小学生の頃、登校時に必ずすれ違うサラリーマン。
眉間にシワを寄せて、しかしながら嫌味がないというか
柳葉敏郎さんみたいな。。。。。むしろ室井管理官のような
キリッとシャキッとした面持ち、姿勢で颯爽と過ぎ去っていく。
そして後からくるポマードの香り。
お互いに出発時刻がしっかり決まっていたのだろう
すれ違う場所はいつも決まった場所で
その香りを感じることが、ある意味登校時の楽しみだった。
それは小学校低学年から続いていた。
時が経ち、高学年になり
クラス替えによって新しい友達が出来て
ありがたいことにその友達のお宅へお邪魔する機会があった。
お庭の世話をしている弱々しい、、、強いて言うなら
温水洋一さんみたいな男性がそこにいて
雰囲気で友達のお父様だということはすぐに理解出来た。
初めてなので、恥ずかしながらも挨拶を交わし、顔を見合わせた瞬間。
こ、この人!!?あのサラリーマン!!!?
間違いなくそうだ。
しかしながら、毎朝感じていたエネルギーに満ちた室井管理官のような顔ではない。
全身に張りつめている糸を全て断ち切ったような
一見するだけで
「優しさだけで出来た人」
そんな印象だった。
同一人物なのはわかっているのに、全く受け入れることが出来ない。
人ってこんなに変わる??って。
そう、まさに「変身」レベルですよ。
登校時のエピソードを伝えたか否かは忘れてしまったが
その後日、またいつものように室井スタイルで過ぎ去っていく。
当時は漠然としていたが、これが「仕事の顔」なんだなと
このおっちゃんめっちゃ格好いいやないかいと。
「よっしゃやるぞ!」という意気込み、覚悟みたいなのが全身から伝わってくる。
「仕事をしてる時の顔は格好いい」
そういうシーンはよく見てきたが、このレヴェルは見たことがない。
緩んだ顔ではダメだというわけではないが
こういうメリハリって憧れますねぇ。
職種は違えど、時にはこういう顔が出来る人でありたい。