5月4日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

植物園の日。
東京都北区田端に所在する社団法人日本植物園協会(現在は、公益社団法人となっている)は、2007(平成19)年度より5月4日「みどりの日」を「植物園の日」と位置付け、「ふるさとの植物を守ろう」をテーマに活動を進めている。植物園活動を広く社会に知らせ、多くの市民から植物園活動の社会的な重要性に対するさらなる理解、支援を得ることを目的としている。植物園活動の普及啓発・広報の一環として、全国の植物園でさまざまな関連行事が開催される。植物園は、単なる庭園ではなく、その英名「botanic garden (ボタニック・ガーデン/植物学庭園)」からも推測されるように、主として学術研究に供するために、植物学の視点で、特性毎に収集された植物、花卉(観賞植物、園芸植物)、樹木等を生きたまま栽培保存し、かつ研究の基準となる押し葉標本等、標本類を蓄積保存する施設である。通常、この機能を果たすため、植物を生きたまま保存するための圃場(育てる場所)と、押し葉標本を保存蓄積する施設であるハーバリウム(植物標本館)を有する。近代的な植物園は、日本では市民の憩いの場、或いは観光施設としての庭園としてのイメージが強いが、歴史的にみると、このような学術的な色彩の強い場であり、さらには、遺伝資源収集の拠点、つまりジーンバンク(野生、及び栽培植物の種子等を収集し保存する機関)として重要な役割を果たしてきた。日本国内には、大学や博物館の付属植物園のように、学術的目的で運営されるものもあるが、そうした植物園は比較的少なく、市民へ公開されている部分もそれ程大きくない。市民に広く公開されている施設は、知的啓蒙を兼ねた娯楽色、憩いの場としての公園的施設として運営されているものが主流であり、地方公共団体における担当部署も、通常は公園課や観光課等である。多くの欧米・アジア諸国の有するような遺伝資源収集の国家戦略の拠点であり、なおかつ、国民に広く認知された憩いの場ともなっているような、ナショナルな植物園は日本には見られず、こうした遺伝資源収集への国民的関心も薄い。薬草栽培は、中世ヨーロッパでは、修道院を中心に盛んに行なわれた。近世に入ってからは、大学農学部等の枠の中で、こうしたものの普及が広がっていった。有名なものに、イギリスのキューガーデンやインドネシアのボゴール植物園等がある。キューガーデンは、イギリスの首都ロンドン南西部のキューにある王立植物園で、キュー植物園等とも呼ばれる。1759(宝暦9)年に宮殿併設の庭園として始まり、今では世界で最も有名な植物園として膨大な資料を有している。新種の発見等に貢献し、2003(平成15)年には、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産(文化遺産)に登録された。東南アジア南部に位置するインドネシアの中南部、首都ジャカルタが存在するジャワ島のボゴールにある植物園、ボゴール植物園は、ボゴール宮殿と併設されている。植物園の面積は80ha以上あり、15,000種以上の植物を見ることができる。東洋最大規模、最大栽植種を誇る植物園で、農業・園芸分野における19世紀の世界的プロモーション・センターとして機能した。オランダという狭小・低資源国の植民地経営がもたらした、アジアにおける輸出産品・育種研究の歴史的遺産で、キャッサバ芋(菓子の材料や料理のとろみ付けに用いられる他、繋ぎとしても用いられるデンプン、タピオカの原料であり、世界中の熱帯で栽培される)、キニーネ薬(マラリア原虫に特異的に毒性を示す原虫感染症、マラリアの特効薬)、タバコ、コーヒー等の普及は、この植物園なくしては語れない。なお、公益社団法人日本植物園協会は、植物園、並びに相当施設に関して、会員の調査研究発表、文献収集、知識交換、及び会員相互間の親睦、関連団体との連絡提携の緊密化、植物園事業の普及発展に寄与することを目的としている公益法人である。
ラムネの日。
