予言する少年
フランソワは足を引きずりながら、全速力で(心の中では)
馬のもとに走った。
足がさらにこむらがえった!
転倒ッ
そのまま四つんばいで走った!
「飲むな!」
桶をひったくって叫んだ。しかし桶の中は、すでにカラだった。
「飲んでしまったんだね??なんてことだ!飲んでしまったんだね!?」
車輪を拭いていた老人がその様子を見て驚いて叫んだ。
「ぼっちゃん!そりゃ、馬の水だよお!人間が飲む水じゃないよ!」
地面に身を投げ出したまま馬の水桶を抱きしめ、
「飲んじゃったんだね!?」と馬を責めるその姿は、
はたから見ればものすごくノドが乾いた人に見えた。
フランソワは自分を見下ろす老人の目に、
「この人イッちゃってる!」という思いが浮かんでいるのに気付き、
羞恥心で頬がほてった。しかし今はそれどころではない!
「すみません、わけは言えませんが、
この馬もうすぐひきつけをおこすかもしれません。獣医さんをよびましょう」
フランソワはさらに御者に「この人いっちゃってる!?」と思われても
仕方ない発言をした。この馬はもうすぐひきつけを起こすと予言する少年。
何物だ。
「フランソワ!」
聞き覚えのある声にフランソワは振り返った。
そこには水色のエプロンに籐で編んだカゴを下げた少女が立っていた。
「フェリゼ!」
フェリゼの買い物カゴの中には、
パプリカやズッキーニなどの色鮮やかな野菜がぎっしりと詰まっていた。
マルシェ(市場)に買い物に来たらしかった。
「どうしたの、こんなところで!あんたまさか、
警察を脱走してきたんじゃあないでしょうね?」
「そのまさかだよ、フェリゼ。でも今はそれどころじゃないんだ。
獣医をよんでくれ、この馬はじきに痙攣をおこす」
「一体どうゆうことなの。痙攣をおこすですって?」
「毒を飲まされたんだ」
「毒ですって?」
「毒だよ!」
フェリゼの手から買い物カゴが落ちた。
色鮮やかな黄色や赤のパプリカとズッキーニがごろんごろんと地面に
ちらばった。震える手を握り締め、フェリゼは叫んだ。
「あんたって人は!!」
「ちがうちがう!おれじゃない!」
その時、膝がかくっとしたかと思うと羽交い絞めにされ、
後ろから口を押さえられた。ジャンだ。
「まったく使えない王子様だなあ!事を大きくして荒立てるなよ」
耳元でささやかれたため、ジャンの口の口臭がダイレクトに匂ってきた。
加えてジャンの手のクソ汚いこと!ガサガサに荒れて茶色い粉をふき、
爪には黒い垢がたまっている。そんな手が自分の口を押さえているわけで、
フランソワは失神しそうだった。
「あんたがフェリゼか。それなりにかわいいじゃんか」
フェリゼは(そんなこと、言われ慣れてますよ)という風に
ふん、と鼻をならした。
「あらありがと。あんたは誰?」
「おれ?おれは…」
言いかけて、フランソワを後ろから抱え込むジャンの体が
こわばるのを感じた。
「……きた」
野生の動物が危険を察知したかのように鋭く、ジャンはつぶやいた。
なんだ、何がきたんだ。ジャンの体の緊張がフランソワに伝わり、
フランソワは目だけをギョロギョロ動かし、警戒心を示した。
しかし何も見えなかった。田舎育ちの野生児ジャンには、
都会育ちのフランソワには見えない何かが見えるらしかった。
「くっそうここまでか。残念だったな。あばよ、王子さま。
失敗だったけど、それなりに面白かったよ」
いうなりジャンはパッと駆け出した。
向こうから、マリウスとランスロが走ってくるのが見えた。
「そうです!獣医を!呼びましょう!いますぐ!」
「え、獣医を?」
疾走する二人
2人の少年が村の広場を駆け抜けた。広場の石畳の上には、
木々の木漏れ日がまだらな模様をつくり、サワサワと風にゆれる木々の音が
心地よく響いた。手をつないだ年若い少年たちは、はじける若さと脈動感を
