宇宙戦艦ヤマト2205、登場勢力・登場天体、その20 ( 週刊BBY-01 第459号 ) | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

ボラー連邦

テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場するボラー連邦は、銀河系の一翼、オリオン腕(太陽系)の反対側に広がる広大な星間国家で、銀河系中心部に版図を有する新興国家、ガルマン・ガミラス帝国との間で銀河系大戦を繰広げており、テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』での地球は、それに巻込まれる形で関わることになる。元々は、銀河系の半分以上の領域を支配する恒星間国家であり、多数の植民地惑星や流刑惑星を持ち、オリオン腕方面では、バース星に総督ボローズを派遣して支配、流刑地にしていた。しかし、23世紀初頭、銀河系中心部で元ガミラス帝国総統デスラーが主導したガルマン人の解放戦争で、ガルマン・ガミラス帝国が建国されたことから、ボラー連邦はこの領域の支配権を失ったため、全体の支配領域は銀河系の約30%から約40%程になった。劇中では、作品後半クールの敵として活躍し、主に宇宙戦艦ヤマトの移住可能惑星探査の旅を妨害してくる。ボラー連邦側としては、あくまでもガルマン・ガミラス帝国との戦争が主軸であり、地球に対しては、ガルマン・ガミラス帝国の味方であるから、という理由で攻撃しているに過ぎず、ヤマトシリーズの敵性国家としては例外的に、地球への直接的、かつ大々的な侵略は行なっていない。作中において登場するボラー連邦の最上位者は、首相のベムラーゼである。「首相」という地位は、現実の国家では元首の肩書きではなく、作中世界においても、地球連邦の首相は大統領よりも下位の存在である(テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』)が、ボラー連邦に関しては、首相より上位の存在の有無についての言及はない。
モチーフとなっているのはソビエト連邦。初期案でのイメージは、「原始的野蛮がすっぽりと23世紀の皮フをかぶっているよう」(原文ママ)となっていた。人名は、ロシア人風、連邦のネーミング、酷寒の本星、ソビエト連邦の作家であるアレクサンドル・イサーエヴィチ・ソルジェニーツィンの記録文学作品、『収容所群島』を想起させるような酷寒な流刑惑星等の設定となっており、劇中で使用された宮川泰作曲によるボラー連邦のテーマ曲(BGM)にも、ロシア民謡(サウンドトラックのライナーノーツに拠れば「スラブ民謡」)風の曲調が採用されている。なお、ガルマン・ガミラス帝国では一応、宗教らしきものがあるらしい(デスラーが自らを神に擬している)が、ボラー連邦の宗教は不明である。劇中でデスラーは、ベムラーゼへの挑発として、葬儀を挙げるために宗派を教えろと言っているが、ベムラーゼは、それについて回答していない。但し、第13話にてベムラーゼが「宇宙の神はわし一人で十分」と発言しており、デスラー同様、自らを神格化していることが窺える。また、かつて強大な科学力をもって銀河系を支配した伝説的な恒星間国家、シャルバートの存在に関しても警戒しており、その信者を弾圧している他、王女であるルダを捕らえて流刑するという行為をしている。
本星は、地球とは銀河系中心を挟んで正反対に位置する、厚い雲に覆われた酷寒の惑星。都市は、ドーム状の建物と角ばったビルから成っており、建物には氷が張付き、一部は完全に氷に覆われている。首相であるベムラーゼは、ベムラーゼパレスという宮殿にいる。『宇宙戦艦ヤマト2199』で総監督を務めた、出渕裕が描いたデザインラフ稿では、「首都ラスコー」の名が見られる(但し、このデザインは、実際の映像を見る限り採用はされていない)。なお、本星を含めたボラーの勢力圏内の宇宙空間は赤紫色となっており、緑色になっているガルマン・ガミラスの星域と差別化されている。また、ヤマトシリーズにおいては例外的に、本星が戦場となったことがない。
ボラー連邦人の肌色は真っ白で、大半の人物は紅瞳を持つ。ベムラーゼ、ボローズ、レバルス等の初期設定のネーミング(ベムーリン、ボロゾフ、バルスキー)は、ロシア人風である。なお、女性キャラクターは全く登場せず、ボラー連邦人に女性が存在するかどうかさえも不明である。初期案では、「雪男のように全身に白い長毛あり。巨漢で手強い」(原文ママ)というイメージであった。

属国であるバースは民族が異なるため、緑色の肌をしている。