言いたいことが言えない。
それだと
自分だけがモヤモヤしたままで
何も変わらないし
それでいいんだと思われてしまうんですよね。
12日のお話会に向けて
『負けるが花』を再読しているとき
ふと思い出した事がありました。
過去の私は
自分の気持ちを伝えるということが
とても苦手でした。
他愛もない会話は普通にできるのに
自分の感情が動くときや
自分の気持ちを伝えようとすると
喉が締まって涙が出そうになるんです。
人前で泣いてはいけないと思っていたので
涙をこらえつつ言葉を飲み込んでいました。
※人前で泣いてはいけないと思っていたのは
子供の頃、泣くと怒らていたからです。
祖父はとても厳格な人で
いつも怒っていました。
私は常に祖父の顔色をうかがって
怯えていました。
私の心の中は
怒られたくない
どうしたら怒られずに済むか
という考えでいっぱいでしたので
何か話しかけられても
どう言えば怒られないか
なんて答えれば怒られないかを基準に
返事を考えていました。
なので
私の気持ちは
"怒られたくない"以外にはなくて
会話自体がもう
成り立っていなかったんです。
しばらく親戚の家に引き取られ
お世話になった時期があり
従妹には多少言いたいことも言えたのですが
なにせ当時の私は
心がひねくれているものですから
ケンカしたとき
明らかに私が悪くても謝らなくて
謝ることを強要されても謝らず
呆れられました。
でもそれは
謝らないんじゃくて
謝れなかったんです。
ほんとうは自分が悪いと思っているのに
謝りたいのに
どうしても謝ることができなかった
そんな場面を今も憶えています。
そんな幼少期を過ごした私は
友達とのコミュニケーションもぎこちなく
女の子同士で色んな話をするようになっても
自分がどう思っているのか
うまく自分の気持ちをつかめませんでした。
大人になってからも
誰かから傷つく言葉をかけられたり
少しキツイ言い方をされると
とっさに何も言い返せなくて
言いたいことが言えなくて
悔しい思いをたくさんしました。
なんて言えば気に入られるだろう
どう答えれば喜ばれるだろうというふうに
相手の反応ばかりを気にして会話をしていたので
人づきあいが
とても疲れるものでした。
いまは心をフルオープンにして
誰とでも接することができますし
自分の気持ちも伝えられるし
言いたいことも言えるようになりました。
それでも
時々グサっとくる言葉に対しては
今もまだ何も言えなくなってしまいます。
その場でひとことでもいいから返したい
私が傷ついたということだけでも伝えたい
そんな願いを叶えるシンプルな言葉が
『負けるが花』の中にありました。
お読みになった方は
おわかりになったでしょうか？
たった3文字
「○○○」
短いひとことなので
とっさに出すことができそうです。
まだ読まれていない方もいらっしゃるので
あえて書きませんが
その場できちんと反論できなくても
傷ついたということだけでも伝えられると
気持ちが落ち着いてから
話し合うための準備になるかもしれません。
”私は傷ついた”
ということを伝えることができる
自分を守る言葉だと思います。
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