持って、長い手足をぞんぶんに使ってかろやかに駆け抜けていった。
それは事情を知らない人から見れば、無邪気に走り回る子供たちにしか
見えなかった。
ベンチに座ってのんびりと日課のお喋りを楽しんでいた老人たちは
「若いねえ」
「若いって、いいねえ」
と微笑みながら見送った。
しかし実際のところ、少年たちは2キロくらい全力疾走で走ってきていたので、心臓は破れる寸前、口の中はカラカラでオエッとなる直前、
足は攣る一歩前だった。
腕を引っ張られ、走っていた一人の少年がもう一人の少年の腕を振り払った。
「はなせってば!!」
フランソワは膝に両手をついてはあはあ息を整えた。
「に、逃げちゃだめだってば‥ハア、もっと怪しまれるに
決まってるでしょ。戻ろう、戻るんだ」
ジャンも息を切らしながら言った。
「だめだって。今戻ったって無駄だって」
「ジャン。君は逃げてるだけだよ、君の過去から。
君はランスロと話し合うべきだ。唯一の肉親なんだろう。
仲直りするのが一番だよ、戻ろう、逃げたってだめなんだよ」
「その名前を出すな。もういんだよ逃げてなんかないさ。
おれはおれの新しい人生を切り開くんだパリで。
おれはパリに行くんだ!エッフェル塔やシャンゼリゼ通りで、
たくさんの無防備な観光客を相手に財布をスルんだ。
金持ちの観光客は財布にたんまり金をいれてるだろう、
それでおれはがっぽがっぽもうけるんだ。さあ心優しい王子さま。
オレに手を差し伸べておくれ。オレにはあんたの力が必要なんだ。
見てごらん、右手後方。あそこに馬車が止まってるだろ?」
フランソワは振り返った。確かに1頭引きの馬車と
2頭引きの馬車が並んで立ってる。
「はい、出して」
ジャンは両手をフランソワに差し出した。
「出してって‥」
「金だよ、金」
「持ってない」
「うそ。持ってるくせに」
「いや、ホントに持ってない。一文無し」
「家においてきたの?ランスロの家に?一回戻る?」
「いや、ないんだ。ここに来る前にすられたから」
「貴金属は?」
ジャンはフランソワの体を上から下まで見て何か身につけてないか点検した。
「持ってない。肌に金属あたるとかゆくなるからあんまりつけない」
「アレルギーかよ‥‥ったく。使えない王子様だなあ‥」
ジャンは肩にかけていたボロボロのずたぶくろの中から、
複数の何かを取り出した。
さび付いたフォーク、石、ガチョウの羽‥
「これは‥?」
「いざというときの武器さ。フォークは研いで鋭くすれば武器になる。
ガチョウの羽は‥くすぐり用」
「くすぐってどうするの?」
「なんか役に立つときが来るんじゃないかなと思って。
拾ったのは捨てられないんだ。なんでも工夫すれば優れた道具になる‥‥
あとこれ」
「これは!」
「毒入りぶどう酒。今回の事件の。警察からもさってきた。
これは使えるぜえ」
さすがスリと窃盗の常習犯なだけある。手が早いというか、
どうやってくすねてきたのか、フランソワには想像もつかない。
「どうするんだ」
「まず、馬の水桶にさりげなくぶどう酒を混入させる。
馬がひきつけをおこす。それに御者が気を取られているうちに、
別の馬車をいただく」
「なんちゅうことを」
「さあ、協力しておくんなます」
ジャンはぶどう酒のビンをフランソワに手渡した。
「しかも人にやらせようとしてるし」
2人は毒入りぶどう酒のキャッチボールをした。
渡して、受け取らされて、無理やり渡して、返されて。
しまいには肩をどつきあってちょっとけんかっぽくなって息切れがした。
「ハアハア。いいよ。じゃあおれやっから。あんたは馬を盗む係だ」
「そんな役割分担されても。やりませんよ」
しかしジャンはスタスタと馬車に向かって行ってしまった。
「ちょっとちょっと!」
後を追おうと急に立ち上がったフランソワは、右足に激痛が走るのを感じた。
攣った!俗にゆう、こむらがえり!あーこれは痛い!
