3月29日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
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柴犬ハルがお伝えします

マリモの日。
1952(昭和27)年3月29日、北海道東部、釧路支庁管内の阿寒郡阿寒町(現在は北海道釧路市と合併し、北海道釧路市阿寒町となっている)にある阿寒湖のマリモが、「阿寒湖のマリモ」として、国の特別天然記念物に指定されたことを記念する日。日本で単に「天然記念物」と言った場合、通常は、国が指定する天然記念物を指す。国が指定する天然記念物は、「文化財保護法(昭和25年5月30日法律第214号)」に基づき、文部科学大臣が指定する。そして、天然記念物の内、世界的に、又は国家的に価値が特に高いもの、として特別に指定されたものを特別天然記念物という。「阿寒湖のマリモ」と同時に、「釧路のタンチョウ」(北海道釧路市、繁殖地も含む)、「ホタルイカ群遊海面」(富山県富山湾)、「鹿児島県のツルおよびその渡来地」(鹿児島県出水市)、「土佐のオナガドリ」(高知県)等も、国の特別天然記念物に指定された。国の特別天然記念物は、指定されると保護の徹底が図られる。阿寒湖に生育するマリモは、最大30cm程度と大きく美しい球状体を作り、希少性も高い。1897(明治30)年に札幌農学校(現:北海道大学)の植物学研究者、川上瀧彌が、阿寒湖の湖西部にある尻駒別湾で発見し、その形から「マリモ(毬藻)」という和名を付けた。なお、スウェーデンの博物学者・生物学者・植物学者で「分類学の父」と称されるカール・フォン・リンネが、スウェーデン中部にあるダンネモーラ湖からマリモを採取し、学名を付けたのは1753(宝暦3)年である。日本国外では、北ヨーロッパの北大西洋上に位置するアイスランドのミーヴァトン湖や、北ヨーロッパのバルト海東岸に南北に並ぶバルト三国のエストニアにあるオイツ湖等で、球状の集合体が確認され、ヨーロッパ北部の諸国・ロシア・アメリカ等、北半球に広く分布している種であることが、近年分かってきた。2011(平成23)年12月、釧路市教育委員会マリモ研究室の研究によって、北半球のマリモの全てが、日本の湖のマリモを起源とする可能性が高いことが判明した。渡り鳥等が食べて、他の地域へと運んだ可能性が高いという。近年各地で個体数が減少しており、種として環境省のレッドリストで、絶滅危惧種(絶滅のおそれのある野生生物)で掲載されている。また、阿寒湖のマリモは、直径30cm程度まで生長するが、太陽光の届かない中心部は、糸状体が枯れて空洞になっているため、大きさを支えきれずに壊れてしまう。しかし、その後は小さいマリモとなり、再び成長を続けていく。日本では、北海道や青森県、山梨県、滋賀県等、全国各地の湖沼で、散発的にマリモの生育が確認されているが、マリモが大きな球状の集合体を形成するのは、阿寒湖と青森県の小川原湖だけである。なお、青森県にある小川原湖のマリモは丸くなく、糸状であることが特徴であるとされていた。しかし、2008(平成20)年、三沢側湖岸に数千個の球体マリモが打上げられ、その後の調査で、球状マリモの発生場所が小川原湖南部にある可能性が高いとされた。また、阿寒湖の湖北部にあるチュウルイ湾は現在、確認されている限りでは、世界唯一の球状マリモの群生地となっている。観光地等で「養殖マリモ」の名で販売されているものは、地元漁協が釧路湿原国立公園内のシラルトロ湖で採取したマリモ糸状体を、人工的に丸めただけのものであり、実際には「養殖」し増やしたものではない。材料を採取しているシラルトロ湖では、このマリモの販売のためにマリモが減少し、絶滅の危機に瀕している。また、販売されているマリモは、天然のマリモに比べて形が壊れ易いと言われている。マリモは、基本的に淡水で生きるが、海水と淡水の混ざった汽水域でも生育が確認されている。淡水産藻類としては、耐冷性と耐暗性も非常に強く、淡水と共に凍結した場合、約-20℃で1日程度の凍結であれば耐えることができ、冷蔵庫で凍結させず数ヶ月保管しても死滅はしない。阿寒湖は、真冬になると完全に結氷し、約60cmの厚さにもなる氷の下にマリモは閉じ込められるので、当然の性質と言える。逆に暑さに非常に弱く、約35℃が限界である。