■映画 『桃太郎 海の神兵』1945年日本
第二次世界大戦中には、連合国側でも枢軸国側でも戦意高揚や戦時国債の宣伝を目的に様々な国策アニメが作られた。
本作は日本で作られたそういった国策アニメの超大作。
監督は瀬尾光世。
戦中戦後のドサクサでフィルムが行方不明になり、長らく幻の作品となっていたが、1980年代末に松竹の大船撮影所でフィルムが見つかる。
発見当時は少し話題になった。
NHKの報道番組でも特集が組まれて、有名な「あいうえおの唄」とかを聞いた覚えがある。
残念ながら僕自身は全編を通して視聴した事は無かった。
先日、契約しているネットテレビの無料作品の中に本作があった。
他はアンパンマンとかポケモンとかの10年くらい前の低年齢向けの作品が並ぶ中で、かなり異色なラインナップ。
この手の作品が大好きなオヤジは土曜の夜に時間を作って視聴する。
出だしは牧歌的な光景が続く。
出撃前に帰省したのであろう猿や雉、犬、熊、兎、の訓練兵たちと田舎の家族の交流が描かれる。
登場人物達が訓練兵である事を除けば戦時色はない。
猿吉の弟が川に流されてしまうという事故は発生するけれど、皆で力を合わせて救助、めでたし、めでたし、そんな流れ。
やがて彼らは南方に進出する。
現地人との和やかな交流と基地の建設が描かれる。
その中で日本語教育をするシーンがあって、そこで「あいうえおの唄」が歌われる。
おそらく当時のアニメーター達の技術がそれほど高くなかったのだろう。
登場人物の動きはタメと抜きがない。半ば粘り着く様に等速。
しかし兎の整備兵達が飛行場を走り回る様に、その等速の動きが少女歌劇団の踊りの様で心地良い。
思わぬ拾いモノ、なかなかの快作。
しかし…
鬼ヶ島から偵察機が帰ってきて、司令官の桃太郎が出撃前夜に一席ぶつ辺りから、話はいきなりきな臭くなる。
「最後の一兵まで…」と戦時用語のオンパレード…
出撃では大音量で轟々と響く一式陸上攻撃機の爆音に圧倒され、その後は殺伐とした場面が続く。
スコールを通り抜け、桃太郎たちは空挺部隊として鬼ヶ島に落下傘降下、イギリス兵を模した鬼達を相手に大戦闘の末に制圧、鬼の司令官を捕まえ降伏を迫る。
このシーンの桃太郎は、三白眼で歯をむき出し。
ちょっとこわい。
鬼よりももっと悪者の印象だ。
桃太郎の演説の辺りから、別の監督の作品の様。
おそらく軍の指導がかなり入ったに違いない。
最後は富士山をバックにさわやかな音楽を流して終わる。
が、殺伐とした戦闘場面の印象が強くて、取って付けた感じは否めない。
妙な後味が残る読後感…(映画だから、読後感ではなくて視聴感か)
何も知らずに子供に見せたら、子供はおそらくトラウマを抱える。
ネットテレビでアンパンマンと一緒に並べていても良いのだろうか???
ここまで来たら割り切って、真珠湾攻撃を描いた『桃太郎 海の荒鷲』(これも瀬尾監督)や『福ちゃんの潜水艦』とかもセットで提供してくれたら面白いのに…と思うのだが、そこら辺はラインアップには入っていない
<余談>
劇中で、過去に鬼達が鬼ヶ島を占領した経緯を説明する場面で影絵アニメーションが使われる。
『くもとちゅうりっぷ』の政岡憲三が担当したシーン。
完成度はかなり高い。
Firefox Quantum
Firefoxがver57にバージョンアップした。
レンダリングエンジンを入れ替え、かなり大幅な変更を行い、表示速度を2倍にしたらしい。
バージョンアップしてみたら確かに表示が速い。
快適、快適。
こりゃ凄いわ。
今まであまり気にしていなかったのだが、今までの表示はかなりもっさりしていたのだと気が付く。
もう戻れない。
困った事に、今まで使っていた拡張機能で使えないモノが出てきた。
RSSフィーダーの’sage’と、HTTPのヘッダー等の解析に使っていた’HttpFox’
困った。
近いうちに対応のバージョンアップされると良いけれど…
(少し難しいかな…)
■書評 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』 角川文庫2008/12/25
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夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
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TVアニメ『有頂天家族』を観て以来、ちょっと森見登美彦の本を意識している。
本書は、3月にアニメ映画が公開された時に角川が増刷をして、その結果として古本屋に100円均一で平積みになっていたのを購入したモノ。(僕はアニメの方はまだ観ていないのだが…)
ちょっと外連味が強いのだが、一部のオタクには共感を得るであろう不器用で純な恋愛を描いた小説。
そのオタクなりのコミュニュケーションの苦労がわかる人には共感するだろうし、一種のユーモア小説として読んでも良いかも知れない。
