■書評 トーベ・ヤンソン『小さなトロールと大きな洪水』 講談社文庫2011/9/15
- 小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)/トーベ・ヤンソン

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今年はムーミンの原作者トーベ・ヤンソンの生誕100年らしい。
その関係で講談社がフェアを実施。
ムーミンシリーズの文庫を原語版オリジナルの表紙で供給。
30年ぶりくらいにムーミンの本を手に取るオヤジ
この『小さなトロールと大きな洪水』というのは子供の頃に読んだ覚えがないなぁ…と思ったら、これはムーミンシリーズの第1作。
しかし、本国で1945年に出版されて以来、他国では出版されなかった小品。
日本で出版されたのは1991年だったらしい。
ムーミン達の絵も少しこなれて無くて可愛く無い。
(原作のムーミン達の絵は基本的には可愛く無いのだけれど…)
更にちょっとその後のシリーズとは少しお話の毛色が違う。
あっという間に読了。
■アニメ 『次元大介の墓標』 2014日本
- LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 通常版 [DVD]/栗田貫一,小林清志,沢城みゆき

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最近、ルパン三世の新シリーズが作られている。
昨春くらいにTVの深夜枠で、『峰不二子という女』が放映されていた。
この『次元大介の墓標』はそのシリーズの第二弾。
たまたま見る機会があった。
週刊アクションにモンキーパンチの原作が連載が始まった頃のハードボイルドなイメージを目標に作品作りが行われていて、好感が持てる。
Tvの1stシリーズも元々はこんなイメージで始まったはずなのだが視聴率の低迷し、後半に高畑勲と宮崎駿が演出に入って、大きく路線変更となった。
TV2ndシリーズに至っては、別物(偽物)だと思っていい。
ただ、この作品のマーケットとしてはどこら辺を狙ったのかよくわからない。
もう少しストーリーを練りこんで時間を延ばして劇場用作品としても良かったのではないかと思う一方、そういう企画が通って予算がついて配給が決まるのは難しいのだろうなとも思う。
セルDVDの企画であれば、それなりの予算で配布方法もどうにかなるのだろう…
贅沢を言わせて貰えば、もう少しクセの強いカメラアングルで、もう少しアクションに力を入れて演出して欲しかった様な気がする。
個人的には、なかむらたかしのアクションで、ルパン三世を一度観てみたいかな。
とマニアックな事を書いてみる。
「なかむらたかし」って、どれくらいの人が理解できるのかしら…
の前半
■書評 佐藤次高『イスラームの「英雄」サラディン 十字軍と戦った男』 講談社学術文庫2011/1
- イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男 (講談社学術文庫)/佐藤 次高

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『キングダムオブヘブン』を観て『テンプル騎士団』を読んだから、次はイスラムの英雄サラディンの本を読んでみる。
サラディンは十字軍からエルサレムを奪還したイスラムの英雄。
『キングダムオブヘブン』でも出てきたイスラム側の王様の渋い親父。
サラディンはクルド人なのだが、当時のカリフの下でエジプトのカイロのスルタンとなり、そしてシリアとエジプトのイスラム世界を統一し、十字軍との聖戦に勝利する。
アイユーブ朝の始祖。
当時は、キリスト教文化圏よりもイスラム教文化圏の方が、文化的文明的に進んでいた。
そのためか、内紛を繰り返す狂信的で野蛮なキリスト教徒達に対して、サラディンがイスラム世界の中で勢力を大きくしながら聖戦に向けての準備をしていく用意周到で政治的な手腕が、とても際立つ。
サラディン自身も穏やかで「英雄」というよりも「哲人」の様な性格だったらしい事がこの本には書かれている。
世間を騒がすILISの人質事件やフランスでのテロに比べると、イスラムの英雄はとても紳士的だ。