1872(明治5)年5月4日、金融業者・実業家の千葉勝五郎が、中国人のレモン水製造技師を雇って製造法を学び、ラムネの製造販売の許可を取得したことに因む。千葉勝五郎は、ジャーナリストの福地源一郎(福地桜痴)との共同経営により、東京府東京市京橋区木挽町(現在の東京都中央区銀座)に歌舞伎専用の劇場『歌舞伎座』を開設したことでも知られる。ラムネは、炭酸水に甘味・酸味・香料等を加えた清涼飲料水である。基本的にサイダーとほぼ変わりないが、ガラス玉入りの瓶に入っていることが特徴で、コップに注いで飲まず、そのまま瓶で飲むことが基本とされている。語源は、レモン水を意味する英語「lemonade(レモネード)」が訛ったものとされる。ラムネは当初、「沸騰散(ふっとうさん)」「ジンジャービア」等と呼ばれていたが、飲んだ直後にゲップが出るので、評判はあまり良くなかった。また、かつて、ラムネは飲むとゲップが出ることから、「月賦」の隠語で「ラムネ」と呼ばれたこともある。イチゴ味やメロン味といった非柑橘系フルーツ風味のラムネも存在し、これらは、レモネード(レモン水)という原義に立返れば、明らかに語義矛盾である。しかし、これらのバリエーションラムネの存在は「ラムネとは、日本で独自の発展を遂げた独特の容器に封入されたフルーツ系の風味の付いた炭酸飲料」と広く認識されていることの証左と捉えれば、「ラムネはラムネ」であり、レモネードとは別種の飲料と了解し得る、と指摘されている。実際に、缶チューハイにおいて、「ラムネ味」と「レモネード味」が、それぞれ別個の味のバリエーションとして発売された例もある。1872(明治5)年にイギリスのコルク会社のセールスマン、ハイラム・コッドがアメリカ特許を取得した瓶が元になっており、コッドネックボトルと呼ばれる。この特有の瓶とほぼセットの形で知られている商品であり、かつては代表的な炭酸飲料として広く飲まれていたが、ガス圧に抗して瓶に王冠で栓をする技術の普及や、缶飲料の登場で、シェアは小さくなっている。それに伴ない、専用瓶のメーカーも少なくなった。発祥の地であるイギリスでは、既にこの瓶は店頭から姿を消している。瓶には、上から5分の2程の位置にくびれが設けられており、口とくびれの間に、ラムネ玉と呼ばれるガラス球が封入されている。この瓶に飲料を充填し、間髪を入れずに瓶をひっくり返すと、内部の炭酸ガスの圧力でラムネ玉が口部のゴムパッキンに押付けられ、瓶が密閉される。即ち、炭酸飲料の内圧だけを利用して密封する仕組みであった。金属やコルクの栓を使う普通のガラス瓶飲料と異なり、栓まで含めてリサイクルが可能なリターナブル容器ということになる。瓶は洗浄して再使用され、状態にもよるが、平均で25回使用される、と言われる。中身を飲む際は、瓶の口を密封しているラムネ玉を瓶内に押込み、内圧を逃がすことで開栓する。長らく木製の押込み用具(玉押し)が販売店頭等に置かれていたが、1980年代以降、開栓用の凸型をしたプラスチック製の器具、「ラムネ開け」(玉押し)を添付して販売することが主流となった。この「装着型のラムネ開け」(玉押し)は、販売時には、ラムネ玉が押下げられないように、リングを挟む形で容器上部に装着されており、開栓時にリングを外して再び容器の口に取付け、直接ラムネ玉を押下げることで開栓する。開栓時には、同時に容器の口を抑え込んでおかないと中身が噴出すことがある。なお、開栓の際に瓶を斜めに傾けると、泡を出さずに開けることができる。ラッパ飲みやコップに注ぐ際に瓶を傾けると、押込まれたラムネ玉が再び上がり、口を塞いでしまうことがあるが、多くの瓶には、口の手前にくぼみが付いており、そこに玉を引っ掛けると、これを防ぐことができる。瓶製造は、広口に成型しておいた瓶に、ラムネ玉を入れてから、口を熱してすぼめるという工程が取られる。2000年代以降では、洗浄し易くするために、瓶口がプラスチックとなり、中のラムネ玉を取るために、口の部分を通常とは違う右回り(時計回り)にひねっていくと、口部キャップが外せるようになっている(スクリューキャップ)。