在は人生初の小説の執筆に取り組んでいる。
そんな彼は、映画業界のプレス・エージェントである妻スーに同行し、サン・セバスチャン映画祭に参加することに。
しかし、スーと著名な監督フィリップの浮気を疑い、ストレスに苛まれたモートは、現地の診療所を訪れる。
そこで人柄も容姿も魅力であふれた医師ジョーと知り合うが、彼女は浮気癖のある芸術家の夫との結婚生活に悩んでいた。
監督・脚本は、「ミッドナイト・イン・パリ」などのウディ・アレン。
出演は、「マンハッタン」などのウォーレス・ショーンが主演のモート・リフキンを演じ、「ダブル/フェイス』」などのジーナ・ガーション、「私が、生きる肌」などのエレナ・アナヤ、「オフィサー・アンド・スパイ」などのルイ・ガレル、「ジュゼップ 戦場の画家」などのセルジ・ロペスなど。
音楽は、ステファン・レンベル。
原題「RIFKIN'S FESTIVAL」
2020年作品
スペイン=アメリカ=イタリア合作映画
配給はロングライド
製作会社はThe MediaPro Studio=Gravier Productions=Wildside=Perdido Produiction
上映時間88分
ウディ・アレン作品で2020年の作品なのに、日本ではようやく2024年に公開。
お蔵入りするのかと思った。
公開されて良かった。
すでに最新作の「クードシャンス」は、北米などでは公開されていますが、日本では公開未定となっています。
うん。
相変わらずのウディ・アレン作品ですね。
いつものように主演のキャラクターに自分を投影している感じですね。
インテリでナルシストで臆病なおっさん。
後年の作品は、個人的に可もなく不可もなくっていう感じの作品が多いですが、今作もそんな感じでした。
いい作品ではありますが、めちゃめちゃ面白いというところまではいかない。
まあ、それがウディ・アレンの作品群なんですが。
特に後年のは。
大きな感動もないけど、いつもウディ・アレン作品で小ぶりながら安定感、安心感はある。
相変わらず、もう押し足りないところもウディ・アレン作品ぽくていい。
ただ、かなり老年になってきたな。。。という感じがした。
人生の晩年を迎え、ウディ・アレンの愛と映画と人生への問いかけがあるのを感じられた。
今作は「ミッドナイトインパリ」を彷彿とさせるような、映画への愛情が滲み出ている数々の名作のオマージュ?パロディ?
が、いっぱいです。
フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」のオーソン・ウェルズの「市民ケーン」、ゴダール「勝手にしやがれ」などなど。
チョイスが鉄板なのもいいです。
それに日本映画推しも嬉しいですね。
映画ファンにはたまらない感じ。
こういう笑いも、ウディ・アレンらしくていいですね。
ただ、映画の元ネタを拾えないと楽しめない。
あと、浅く表面だけ見たら、妙に地味な普通の小ぶりな映画。。。になるかも。
ウディ・アレン作品の良さをわかっている人には、なかなか至極の作品になっているんじゃないでしょうか。
それぞれウディ・アレンの作品に感じる魅力ところは多少違うところもあるでしょうが、きっとだいたい同じところなんだと思います。
それにしても、スペインのサンセバスチャン。
めっちゃ美しいところですね。
行ってみたくなりますね。
ウディ・アレンももう88歳。
アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞しています。
あと何本撮れるんでしょうかね。。。
出来るだけ長く作品を作り続けて欲しいです。
■興行収入予想
現段階では上映館数52館と少ない。
1月19日(金)からの公開。
同日の公開作品は、「ゴールデンカムイ」、「僕らの世界が交わるまで」、「緑の夜」、「みなに幸あれ」、「アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション」など。
北米では2022年1月28日公開。
全世界の興行収入は、約231万ドル。
ウディ・アレンの近年の作品としては、2019年の「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」は、製作費2,500万ドルで全世界で約2,230万ドル、日本で約1億円。
2017年の「女と男の観覧車」は、製作費2,500万ドルで全世界で約1,590万ドル、北米で約1,400万ドル、日本で約6,000万円。
2016年の「カフェ・ソサエティ」は、製作費3,000万ドルで全世界で約4,370万ドル、北米で約1,110万ドル、日本で約1億2,000万円。
2015年の「教授のおかしな妄想殺人」は、全世界で約2,730万ドル、北米で約400万ドル、日本で約5,300万円。
というような成績。
さて今作はどうか
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は4,000万円と予想。
星3つ半(5点満点)
★★★☆
「サン・セバスチャンへ、ようこそ」公式サイト
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