一頭引きの馬車の横では、老人が馬車の車輪の部分を布で拭いていた。ジャンは口笛を吹きながら馬車に近づき、馬の前におかれた水桶に何食わぬ顔でぶどう酒をビンの半分くらい、一気に投入した。
それから何食わぬ顔で戻ってきた。
馬は桶に口をつけた。
「やめろ!飲むな!」
ジェアノ警部
「なるほど。それで、この事件は食中毒が原因であったと。
そういいたいのだね?」
マリウスからこれまでの経緯の説明を聞いて、
ジェアノ警部は腕を組みしばらく考え込んだ。
「そうです」
威圧感のある沈黙に気圧されそうになりながら、
しかしまけじとマリウスは冷静に言い切った。
「なるほど」
足を組みなおしながらジェアノ警部はふーッと息を吐いて、目を瞑った。
沈黙。
重々しい沈黙。
息苦しいほどの沈黙に、知らず知らず、マリウスは目線が下がり、
テーブルの木目模様を目で追った。
この人、なんとなくアレに似ている。昔読んだ小説に出てくる警部。
主人公の男を執拗に追い回す、冷徹で極端な正義感を持つあの男。
「赤か黒か。善か悪か」
そう、ヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」に出てくる
ジャベール警部だ。
パン一切れ盗んだだけのジャンバルジャンを
執拗に追い回した男。
あの男、最後はどうなったんだっけ?
ジャンバルジャンを追っていって‥
自分の信念がゆらいだ時…
最後は‥確か‥橋の上で‥
「‥‥いいだろう」
マリウスは顔をパッとあげた。
「いいだろう。確かにその線は有力な情報であり、調べる必要がある。
そして、フランソワ氏を勾留したことも拙速な対応であったと認めよう。
調べたが、フランソワ氏から確固たる証拠も出てこなかった。
フランソワ氏を証拠不十分で解放する」
「本当ですか」
「本当だ。悪かったね。さあ、帰りなさい」
実を言うとマリウスはもっと疑われることを予想していた。
食中毒という線も、本当は弱いなと。もっと確固たる証拠がなければ
釈放は難しいと。そしてこの頑固そうな警部を説得するのもそうとう
難しいであろうと長期戦を覚悟していた。
ところが。
なにこの物分りのよさ。あっけない。拍子抜け。
てゆうかこんな簡単に疑いをとくなら最初からフランソワを疑うなよ。
でもいい。ありがとう。マリウスは感謝の気持ちさえ生まれた。
頑固で厳しく、わからずやだと思っていた人間がふいにみせるやさしさや
ものわかりの良さは、そのギャップが衝撃をあたえ時として人に
感動すら覚えさせるものである。
ありがとう、ジェアノ警部。
「では解放の手続きを取ろう」
「それと、アンリ」
「なんだランスロ」
ランスロは遠慮がちに切り出した。
「デュポンさんのぶどう農園の今後の経営のことを考えて、
ここはひとつ、恩赦をいただけないだろうか」
頭をたれてうなだれていたデュポン氏がパッと顔をあげた。
「しかし二回目だぞ」
「私がいたらなかった点もある。きちんと指導がいきとどいていなかった」
「お前はやさしすぎる。お前にはなんの責任もないだろう‥まあ考えておく」
「ありがとう」
ランスロはデュポン氏に向き直り、微笑んだ。デュポン氏は、
目のふちを赤く染まらせ、感激で唇を震わせていた。
そのとき、若い警官が部屋に入ってくるなり叫んだ。
「大変です。窃盗の罪で囚われたジャン・アンドレ・タギエフと
ぶどう酒毒物事件の容疑者、フランソワ・ドゥ・アントワーヌが
脱走しました!」
「はああっ??」
昔、フランソワと城の中庭で飼っていたニワトリが数匹、
