5月12日 記念日 その4 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
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柴犬ハルがお伝えします

ザリガニの日。
1927(昭和2)年5月12日、神奈川県の養殖業者により、アメリカ合衆国南部、ルイジアナ州ニューオーリンズからアメリカザリガニが持込まれた。アメリカザリガニは、食用蛙(ウシガエル[鳴き声が「ブオー、ブオー」というウシに似たもので、和名の由来にもなっているカエルの一種])の養殖場であった鎌倉食用蛙養殖場(1940年代前半に閉鎖され、跡地は、神奈川県鎌倉市の岩瀬下関防災公園となっている)に食用蛙(ウシガエル)の餌として導入されたもので、アメリカで出荷された際は100匹であったが、無事に日本に到着したのは、僅かに20匹であった。そのアメリカザリガニが養殖池から逃出し、その後、爆発的に広まったとされている。1960(昭和35)年頃には、九州でも確認される程になり、現在では、沖縄を含む日本各地で確認され、国内では最もありふれたザリガニとなっている。因みに、ウシガエルも養殖池から逃出す(或いは、故意に捨てられる)例が続出して、アメリカザリガニ同様に全国各地に分布を広げたのは、皮肉という他ない。アメリカザリガニは、日本では全国各地に分布するが、人の手によって日本に持込まれ、分布を広げた動物だけに、分布地は都市近郊に点在する。アメリカザリガニは、水草を切断したり、水生昆虫を捕食する等、陸水生態系に影響を与える。また、ザリガニ類特有の病気であるザリガニカビ病を媒介して、在来種のニホンザリガニの生態を脅かすとされている。これらの悪影響から、生態学、及び、その関連分野に関わる研究を推進するため、研究者を始め、関連する職業に従事する者や学生等を会員として、1953(昭和28)年に設立された学会(査読[研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証]、研究発表会、講演会、学会誌、学術論文誌等の研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流等の役目を果たす機関)で、京都市北区小山西花池町に事務局を置く日本生態学会(現在は、一般財団法人となっている)により、「日本の侵略的外来種ワースト100」の1つに選定されている。また、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法、平成16年6月2日法律第78号)」によって、日本在来の生物を捕食したり、これらと競合したりして、生態系を損ねたり、人の生命・身体、農林水産業に被害を与えたりする、或いは、そうするおそれのある外来生物による被害を防止するために指定される「特定外来生物」ではなく、「特定外来生物」に選定されていないが、適否について検討中、又は、調査不足から未選定とされている「要注意外来生物」であるため、飼育や販売等の規制はない。但し、幾つかの都道府県では、移植が禁止されている。本来、日本国内において「ザリガニ」と言えば、北日本に分布する固有種のニホンザリガニを指しており、図鑑等で「ザリガニ」が和名として通用もしていた。しかし、アメリカザリガニが移入され定着したことにより、産地を冠した和名として、「ニホンザリガニ」「アメリカザリガニ」と呼び分けられるようになり、昭和期以降では、より身近になったアメリカザリガニの方を「ザリガニ」と称する場合が多くなった。また、元々関東以西には、ザリガニ下目(エビ類の分類群の中でも、大きな鋏脚と硬い外骨格[殻・甲羅]で特徴付けられる、甲殻類・十脚目[エビ目]の分類群の1つ)そのものが全く生息していなかったため、エビのような身体構造と、カニのような大きな鋏を持つ特徴をもって、アメリカザリガニを特に、「エビガニ」と呼ぶ場合がある。平野部の水田、用水路、池等、水深が浅くて流れのゆるい泥底の環境に多く生息し、流れの速い川には生息しない。湿地に穴を掘って生息し、夜になると出歩いて餌を探す。雨天では、日中もしばしば活動し、岸辺に上陸して動き回る姿もみられる。食性は雑食性で、藻類、水草、落葉、小魚、オタマジャクシ、水生昆虫、動物の死骸等、何でも食べる。日本では、嗜好の違いからあまり食用とされないが、原産地の北アメリカでは、食用に漁獲されて地元の名物料理とされている。日本でも、外国料理店や一部の料亭等でザリガニ料理を出す場合があるが、これは、食用として流通しているものを使用している。市場価格では、海産のエビ類と比較しても高価な部類である。 