そのため、販売されているマリモを購入した場合、夏場の対策として、冷蔵庫での保管が良いと考えられる。マリモは一般的に水に浮かないものと言われているが、2005(平成17)年になって水に浮かんだ個体が阿寒湖で発見された。また、マリモは光合成により気泡(酸素)を発生するため、販売されるマリモでも、光合成が活発な時に稀に浮く時がある。水質の悪化に弱いことが、生息数の減少を引起こしているとされる。また、乾燥にも弱く、強風や遊覧船の波浪により打上げられると、容易に枯死する。泥に埋もれたり、シオグサ(海にも淡水にも生育する緑藻)に覆われる等して、光合成が阻害されても枯死するが、波浪による回転によってそれらを表面から落としている。また、この回転運動によって、他のマリモの下に隠されたマリモが表に出ることがあり、これにより、群生地全体の各個体が光合成を行なえている。阿寒湖のマリモは、強風による波浪により揺すられ球状になる。30cm程のサイズまで生長すると、より波の影響を受け易くなり、嵐等による強風によって湖岸に打上げられる。従来、打上げられることは、マリモの生長にマイナスと考えられていたが、打上げられたマリモはバラバラになり、その破片を元に、また球状マリモへと生長することが分かり、現在では、打上げられること自体は、マリモにとって数を増やすために必要なこととされている。阿寒湖は、全域が阿寒摩周国立公園に含まれ、北海道で5番目に大きい淡水湖であり、 道東を代表する観光地となっている。周囲は、エゾマツやトドマツ等の亜高山帯針葉樹林、及び、広葉樹を交えた針広混交林の深い森に覆われ、冬は全面結氷する。しかし、所々に直径約1m程度から約6m程度の氷が薄くなった穴があり、「湧壺」と呼ばれている。沿岸に近い「湧壺」は、湖底に湧く温泉水が上昇して形成される。沖合では、湖底に湧く気泡が上昇流を起こし、底に溜まる比較的冷たくない水を、表面に持上げることで生じる。水面に到達する前の気泡が、そのままの状態で湖水が凍り、美しい模様に見える神秘的な現象「アイスバブル」が、結氷期に起きることもある。球状の集合体を作ることで知られるマリモの変種に、富士山北麓の富士五湖に生息しているフジマリモがある。フジマリモは1956(昭和31)年に発見され、富士五湖の中で山中湖、河口湖、西湖の3湖に生育することが知られていたが、2012(平成24)年6月、精進湖での生息が確認され、2013(平成25)年には、最後の本栖湖でも生息確認され、富士五湖全てで生息していることが確認された。山中湖、及び河口湖は観光地化が進み、山梨県の重要な観光資源となっているが、湖周辺の開発に伴なうフジマリモの生育環境の悪化が懸念され、保護対策の必要性が指摘されている。山中湖ではフジマリモの発見以来、分布に関する調査が数回行なわれているが、1993(平成5)年の調査を最後に、山中湖におけるフジマリモは10年以上確認されなくなり、絶滅したかに思われた。しかし、2007(平成19)年9月、湖北岸の潜水調査によって、礫上に付着する糸状の藻が発見され、実体顕微鏡、及び生物顕微鏡を用いて詳細な観察を行なったところ、マリモの特徴と一致し、14年振りにフジマリモと確認された。
みんつくの日。
岡山市北区奉還町に所在し、「つなぐ、つたえる、シェアをする」をキーワードに、社会のさまざまな課題の解決を目指す公益財団法人、みんなでつくる財団おかやま(通称:みんつく)が制定した日。1人1人が自分の未来に対して、意志をもってお金や時間を使い、社会をより良くするために行動する日、としている。日付は、3月29日の「3」と「29」で、「み(3)んつ(2)く(9)」と読む語呂合わせから。この日には、「みんつく」の事業報告会となる「みんつくフォーラム」を開催している。「みんつく」は、530名以上の人からの寄付金、約413万円を基に設立された、「みんなの何とかしたいをカタチにする」市民コミュニティ財団である。広く多くの人に知ってもらいながら資金を集める地域版クラウドファンディング「割り勘」、個人でも少額から基金を設置できる「冠基金」等の仕組みを提供し、ヒト・モノ・カネ・情報の資源循環を通じて、社会課題の解決を進め、「安心で持続可能な地域社会の実現」を目指している。2017(平成29)年3月31日の時点で、「みんつく」を通して寄付された寄付総額は約4,385万円、寄付者数は2,677名となっている。