逃げたことがあった。そのときモンブランが「脱走」という初めて聞く
言葉を使った。「フランソワ様のクック・ドウが脱走なすった」
(モンブランは動物をその鳴き声で呼ぶのが好きだった。
例えば牛ならモーモーさん、ネズミならチューチューさん、といった具合に)
まだ子供だった自分たちは、動物が逃げることを脱走というのだな、
と初めて知るその言葉のそこはかとない間抜けな響きに顔を見合わせて
力なく笑った。まさかその言葉がフランソワに使われようとは。
「やっぱり、何かあるんじゃ?」
ジェアノ警部がぼそっとつぶやいた。
「彼は混乱しているのでしょう。連れ戻してきます」
「私も行きます、マリウスさん!」
ランスロが止める間もなく、マリウスは警察を走り出た。
逃亡
「ランスロがそんなことを?信じられないな……」
「いいや本当だ。オレが知っているランスロはそういうやつだ。
今の神父ぶって説教こいてるあいつの方がおれには信じられん」
「親は何も言わなかったのか?」
「え」
「あんたらの親は何も言わなかったのか」
「親?親はねえ、いないのよ。俺らを捨てたのよ。よよよよ~!」
顔を覆って大仰に泣くまねをした。
「それは本当か?冗談でなく?」
「ホントだよ!だからあいつもおれもこうして、一人じゃん」
「そうか、それは…すまない」
「えー。すげえ無神経だったね、今のね、ね?」
ジャンは笑って茶化そうとしたが、フランソワはマジにどう
反応していいかわからず固まってしまったので、
ジャンのテンションもちょっと落ちた。
「や、ほんとにごめん」
「いいよぉ…」
「なんてゆうか…」
「いいってばよ…」
ジャンはため息をついた。
「もしかして同情してくれてるんだ。なんか、なんかさあ、
よく同情するなとか可哀相とかゆうなっていうじゃん。でもおれ、
同情されるの好きだよ……ちょっとでもおれのことかまってくれてるって
ことじゃんね、気にかけてるってことじゃんね」
フランソワは切なくなった。
「そう…そうなんだ。でも、でもオレは同情って、
あんまりされたくないかも。おれはあんまり、可哀相とか言われるの、
好きじゃなかった」
「へえ?あんたみたいな坊ちゃんでも人から哀れみの目で
見られることがあるんだ」
「うーん、いやウチも片親だし」
「あーほんと?似てるじゃん、境遇!」
ジャンは大発見をしたかのように喜んだ。
つられてフランソワもちょっと嬉しくなった。
「似てるねえ」
「どっちが欠けてんの」
「母親」
「はーん。親父はいるんだ。親父とはどうなの、仲良くいってんの」
「それがねえ、微妙だな」
「微妙!」
「2週間ぐらい喋らないことも、ある!」
「うっわー!微妙!冷めてる!つめてー!さいてー!」
フランソワとジャンは大笑いした。
「おれもねえ、あるよそうゆうの。すげー微妙なこと。何かねえ、
おれはなぜか親戚の家に預けられてて、そんでおれは家に帰りたかった
からさあ、母親に会いたかったから家に帰ったんだよ、
そしたら母親に、なんで帰ってきたんだー!ってんですげえ怒鳴られて、
ポーンて2階の窓から投げられた。下にいた人がさあ、
上から子どもが降ってきたからすげえ驚いてさあ!ふ、あはははいやは!」
ジャンは完璧にウケねらいだった。面白おかしく話したつもりだった。2人で大笑いするつもりだった。しかしフランソワの反応を見てジャンは酔いが一気に醒めるように現実に引き戻された。その顔は明らかにどん引きしていて、困惑と、悲しみと、とにかく複雑な表情だった。ジャンはその表情だけでもう傷ついた。自分が笑って誤魔化そうとしている暗い過去を、フランソワに痛烈に指摘されたのだ。フランソワが実際どう思っていたのかはもちろん定かではない。しかしジャンはその表情がこう言っているように見えた。「あんた、それは異常だよ。フツウの親はそんなことしない。あんたは愛されていなかったんじゃないのか?」