家庭での扱いは、日本での主な生息地が沼やドブ川、農業用水といった、不衛生なイメージの箇所が多いことや、泥地を好むため、捕獲直後に一定期間、浄水で泥抜きをする必要がある点から、調理して食べるといった行為は一般的ではない。ザリガニの食味は、淡白で癖の無い味で、食感はシャコ(寿司ダネ等になる食用種がよく知られる、甲殻類の一種で、エビよりもアッサリとした味と食感を持つ)に似ている。食用以外にも、釣りや延縄の餌として使うこともある。釣具店では、通称ザリガニとして販売され、スズキ、チヌ、カレイ、マダイ等の大型肉食魚を漁獲するのに用いられる。水田では、畦(水田と水田の境に水田の中の泥土を盛って、水が外に漏れないようにしたもの)に穴を開け、イネの根を食い荒らすとして嫌われる。また、アメリカザリガニが侵入し、繁殖した水域では、水草や小動物が悉く食い尽くされ、残るのはアメリカザリガニだけ、という状況が発生することもある。なお、アメリカザリガニと同様に、ウシガエルも養殖場から逃げ出して、又は捨てられて、日本各地に分布を広げた、とされている。こちらは、各地の養殖場から逃げ出したようである。ウシガエルは、大型、かつ貪欲で、環境の変化に強く、固有種のトノサマガエルやダルマガエル等の生態を脅かすことから、アメリカザリガニと同じく、日本生態学会により「日本の侵略的外来種ワースト100」の1つに選定されている。また、2005(平成17)年12月、特定外来生物(外来生物の中で、生態系や人の生命・健康・農林水産業等に大きな被害を及ぼすもの、又は、及ぼすおそれのある種)に指定され、飼養・保管・運搬・放出・輸入等が規制された。後の2015(平成27)年には、環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種の内、重点対策外来種に指定されている。  
こてっちゃんの日。
兵庫県西宮市鳴尾浜に本社を置く、食肉等の加工販売で知られる企業、エスフーズ株式会社が2018(平成30)年に制定。エスフーズ株式会社の代表的商品となっている、フライパンで炒めるだけでコクと旨味の牛モツが手軽に食べられる「こてっちゃん」を、さらに多くの人に食べてもらうことが目的。日付は、5月12日の「5」と「1」と「2」で、「こ(5)て(1)つ(2)」の語呂合わせから。エスフーズ株式会社の旧社名はスタミナ食品株式会社で、「甲子園の味」というブランド名を使用していた。主に、家庭用・業務用の焼肉用食肉や、ソース等の加工食品を製造している。「こてっちゃん」という名前の由来は、牛の小腸を原料としていることから、朝鮮語で牛の大腸を指す語「テッチャン」に、小さい「テッチャン」という意味で「こ」を付けたものである。1982(昭和57)年7月、スタミナ食品株式会社から発売され、牛の白もつに味噌や醤油等、各種の味付けを施したものであり、家庭においてフライパンで炒めて食べられるようになっている。スタミナ食品株式会社の創業者、森島征夫が、第二次世界大戦後すぐの闇市で食べたホルモンの味が忘れられず、内臓肉の販売を始めたのがそもそもの始まりで、1972(昭和47)年にアメリカでは廃棄されていた牛の内臓を食材として開発し、輸入を始め、1981(昭和56)年より小腸を使った商品の開発を始めた。当時、日本では豚の小腸に味付けした「豚ホルモン」はあったが、硬くて臭いと敬遠され勝ちで、一般消費者には馴染みが薄かった。柔らかくするため、関東で主流のモツ煮込風に味噌味で煮てみたが、スタミナ食品株式会社は関西にあるため、モツ煮込を食べる習慣があまりなかった関西人の社員達にはピンと来ず、炒める加工品に方向転換し、小腸の持つ「硬さ、臭さ、見た目の悪さ」を克服するため、数ヶ月間試行錯誤を繰返し、発売に漕着けた。テレビCMでは「甲子園の味」という企業ブランド名を使用し、特に、俳優(喜劇俳優)の財津一郎が出演したテレビCMは人気を博し、商品の知名度を一気に引上げた。2003(平成15)年、牛海綿状脳症(略語は「BSE」で、ウシの脳が萎縮して海綿状[隙間が多数あるスポンジ状]になる、感染性の中枢神経疾患で、その症状から「狂牛病」として新聞等で報じられ、一般に知られている)によるアメリカ産牛肉の禁輸措置が取られてから、原料の調達ができなくなり、一時販売休止となっていた。後に、オーストラリア産原料を使用して発売が再開されることになり、2008(平成20)年3月には全国販売が再開された。現在は、原料としてアメリカ産とオーストラリア産の牛もつを使用している。なお、「こてっちゃん」の一時販売休止の際、代替品として、豚もつを使用した「とんてっちゃん」を発売し、現在も販売中である。