5月20日 記念日 その4 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

電気自動車の日。 
京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町に本社を置き、自動車・オートバイ用電池、産業用電池、電源システム等、電気機器事業を世界規模で展開する株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション(1917[大正6]年に精密機器メーカー、株式会社島津製作所の蓄電池工場が独立して日本電池株式会社が設立され、同じ電池メーカーであった株式会社ユアサコーポレーションと2004[平成16]年に経営統合して誕生)が制定。株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションの創業者の1人となった、実業家・発明家の二代島津源蔵が、1917(大正6)年にアメリカから輸入した電気自動車「デトロイト号」を約90年振りに復活させた、2009(平成21)年のこの日を記念したもの。因みに、「ジーエス(GS)」とは、日本電池のブランドであり、創業者である二代島津源蔵のイニシャルに由来する。「元祖エコカー」ともいうべき電気自動車「デトロイト号」の復活は、電気自動車用電池を開発する株式会社ジーエス・ユアサコーポレーションの企業シンボル的存在とも言える。電気モーターを動力源とする電気自動車は、車載電池から電力を得る電池式電気自動車と、走行中に電力を外部から供給する架線式電気自動車とに大きく分けられる。電池式電気自動車は、外部からの電力供給によって二次電池(蓄電池)に充電し、電池から電動機に供給する二次電池車が一般的である。車両自身に発電装置を搭載する例としては、太陽電池を備えたソーラーカーや、燃料電池を搭載する燃料電池自動車がある。電池を用いた方式は構造が単純であるため、自動車の黎明期から今日まで遊園地の遊具、フォークリフト、ゴルフカート等に多く使用されてきた。日本では、東京都中央卸売市場築地市場(東京都中央区築地にある通称「築地市場」)等で運搬に利用される、ターレットトラックとしても用いられている。ターレットトラックは、円筒形の動力部が360度回転する構造の運搬車の総称である。小回りが効くことから、卸売市場、工場、倉庫、鉄道駅の構内等で、荷役用として広く利用されている。一般には、「ターレット」「ターレ「ターレー」と、略して呼ばれることが多く、市場関係者は、「ぱたぱた」や「ばたばた」と呼ぶ場合もある。ターレットトラックは、登録すれば公道走行も可能である。東京都中央卸売市場築地市場が、東京都江東区豊洲に所在する東京都中央卸売市場豊洲市場に移転した際には、多数のターレットトラックが公道を走行し、築地市場から豊洲市場へ移動した。二次電池は、出力やエネルギー当たりの質量が大きく、コストも高く、寿命も不十分であった。また、急速な充電を避ける必要もあり、稼働時間に対し長い充電時間も短所であった。そのため、交通機関の主流たり得なかった。近年、出力・エネルギー密度が高く、繰返しの充放電でも劣化の少ないリチウムイオン二次電池の発展により、電気自動車が注目されるようになってきた。リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池(正極活物質に水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウム、負極活物質に水素吸蔵合金を使用する充電池)より高エネルギー・高出力密度であるとされ、電気自動車の性能改善が見込まれる。充電時間については、メーカーや研究機関で30分以下で70%の充電を可能にする急速充電技術が開発されている。電池寿命については、モバイル機器等に使用されているものとは異なり、長寿命である。長寿命である要因は、質量当たりのエネルギー密度がモバイル用よりも少なく、設計的に余裕があるためである。架線式電気自動車としては、架線に接触させて電源を得る方式は、トロリーバス(道路上空に張られた架線から取った電気を動力として走るバスで、「トロリー」とは、集電装置のこと)として古くから用いられている他、架線を地下に埋設して、誘導電流によって走行中に充電できるオンライン電気自動車等がある。ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関による動力源と比較すると、適切に選ばれた電動モーターの起動トルク(ねじりの強さ)は大きく、高速回転領域まで電力の変換効率がそれ程変化しないので、電気自動車は殆ど変速機を必要としない。また、自身で始動できるため、始動用の補助動力装置も不要である。電動モーターは、内燃機関に比べると騒音が少ないが、歩行者に気付かれにくく、事故に繋がる状況もあるため、歩行者へ車両の接近を知らせる発音装置の搭載を標準化することが検討されている。因みに、電気自動車と類似する印象を持たれるハイブリッド車は、2つ以上の動力源(原動機)を持つ自動車の通称である。 2つ以上の動力源を持つ車両(自動車だけに限らない)をHV(hybrid vehicle)と呼ぶ。日本で一般的にハイブリッド車と呼ばれる車両は、内燃機関(エンジン)と電動機(モーター)を動力源として備えたHEV(hybrid electric vehicle)である。車種によって違いはあるものの、運転条件によってエンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーターを同時に使用して走行するもの等がある。ハイブリッド車は、電気自動車の一充電当たりの走行距離をより伸ばす目的で考案されたもので、走行中も常に発電し、充電を行なうため、純粋な電気自動車の短所を大きく払拭している。トヨタ自動車が1997(平成9)年から製造・発売を開始した世界初の量産ハイブリッド専用車(スプリット方式[動力分割方式とも呼ばれる、エンジンからの動力をプラネタリーギアを用いた動力分割機構により分割し、発電機と車輪の駆動へ振分けたり、エンジンとモーターからの駆動力を自由に合成することが可能な方式で、「分割」が「スプリット」のことである])であるプリウスは、エンジンを一定の低燃費回転域で動作させ、遊星歯車装置(噛合っている1組の歯車において、2つの歯車がそれぞれ回転すると同時に、一方の歯車が他方の歯車軸を中心にして公転するようになっている歯車装置)によって速度調整と充電を行ない、低速走行時・加速時・電力余剰時に電動モーターを使用する動力分割方式ハイブリッドを初めて搭載した。環境に良いというブランドイメージを築いており、日本では好調な販売成績を挙げている。世界的な原油価格の高騰と、各国政府による補助金により、先進国ではハイブリッド車の販売は伸びているが、自動車離れの傾向は止まっていない。また、日本や北アメリカでは、ハイブリッド車以外の車の販売が全体に落込んでいる。今後、メーカーによっては、ハイブリッド車が主力商品となることも考えられる。旅客輸送を除く車両においても、古くから電気駆動は使われており、鉱山で活躍するオフロードダンプ等の超大型機の駆動装置には、現在でも「ディーゼル・エレクトリック方式」(ディーゼルエンジン[燃料として、ガソリンよりも気化性が悪く、気化器では容易に気化できない、灯油、軽油、重油等の石油燃料を用いる往復動内燃機関]で発電機を駆動し、その発生電力で電動機を回して推進する方式)が使われ続けている。これは、未だ極端に大きな出力を受けるクラッチ(2つの動力伝達軸の間で、回転を伝達したり遮断したりする機械要素)が、流体クラッチ、若しくはトルクコンバーター(オイルを満たした容器内で、向かい合ったタービンが流体の力で回転することにより動力を伝える装置)しか存在せず、電気的な接続をした方が、構造全体で有利になるためである。