大人はわかってくれない

学生の頃なんかに、自称『立派な大人』からよく聞く言葉で、嫌だったものナンバー・ワン、それが「社会に出たら◯◯◯だから～◯◯◯だぞ～」的なアレであった。特に公務員とか大企業とかに勤めているような方がそういう事を言い始める傾向が強く、誠に鬱陶しいことこの上なかった。士業や商店経営者等の己の足のみで立っている自営業者からそういう『立派な大人の説教』を聞いたことはほぼなかったように思う。

思うに「社会に出たら～～」云々言い出す大人が言う『社会』とは『自分が務めている会社や官公庁の内部』という小さな職場という社会であって、本来の意味の『社会』ではない。年齢とかキャリアとかを傘にそういうことを言い始める自称『立派な大人』で尊敬出来る人に会ったことがない。大抵は自慢話とか過去の武勇伝とか自分がどんな大きな仕事をしているかとかの、他人から見ればどーでもいいような話をしたがるのである。おそらく尊敬されたくてそういった話をしたがるのであろうが、いくら大金を稼ごうと、大企業に努めていようと、そんな話をドヤ顔でする大人なんか尊敬できるはずがないのに、それが自覚できておらず、お金や車や会社を自慢するのだ。頭、大丈夫か？とか思う。

しかも、就職したこともない人間に「社会にでたら～」とか言うその神経が理解できない。そんなん理解できるはずないではないか。小学生に微分積分教えてドヤ顔しているようなものだ。掛け算から教えてくれよ。『社会』とかいう曖昧な個人の感情だけでゴチャゴチャ言ってくるなよ、アホなのかよ、と、当時は思っていたものである。

だがしかし、己が齢３０を過ぎた今現在、あえて若者にアドバイスをしようじゃないか。

いいかー、社会に出たらなー、好き勝手やるのは厳しいぞー。でも好き勝手やるのは楽しーぞー。親の大切さと大変さを知るぞー。真実は真実じゃなくなるぞー。そんでも、プライドは捨てるなよー。あたりさわりのない人間にはなるなよー。悪名は無名に勝るぞー。

若者には『法律さえ犯さなければ、嫌われるのは罪ではない』って言葉をおくろう。

『立派な大人』達はね、『皆に好かれたい』『なるべく嫌われたくない』とか思ってるから『社会』が面倒で大変なものだと感じるのだよ。うっひっひ。

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