「…ダメだ」
唐突にジャンは言った。
「ダメだ、ここはダメだ」
「え…?」
「抜け出そう、ここにいたら腐る。死んでしまう。走るんだ。
手の届かないとこまで、走るんだ!」
戸惑うフランソワの手をつかみ、強力な握力で引っ張りあげると
ジャンは走り出した。止めに入った看守をエルボーアタックで失神させ、
制止を求めるフランソワの声にも耳をかさず、
ただ何かから逃れるように駆け出した。
ランスロの過去
ぼんやりと解放の手続きが終わるのを小さな待機部屋で待っていた
フランソワは、背後に人の気配を感じた。振り返るとそこには、
あのときの少年、ジャンの姿があった。
「よう。解放されるみたいだな」
「また、抜け出してきたのかい、君は。ホントにすごいな…」
フランソワはため息をついた。ジャンは先ほどと同じようにフランソワの
隣にぴったりくっついて体育座りをした。
「良かったじゃないか。解放されて。疑いは晴れたんだな」
「いや。どうだか…、それよりもジャン。本当のことを話してくれ。
ランスロのことを。君は何か知っているんだろう。
彼に…ランスロに前科があるということを、彼の過去を教えてくれないか」
「聞きたいんだ?」
「聞きたいんだよ」
ジャンは得意げで、嬉しそうだった。自分の話に興味を持ってくれて、
自分に注目が集まっていることが嬉しくてたまらない子どものようであった。
「あいつはねえ…って…聞きたい?」
「うん、聞きたい」
ジャンは咳払いをして続けた。
「俺らは村の不良としてありとあらゆる悪さをしてきた。
でもそれは最初、ほんの小さなささやかなイタズラから始まったんだ。
ほら、よくあるだろう。小学校とかでさあ。黒板消し落としとかそういった
小さなイタズラだよ。ある晴れた麗らかな春の日に、小学生だったオレと
ランスロは全校集会で校長の話を聞いていた。校長の話の次は、
町長とか偉いおっさんの長い話だった。俺らは退屈していた。ふと横を見ると、チャーリーという学年でもかなりお馬鹿な方のヤツが居眠りをしていた。
俺らはそいつをひじで小突いて起こすと、こうささやいたんだ。
「おい、チャーリー!町長がお前を呼んでるぞ!」
チャーリーは飛び上がって席を立ち、壇上に上がって町長の隣に行った。
それから町長の話が終わるまでずーっと、町長の横に立って僕らを
見下ろしていたんだ。町長もどうつっこんでいいのかわからず、
やりずらそうだっったよ。あのアホヅラ、今思い出しても笑える。
ぶふっ。ぐへへへ。それから俺らは何かが吹っ切れたようにハジケだした。
校内でのイタヅラ、喧嘩にあきたら、今度はゲーム感覚で万引きを
繰り返した。最初は畑になってるトマトとかを放課後に盗って食べたり
してたんだけど、そのうちに市場にいってりんごを1個くすね、2個くすね、段々量が増えていき、一番多いときでは一度に10キロ盗んだ。
で、それを別んとこで売ったりするわけだな。でそのうちに市場とかで
モノ買うのが馬鹿らしくなってさあ、夕飯の、材料はみんな盗んで
くるようになった。例えばポトフの材料。鶏肉、卵、たまねぎ。
みんな盗んでくるの。ランスロはよく言ったよ。
「俺らは海賊だ。シティギャングだ。
今日も明日も狩りに行くぞ、
パオー!」」