7月7日 記念日 その3 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

川の日。
建設省(現在の国土交通省の前身の1つ)が、近代河川制度100周年に当たる1996(平成8)年に制定した。七夕伝説の「天の川」(夜空を横切るように存在する雲状の光の帯で、東アジアの神話では、夜空の光の帯を、川と見ている)のイメージがあり、7月は「河川愛護月間」(国土交通省が定めた、7月1日から7月31日までの期間で、地域と一体となった良好な河川環境の保全・再生や、地域社会と河川との関わりの再構築、河川愛護意識の醸成等を図り、河川の適切な利用の推進のための様々な活動を実施している)であることから。川は、絶えず水が流れる細長い地形である。雨として落ちたり、地下から湧いたりして地表に存在する水は、重力によってより低い場所へと辿って下っていく。それが繋がって、細い線状になったものが川で、河川ともいう。河川の水流は単純なものではなく、川底の地形等によって、二次流、回転流、螺旋状の流れ等様々な流れが発生している。河川には、沿岸や河床を削り取った土砂が含まれているが、この土砂は沿岸の土質によって含まれる量が異なり、沿岸がもろい土質だったり森林伐採などにより裸地となっている場合には多量の土砂が含まれ、濁った川の色となる。こうした土砂の運搬は、水流によって砂礫がそのまま機械的に流されていくものと、川の水に溶け込んだ土砂が流されていくものとに分かれる。河川の流速は、一般に河川全体の勾配に比例しており、源流の標高が高く河川長が短い程流速は早くなり、急流となる。一般に日本の河川は勾配がきつく、流速が早い傾向にある。また、河川の最小水量と最大水量の差を河況係数と呼び、この係数が大きい程渇水期と雨季の流量の差が激しく、治水や利水が困難となる。河況係数は雨季と乾季の明確な区別のある乾燥地帯を流れる河川や、雨季に大量の降水がある上全長が短く、降雨が一気に河道に集中しやすい日本の多くの河川において高くなる傾向がある。地球上の水の約97%は海水で、陸にある水は約3%である。陸水の大部分は、北極・南極に集中する雪や氷と、地下水として存在するので、河川水は地球上の水の0.0001%にしか当たらない。絶えず流れ下りながら尽きることがない川の水は、地球規模の水循環の一部である。川に流入する水の源は、究極的には雨や雪等の降水である。降水が地表で直接河川に流れ込む以外に、地下水から川に入る水もある。雪や雨は一時的な現象なので、川の持続的な水源は地下水である所が多い。地下水は地表で流れ込むとは限らず、直接川底に湧出するものもある。他に、湖沼から流入したり、寒冷気候では万年雪や氷河に由来する水も入る。人間が利用した後の処理済み・未処理の排水も川に入る。川からの流出で最も見えやすいのは、海や湖沼に流れ込む部分である。他に、表面から蒸発して大気中の水蒸気になったり、川底から染込んで地下水になったりする。常時流水がなく、降水時以外は水の流れない、いわゆる水無川も存在する。水無川は、周囲の降水が少なく水が流れない場合と、河床の土質が水を吸収し易く、流水を吸込んでしまう場合が存在する。特に乾燥地帯では蒸発・浸透が大きく、降水時のみ流れたり途中で涸れてしまう川が殆どを占め、これを「ワジ」と呼ぶ。また、特に石灰岩地域においては、地表から吸込まれた水が地下の不透水地層に遮られて下流へと流れ出し、地下に河川が成立する場合がある。こうした場合、しばしば地下河川には鍾乳洞が成立する。川によっては、人間に利用される部分も大きい。流入量と流出量を推計して、全体の流れをみたものを水収支という。川においては川そのものの水収支の他に、流域の水収支に関心が寄せられる。水収支は一年以上の長期を取ればほぼ釣合うが、短い期間の量の増減と収支のバランスは、日々の天気やそれを通じた季節変動に大きく左右される。河道は通常1本ではなく樹状構造を取り、本流に各地から集まってきた支流が流れ込む構造となっている。こうした河川の集合を水系と呼ぶ。各水系は、その水系に流れ込む水を集める領域(集水域)を持ち、その総合を流域と呼ぶ。各河川の流域は稜線等によってかなり明確に区切られており、その境界を分水界、山岳である場合は分水嶺と呼ぶ。本流と支流の区別は厳格な基準がある訳ではなく、本流より長く水量も多い支流は珍しくない。また、支流は本流に流れ込むものであるが、逆に本流から流れ出して海へと注ぐ派川(分流)も存在する。派川は多くの場合下流域に集中して存在し、特に三角州においては多くみられる。こうした派川によって、三角州に流れ込む川の多くは複数の河口を持つ。河口部においては、流速や水位が潮の干満の影響を受けて変動する区域がある河川がある。こうした河川は感潮河川、影響を受ける区域は感潮域と呼ばれる。感潮域は汽水域となっており、表層の軽い河川水の下に塩分を含んで重い海水が潜り込み、塩水くさびと呼ばれるくさび形の海水の侵入をなす。干満の差が特に大きい場合には、満潮の際に海水が段波と呼ばれる垂直壁状の波となって激しく逆流する、海嘯という現象が発生する。特に、南アメリカ東部に位置するブラジルのアマゾン川で発生するものは、ポロロッカと呼ばれ、広く知られている。日本は、法律である「河川法(昭和39年7月10日法律第167号)」や地方自治体の一部条例で、川を国土交通省や各自治体が管理している。河川は、以下のように分類される。一級河川は、一級水系内の河川の内、国土交通省が管理する河川で、「河川法」が適用される。二級河川は、二級水系内の河川の内、都道府県が管理する河川で、「河川法」が適用される。準用河川は、一級河川や二級河川に指定された区間以外で、市町村が管理する河川で、「河川法」が準用されている。普通河川は、前述以外の区間の内、市町村が必要と認めれば条例により管理される河川で「河川法」の適用を受けない。これらは、治水の難度や整備の重要度から判断され分類される。「一級河川」、「二級河川」で指定した河川の区間より上流域を「準用河川」や「普通河川」としたり、逆に上流の名称の異なる河川も含めて「一級河川」や「二級河川」に同じ河川として含める場合がある。従って、これらの指定範囲は、実際に呼称される範囲と一致しない場合が多い。川は、台風や集中豪雨等によって一時に大量の水が押寄せた場合、本来の河道から水が溢れ、周囲へと流れ出すことがある。これは洪水と呼ばれるが、川の周囲には多くの場合人間が特に集中しており、大きな被害をもたらすことが多い。こうした水害から、人命や財産を守るための取組みを治水という。地球上の多くの文明は、川の傍に位置するものが多く、そのため、川の氾濫を抑えることは文明の最重要課題の1つであった。沖積平野の上に社会を築く日本にとっても、治水は不可避の課題であった。こうした洪水を抑えるため、古来より各文明は、様々な手段を講じてきた。水源近くによく整備された森林を整えて水源林とし、降水を一時的にプールすることで、豪雨時の増水を抑えると共に、渇水時に一定の流水を確保することや、河道の傍に堤防を築いて河道をコントロールすると共に、豪雨時に河道から水を溢れさせないこと、流路にダムを築いて土砂の流出を防いだり(砂防ダム)、本流等にもっと大規模なダムを築いて貯水する、遊水地を確保して洪水時に水をプールする、分水路や排水路を建設して水を逃がす経路を作る、逆に、締切堤によって分流を締切り、川の流れを1ヶ所に集めてコントロールし易くする等、治水手段は多岐に亘る。